singer
□ちゅーしたい人この指止まれ
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俺の恋人は俗に言う、小悪魔なのだろう。
今だってそうだ。
俺の家のリビングで二人きり、男としては非常にそわそわしてしまう場面。
彼はソレを分かっててあえてシャツのボタンを第3まで外しているのだ。
誘っているのなら良いのだが、彼は、
「?なぁに、くらくん、熱あんの?」
なんて艶やかな笑みを浮かべながらはぐらかすのだ。
(…ねらってるよなぁ。)
しかし、そうと分かっていても、身体は素直で、自身は緩やかに反応してしまっている。
我ながら情けないと思う。でも、しんさんは、そういう風に出来るくらい容姿が整っているから余計質が悪い。
(ほっそいなぁ…。ちゃんと食べてんのかな。)
なんて、思わず親みたいなコトを考えてしまい、思わず苦笑する。
その白いうなじが妙に色っぽく見えて、更にムラッとしてしまうのは、しょうがない。
いま、俺はしんさんの後ろのソファに座ってて、その細い身体をみて、やっぱり好きだなぁとか考えてしまうくらい、自分はこの人に惚れてしまっているのだ。
すると、今までコタツに入っていたしんさんが急に振り返ってきて、上目遣いで(恐らく狙ってる)コチラを見てくる。
ドキッとしてしまう位は可愛い。
「ねぇ、くらくん。ちゅう」
「…は!?」
思わず素でビックリしてしまった。
驚いてる俺をよそにしんさんは妖艶な笑みを浮かべながら俺の首にその細い腕を回してきた。