少女A(JOJO3)

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イギーをひとりで追いかけたのはイギーにDIOの館を見つけてもらうためだ。原作ではホームレスに頼むも彼は死んでしまいイギーが見つけることによりDIOの館に辿りつくことができる。

ホーリーさんの命はあと保って数日だ。もしここでDIOの館が見つからなかったら最悪の原作改変が行われるかもしれない。だからイギーの行動を阻害するようなことはできない。

しかし、何もしなければイギーは片腕を失ってしまう。イギーをやる気にさせるためペットショップ編は必要だとしてもイギーが欠損してしまうまで追い詰められる必要はないと思う。だってイギーは無理やりアメリカからこの旅に連れてこられたんだぞ?めっちゃ可哀想じゃん。逆の立ち場だったら絶対に嫌だぞ?

そういうわけで単独行動をしてイギーを助けようとここまできたのだが、本心をいうとめっちゃ後悔してます。なんで承太郎を連れて行くルートを思いつけなかったんだろう。アヴドゥルさんでもいいね。氷に対して炎って相性良さそう。

後ろから風を切る音がして氷のミサイルが飛んでくる。物理攻撃の効かない私は直接氷のミサイルにやられることはないけど周りの空気を凍らされたら捕まることには気付いた。刺殺と凍死は無理でも窒息死はできますよ。やばたん

私の腕の中にいるより自分で走ったほうがいいと思ったのかイギーはスルリと腕の中から抜け出し一緒にペットショップから逃げる。そしてガゥ!と叫ぶとマンホールの方に首を向けた。マンホールの中に入れということですか?でもそれはそれでフラグ立つぞ?

そうこうしている間にペットショップが氷のミサイルを撃ち込んでくる。砂ぼこりが巻き上がる中イギーがマンホールに飛び込んだのがわかった。マンホールに隠れてもペットショップに追われるのはわかっていたがイギーをひとりにしたらここに来た意味が全くなくなる。イギーはマンホールの中に逃げてそこで攻撃を受けて腕を失うのだ。ここで付いていかなければ原作通りになる可能性が高い。

イギーにマンホールは危険だと伝えられたら良かったけど犬とコミュニケーション取るのは無理でした。仕方ないので出来るだけ気配を薄くしてマンホールに飛び込む。暗いしジメジメしているし最悪の場所ですね。今からここにペットショップまで来るのか。定員オーバーなので帰ってもらえませんか?

イギーは辺りを確認するとワゥと一言ないて私の足元に座り込んだ。ひとまず安全だということですかね。足にイギーの毛が触れて少しくすぐったい。誰にも懐かないイギーが自分から近寄ってくるなんてちょっと嬉しいですね。そのまましゃがみ込んでイギーの頭を撫でてみたけれども嫌がる様子はない。このまま穏やかなまま時間が過ぎればいいなーと思ったけどそんな甘くはないですね。ペットショップがマンホールを開けて飛び込んできました。はい、戦闘スタートです。

イギーもすぐに飛び起きてガルルと唸りながら戦闘態勢にある。私も風の鎧をイギーと私に纏わせる。2対1だけれど勝てる自信は全くありませんね。イギーの活躍に期待してます。

ペットショップが氷のミサイルを撃ち込んできた。風の鎧でガードしようとした瞬間私の目の前に砂の壁が現れ氷のミサイルを防ぐ。どうやらイギーが守ってくれたらしい。

イギー!まじか!イギーが助けてくれたのか!どうしよう、かつてないほどトキめいたかもしれない。お前普段あんなにツンツンしているのにいざという時は守ってくれるのかよ。命がけのバトルばかりしていて枯れかけていたトキメキがかなり潤いました。この戦いが終わったら私、イギーのためにコーヒー味のチューインガム買うんだ。あ、これフラグか。じゃあやっぱりなしで。

私を守ったことで手薄になったイギー本体をペットショップが狙う。ペットショップの氷のミサイルを撃ち込まれたイギーは攻撃を食らって吹き飛び続けて撃ち込まれた氷のミサイルにトドメを刺され生首が宙を浮く。

うわっ、グロッキー。え、なんでそんなに平気なのかって?だってあれはイギー本人じゃないからね。おそらくイギーのスタンドであるザ・フールがイギーに化けているのだ。イギー本人になら私の風の鎧が発動するだろうし周りの空気の流れからあのイギーの中身がスカスカなことも感じ取れた。空気の流れから周りの状況がわかるとか私の索敵能力上がっていますね。なんかこの旅でどんどん能力を使いこなせるようになっていっているよ。嬉しいけど複雑だ。

