singer

□ちゅーしたい人この指止まれ
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「くらくん…すき」
あぁ、これはオッケーなのか?いつもの冗談か?

まぁそんなのはどうでもいい。

強引にキスをしようとする、がそれはしんさんの手で遮られてしまった。

「んっ、だーめ、」
ふふっ、と色っぽく微笑むしんさん。

「…ねぇ、しんさんキスしたいです」

この人は俺が求めてからじゃないとこういうコトをさせてくれないのだ。

「ふふっ、良いよ」
了承が出たらもう我慢しなくて良い、しんさんの身体をグッと引き寄せ、貪るようにキスをする。

しんさんはズルい。
俺がこの人に逆らえないのを分かっててあえて焦らすのだ。
「ん、んあっ、ふ」
ピチャピチャと静かな部屋に響く音がひどく大きく聞こえて無駄に恥ずかしくなる。

しんさんはキスに素直に反応してくれていて、あぁ、可愛いなとかどこかずれたコトをかんがえてしまう。

しんさんはそんな俺に気付いたのか、どこか不機嫌な声で

「なに?考え事?」
こういうトコも可愛いと思う。普段は飄々としているのに自分を見てくれないと拗ねるのだ。

我儘だなぁとかは思うが、そういうのも含めてこの人が好きなのだ。

「いえ、可愛いと うわっ」

急にしんさんがもたれ掛かってきた。

「…」

しんさんは意外と不器用だ。器用に見えて実はただの愛されたがり屋で拗ねたり照れたりと可愛い所が沢山ある。

でも、そういう可愛いしんさんを知っているのは俺だけで良い、そう思いながらもう一度キスをした。
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