少女A(JOJO2)

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その後しばらくするとジョセフ達がやってきた。そして深い傷を負い気絶するメッシーナ先生とシーザーに良くも二人を!とメラメラと闘気をたぎらせているのを見て私は黙って視線を逸らした。なんかエシディシ戦のデジャブを感じるのだがまあこれも全てワムウのせいにしておこう。あながち間違ってもいないし。真相に気付いているのか無言でこちらを向くリサリサ先生の視線がなんか痛かったです。

メッシーナ先生とシーザーは結構な重体でこのまま放置しておけなくロギンズ先生がホテルに連れて帰ることになった。リサリサ先生とジョセフはこのままホテルの内部へ進んでいくらしい。それで私はというと残念なことにワムウ追跡隊の方に加えられることになりました。いや、私のシーザー救うというミッションも終わったことだしもう帰りたいんだけど?ロギンズ先生とともに撤退させてくださいと主張したかったんだけどガチムチ系メッシーナ先生と脱いだら凄いんです系シーザーの運搬に私が全く役に立たないこととジョセフにシーザーの仇は俺たちが取るぞ!な?と腕組まれて逃げれませんでした。いや物理的にもそうなんだけど罪悪感が半端ない。ジョセフよおそらくシーザーの仇は今お前が腕に抱いている奴だぜ?犯人は私です。言わないけど。絶対に言わないけど。養豚場の豚を見るような目で見られたくないのでこの秘密は墓まで持っていこう。犯人の座はワムウに押し付けておきます。

そんなわけでワムウの流した血を追って追跡を開始する。シーザーの攻撃は効いたようでかなりの出血量だ。これで出血多量で死なないのだから奴らの血液量はどうなっているんだろね。血の気の多い奴だ。

ワムウを追っているとドアに化けた吸血鬼が現れた。不意を突かれたジョセフが攻撃を受けそうになるが間一髪クラッカーボレイを盾になんとかかわす。その代わりクラッカーボレイの紐が切れ使い物にならなくなった。うわっ。そういえば最終決戦でジョセフ全然クラッカーボレイ使わないなと思ったらここで壊れちゃったのか。なんてこった。ジョセフの武器が最終決戦前になくなってるよ。そうだったのか。困ったな

まあそれでも最終決戦でジョセフ勝ってたしなんとかなるだろう。うん、いいや。ジョセフの武器を破壊した変な口調の吸血鬼はリサリサ先生にお仕置きされてあっさり倒された。リサリサ先生のかっこよさには本気で痺れました。ステキ!抱いてー!そんなわけで血の後をたどりついにワムウのいる部屋に着いた。扉を開けると薄暗い部屋の中でワムウが調度品の椅子に腰かけていた。ワムウの姿を見てジョセフが叫ぶ。



「見つけたぞワムウ!シーザーとメッシーナ先生の仇をうってやるぜ!」


「落ち着きなさいジョジョ。部屋の中をよくみなさい」



早速ワムウに食って掛かるジョセフをリサリサ先生が諌める。だがジョセフは自分は冷静だという。そして部屋の中にあるもうひとつの足跡を指摘するとカーズの存在を言い当てた。奥の暗闇から光が溢れだしその中からカーズが現れる。

だがリサリサ先生はここにある気配はそれだけではないという。それをいい判断だとワムウが誉めると暖炉に炎を投げ入れた。部屋の中が明るくなり天井に張り付くもののシルエットが浮かび上がる。天井には100匹もの吸血鬼が潜んでいた。うげっ。

この展開は知っていたけど実際に見ると圧巻である。だって鎧を着た強そうな吸血鬼が100体もこちらを威嚇してくるんだぞ?めっちゃ怖いです。しかも吸血鬼特有の陰惨なオーラに背筋がゾクッと寒くなる。どうみてもアレ捕食者の目ですよ。やめてー!私はおいしくないよー!

ジョセフが適当なこと言いながら糸の結界張って波紋を流し一網打尽にしようとしたが残念ながら失敗に終わる。戦略としてはいいと思うけど床に張った結界なんて天井に張り付く吸血鬼たちにはもろ見えですからね。ジョセフは案外おっちょこちょいだ。

カーズが吸血鬼たちに指示を出し一斉に攻撃させようとした瞬間リサリサ先生が口を開く。こんなところに赤石を持ってくるほど愚かではない。赤石には時限爆弾か仕掛けられており私達を殺せば赤石は永遠に手に入らないと。

もちろんそれ自体ははったりなのだが何よりも赤石に重きを置いているカーズ放置できない案件だ。さすがリサリサ先生!なんという素晴らしい交渉力でしょう!普段は寡黙だけけれど決めるときは決めてくださいました!というわけでなんとか首の皮一枚繋がりカーズとワムウ、リサリサ先生とジョセフの2対2の戦闘が行われることになった。