ペットショップの後ろにこっそり回り込んでいたイギーがザ・フールが崩れるのと同時に姿を現す。そして驚くペットショップの胸元をザ・フールの爪で引き裂いた。

原作ではその後これ以上はやり合うのをやめようと引いていたけどイギーはそのままペットショップに飛びかかり喉元に噛み付く。どうして戦ってくれるのかはわからないけどイギーが戦闘に参加してくれるのは非常に助かる。やっちゃえイギー!その鳥公マジこわいからお願いだから倒して下さい。

ペットショップも抵抗してバサバサ翼をはためかせるがイギーは食いついた喉元から離れない。そんなイギーに対して氷のミサイルが撃たれようとしたので風の音を纏わせてミサイルを風弾で撃ち落とす。

イギーが歯をむき出しにしてペットショップに食らいつく。なんとかしようとペットショップは抵抗を試みたが全てイギーと私の能力に防がれやがて動かなくなった。濁った白目をむき出しにしてペットショップがその場に倒れる。うん、合掌。恨みはないけど命は惜しいんです。成仏してください。

というわけでペットショップを倒すことに成功しました!かっこ良く助けたかったのに結局泥仕合いになりましたね。肉弾戦で直接戦ったイギーはボロボロでぐったりしている。お疲れ様です、戦ってくれて本当にありがとう。イギーいなかったら私ひとりでペットショップには勝てなかっただろうから本当に感謝だ。これで安心してDIOの館にいけますね。全く行きたくはないけど。

戦いで疲れているだろうイギーをゆっくり抱きあげる。嫌がられるかなとドキドキしたけどイギーはおとなしく腕の中にいる。ちょっとは親しくなれたってことかな?いや、イギーだし特別に俺を運ばせてやってもいいぞって思っている可能性もあるな。イギーの性格考えたらそれが正解の気もしてきた。

イギーを抱えてみんなの元に戻る。私はまったく道がわからなかったのだがイギーがわぅ!と吠えて行くべき道を指し示してくれるからなんとかみんなと合流することが出来た。私の姿を見るとみんなが駆け寄ってくる。


「ナマエじゃないか!今まで何処にいっておったんだ?心配したんじゃぞ!」


「おや、ナマエが抱えているのはイギーではないか。どうやら怪我をしているようだが何かあったのかい?」


「なんだよ、このクソ犬ナマエにはおとなしく抱かれるのかよ。ただのスケベ犬じゃねえか」


「ちがうわバカナレフ!敵スタンドに遭遇して今まで交戦していたんだよ!どっかの似非騎士と違ってイギーは戦って私を守ってくれました。めっちゃかっこ良くてイギーが人間なら間違いなく惚れてましたね。どっかの夕日に影を作るだけの電柱男とは違うんです」


「敵と交戦しただって!?大丈夫だったのナマエちゃん!怪我はないかい?」


ポルナレフがイギーをからかうようなことを言うからDIOの刺客と戦っていたことを伝え猛反発すると典明が焦ったような声で心配してくれる。うん、ポルナレフもこれくらいの気遣いをしてくださいよ。ポルナレフは本当に愛の国の出身という設定を生かせてないと思います。

みんなの心配する声にお礼を言っているとふと、強烈な視線を感じてその先を見ると承太郎が睨みつけるように私を見ていた。なにあれこわい。人ひとり殺しましたといっても納得できそうな顔で睨まれて私のチキンハートがギュッと縮みあがります。え、私何かしましたか?お前に見られる度に確実に私の寿命が減っていっているのでお願いだからこっち見ないでください。

そのまま承太郎はノシノシ歩いてくるとポンと私の頭に手を置いて『ひとりで行動するな。何かあったら俺が守ってやる』という。どうやら承太郎は私のことを心配していたらしい。そうか、そりゃいきなりいなくなった仲間がDIOの刺客と戦闘してきたっていったら気になりますよね。心配かけてごめんなさい。しかし次はもっとマイルドな顔で心配してください。冗談抜きに殺されるかと思った。

ちなみにイギーは承太郎が近づいてきた時点で腕の中から脱兎の如く逃げ出していた。あの殺気ムンムンの承太郎から逃げたくなる気持ちはわかるけど私を置いて行くなよ。次からは私も連れて行ってください。

というわけでペットショップ編も無事終了です。イギーの手も無事だしホルス神の暗示を持つスタンド使いを倒すこともできたし一件落着です。今回はペットショップ倒してDIOの館見つけてめっちゃ働いたなー。次回以降はもっと働くはめになるけど。ここからは本当に死亡フラグの連続です。…うん、強く生きよう。


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