singer

□そうして君は白へと還る
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張り詰めた空気の中シューシューとそらるさんの呼吸か響く。

「…嘘だ、ねぇ、らしくないですよ。」
「ホントだよ…」

弱々しい声。細い腕がこんなに不気味に見えたのは初めてだ。

「ねぇ、何で?なんで…」

「まふ…、好きだよ。」

「何ソレ?遺言?」
そう呟くとそらるさんは自虐的に微笑んだ。

「まふとはじめて会った時、何だこいつって思った。」
「…最初話しかけてくれなかったよね。」

「でも、段々可愛いと思うようになった。」

「なに、それ。」

「告ってくれた時、すっごい嬉しかった…」
「…いつもと、あんま変わんなかったくせに」

「キスするときに、ギュッて目を閉じてるのが可愛かった。」
「抱き締めた身体の細さが、愛しかった。」
「…」

「笑った顔が、好きだよ。」

「泣いた顔はそそられた。ははっ。」
「っ、ば、馬鹿//」
「怒った顔も可愛かった。」

「無邪気で、微笑ましかった。」

「まふの素直な所は、少し羨ましかった。」

「ふわふわした髪が好きだ。」

「白い肌が愛しいよ」

「他の男に愛想振り撒くところは、嫌だ。」
「何言ってるの、ホント」

「まふの歌ってるところ、眩しかった。」

「俺を、好きなところが可愛かった。」
「そばに居てくれるのが、一緒にいる時間が何より愛しい。」

「照れて、はにかんで、ころころ変わる表情は見てて飽きなかった。」

「でも、もう、見れないね。」

「っ、そらるさん、やだ」

「ねぇ、まふ。俺が死んでも、恋人作るなよ?」

「…まふ、」

「 」

「?…そ、らるさん?やだ、冗談キツいよ。」

「ねぇ、やだよ。置いてかないで。」

「恋人は、一生そらるさんだよ?」

「や、だ…」

ポロポロと堰を切ったように涙があふれる。

「好きです。そらるさん、やだ や やだぁ」

そんなことしたって、物語のお姫様じゃ無いんだから、目覚めるわけ無いのに。
握っていた手は、段々と冷たくなっていく。

「そらるさん、好きです。」


「 」

貴方は今何処にいるの?



タイトル:たとえば僕が様より

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