「ふっ、いいだろう。はったりだろうが乗ってやる。ジョジョ、貴様が赤石を持ってこい。無論時限装置とやらは外してだ。女どもは 人質としてここに置いていけ」



よし!ここからはキャラ死亡ルートはないしもう私はいらないね!後は撤退するのみ!確かジョセフが赤石取りに戦線から一旦離れるからそれについていき戦場から逃れホテルについたらああ、ワムウとの戦闘でのダメージで急に立ち眩みが、とかいって倒れたら完璧だね!無事吸血鬼との最後の乱戦を避けれるよ!ということでジョセフに続き私も赤石取りに行く係に立候補しようとしたらカーズから聞こえてきた言葉に耳を疑う。え、女ども?



「な!」


「私達がこのまま逃げないようにするための当然の要求ね。私達は大丈夫ですから行きなさい」



不安気な顔をするジョセフにリサリサ先生がそう言い切る。え、待って。私は大丈夫じゃないんですけど?全然覚悟できてないんですけど?柱の男たちとの最終決戦なんて見ていたくないし完全究極生命体のカーズ様とかお会いしたくないんだけど?物理攻撃効かないから大丈夫だと信じたいけど完全究極生命体になったカーズ様ならその程度の障害は軽く乗り越えてきそうで怖い。ここからキャラの死亡ルートはないけど部外者の私の死亡フラグはいつ立ってもおかしくないからさっさと逃げたいのに!なのに!

リサリサ先生が私達は大丈夫ですなんて言っちゃったら言葉挟みにくいじゃん!というかぶっちゃけ言えないよ!そうこうしてるうちにジョセフは行ってしまった。ああ。そしてついでにカーズとワムウも行ってしまった。あ、え、あ?ちょっと待て。なんでお前らまで行ってしまうんだよ。ピッツベルリナ山麓の骸骨の踵石と呼ばれる古代サークルストーンとやらにはどうやっていけばいいの?現地集合なんですか?せめて送ってくれよ!

私達も行きましょうというリサリサ先生に続き決戦の地に向かう。まさかの徒歩でしたよ。15kmという距離を歩かされましたよ酷い。お前らホストはゲストをもてなすものだろ!もう吸血馬でいいから足を用意しろよ!いや、ウソです。吸血馬なんて乗りたくないです。あんなもん酔っ払いの運転する暴走機関車レベルの危険度じゃないか。そんなもの乗りたくないです。でもだからといって100鬼の吸血鬼に囲まれて行進するのもなー。もうかっこつけて骸骨の踵石とか言わずに近場で決闘しろよ。

そんなこんなでピッツベルリナ山麓に着きしばらくするとジョセフもやって来た。マッチに火を灯し光が収束するところを見せそれが本物であると証明する。約束が守られたと決闘が始められる。ジョセフは赤石をリサリサ先生に渡すと共に日記帳のようなものをリサリサ先生の手に乗せた。それを見てリサリサ先生は顔をあげ静かにジョセフを見据える。



「これを見られたということは話さないといけませんね。いえ、話すつもりでした」


「いったいあんたは何者なんだ。なんでエリナ婆ちゃんやストレイツォの写った写真を持っているんだ?」



そうジョセフが問いかける。どうでもいいけどジョセフよ、普通に犯罪です。リサリサ先生の私物を漁るなよ。女性の持ち物を乱雑に扱うなんてデリカシーが足りません。

リサリサ先生は自分の過去について話し出す。自分はエリナさんに助けられストレイツォに育てられたという。その育ての親をジョジョによって倒されるとは奇妙な運命ですね。というリサリサ先生にジョセフは複雑な表情をする。まあ自分の先生の先生を倒しちゃったわけだもんね。その心境を言い表すのは難しいだろう。で、原作読んでたときから思ってたけど言わないんですか?リサリサ先生が実はジョセフの母親なんだって。正直ストレイツォさんのことなんかよりもよっぽどびっくりどっきりだと思うんだけど言わないよな。これシーザー辺りに言ったらたぶん発狂するよ。マンマミーア!ジョジョがリサリサ先生の息子だって!?嘘だろ!?先生の遺伝子どこいったのだ!??とかいいそうである。全面的に同意だ。ジョセフとリサリサ先生、ここまでDNAを感じさせない親子も珍しいと思います。まあいつ言うかはリサリサ先生のご意向にお任せしますので私は口をつぐんでおこう。クールビューティーの血がジョースター家に混じったのはいいことだと思います。

そんな感じで準備は整いました。いざ戦いの火蓋が落とされる!というところで私はふと思い出す。あれ?そういえばジョセフシーザーのバンダナとか身に付けてないけど大丈夫なのかと。


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