少女A(JOJO3)

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バステト女神、セト神戦も終わりついにカイロに到着しました!ここまで来るの本当に長かったわ。本来なら飛行機で12時間のはずなのに敵スタンド使いのせいで随分と遠回りさせられてしまった。ホリィさん大丈夫かな、早くDIO倒して助けてあげたいな。でもやっぱりDIOと戦いたくないから早く会いたくもないです。優柔不断だって?命かかってたら決断だって鈍るわ!

さて、いくらDIOに遭いたくないからってホリィさんを助けたい気持ちは本当なので皆と共にDIOの館を探すけれども、ちっとも見つからない。全然見つからない。私も空を飛んで上から見たりしているけど全く見つかりません。そりゃカイロにいったいどれだけの建物があって、しかし手がかりが建物の写真だけというならそりゃ簡単に見つかるはずもない。

皆ちょっと精神的にダメージを受けながら建物を見たり聞き込みをしたりしながら探していく。するととある喫茶店でこの建物見たことがあるという人がいた。以前交通事故で顔面轢かれたんですかというような顔立ちをした男、一目でわかりましたね、イカサマ師ダービーです。うわっ、新たな刺客がやってきたよ。ということはこの喫茶店の人間全員このダービーの仲間なんだよね?喫茶店のマスターに出されたアイスティー飲んじゃったんだけど大丈夫か?毒とか入ってない?トイレで吐いてこようかな。まあ原作で毒を盛ったりとかはしていなかったから大丈夫でしょう。

皆でダービーのもとに詰め寄りその場所を教えろと迫るがダービーは賭けをして勝たないと教えないという。あー、どうしようかなこれ。正解は賭けをする前に承太郎にスタプラを叩きこんでもらうのが一番手っ取り早いのだけども理由なくそんなこと言い出せば私が危険人物扱いされるからそれはなしでいこう。ホリィさん助かっても私が社会的に抹殺されたらよくないので。皆が幸せになれる道を探しましょう。

というわけでしばらくは静観します。確か最初の犠牲者はポルナレフだったよね。じゃあ全く問題ないです。

案の定ポルナレフはあっさりダービーの挑発に乗って賭けをしてそんでもって負けました。まああの猫はダービーの飼い猫だったわけだから誰も勝てないんですよ。ポルナレフはドンマイです。

さてここからが問題だ。最終的にダービーには承太郎が精神力で上回って勝ってくれるのだがそんな戦いされたら私のメンタルが死ぬので絶対に見ていたくない。しかもあの戦いって次々と仲間の魂を賭けていっていたよね?つまりホリィさんの魂ではなくて私の魂がかけられる可能性が高いよね?というか絶対間違いないよ。チップは私の魂だよ。そんなデットアライブな戦いはしたくないので承太郎が出てくるまでの展開にはしませんよ。ジョースターさんにかたをつけてもらいます。

原作通りジョースターさんがコップと酒瓶を持ち出し表面張力を知っているか?とダービーに賭けを挑む。酒の入ったコップに変わりばんこにコインを入れていき酒をこぼした方が負けというゲームだ。一気に5枚のコインをいれたダービーに対してジョースターさんは一枚だけコインをいれる。ついでにコインと指の間に仕込んでいた脱脂綿から酒も足していた。この戦い本当にイカサマだらけだな。ダービーはともかくジョセフさん、ジョースター家の紳士さはどこに置いてきたのですか?いやでも正直騎士道精神よりも命の方が大切なので全然かまいませんよ。勝てばよかろうなのだァー!

コップにはあとコイン1枚入る余地はない。勝利を確信したジョースターさんが楽しそうにダービーを挑発しにかかっているが残念ながら勝負はまだ終わってません。コップにチョコレートの欠片をくっつけ傾けさせていたダービーにはまだコインをいれるスペースが残されているのだ。あー、影になって見えにくいとかいって席を移動させましたよ。こりゃ不味い。

ダービーのコインは酒を溢さずコップの中に入っていった。予想外の状況に絶望的な表情を浮かべるジョースターさんに今度はダービーが『酒が蒸発するまで待つつもりかね?』とかいいながら勝ち誇った顔を浮かべる。さてさて、種は割れているのでそろそろ答え合わせといきますか。原作知識あって本当によかった。これ目の前で突然されていたら絶対気付かなかったわ。


「承太郎‥!」


「イカサマはしてねえ。今こいつは正々堂々コインをいれやがった‥」


「コインはいれる瞬間は何もしてないけどイカサマはしてたみたいだよ。えっと、なんというかコップの底にチョコレートのかけらをくっつけて傾けていたみたいな?」


「それは本当かいナマエちゃん!??」


だが直接ダービーにフハハッ!貴様のイカサマはこのナマエ様が見破ったぞォー!という勇気はないのでこっそり花京院に耳打ちして真相を知らせる。敵スタンド使いであるダービーに目を付けられたくなくて私の口からではなく花京院にイカサマの正体を言ってもらおうと思ったのに花京院の驚いた声に全員こちらを振り向いた。あっ、はい。ズルはだめなんですね、自分の口で言わなければいけないんですね。目立つと敵に目をつけられるばっかりでいいことないから同行人Aくらいの立場にいたかったのだけどこれだけ注目されれば諦めるしかない。かかっているのはジョースターさんの命なわけだし素知らぬ顔することはできない。ポルナレフならしらない。


「ダービーはコップの底にチョコレートの破片をくっつけて初めから少しコップを傾けていたんだよ。そして席を移動して太陽の熱を当てることで溶かした、はず」


「チッ、そういうことか」


承太郎は舌打ちするとテーブルの上に乗っていたコップを手に取りひっくり返し底を確認した。いや、お前私を信じすぎじゃない?いきなりコップひっくり返して私の勘違いだったらどうするつもりだったんだこいつ。イカサマしていないのに乱入したってことなったら間違いなく反則だって言われて魂奪われてましたよね?信頼しているから?それとも短気?どちらにしろ間違ってた時に私の責任が重くなるからもっと慎重に動いてくださいお願いします。

コップの底には無事チョコレートがついていたのでダービーのイカサマは証明されました。『こんな小娘に私のイカサマが見破られるなどぉッ‥!!』とダービーは絶叫していたがポルナレフの魂が戻ってきたところでオラオラされてリタイアしました。ダービーは本当にドンマイです。

というわけでダービー戦はあっさりと終了しました。よくあのイカサマを見破った!と皆に褒められたがここはまだ敵地のど真ん中なのでぶっちゃけやめてもらいたい。周りの人間がダービーの仲間ということはどうやってダービーを倒したかという情報はDIOに届くのだ。ふむ、ナマエという奴は厄介そうだな。先に始末するかとか思われたら目も当てられる。お願いだから私を小市民ポジションに置いといてください。


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