少女A(JOJO3)

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アヴドゥルさんのエジプト遺跡講釈を聞きながらカイロへ向かう。エジプトではまだ見つかっていない金銀財宝を探してこっそり家の下を掘っている人がいたりするんだって。へー、それは面白い。もし見つけたら大金持ちになれるもんね。私も探してみようかな。ちょっとイギーさん、コーヒー味のチューインガムあげるのでここ掘れわんわんいっていただけませんか?でもイギーに頼むと大判小判じゃなくてかわらや茶碗のかけらの方がでてきそうだわ。やっぱりやめておこう。

アヌビス神を川にぽちゃんしたってことは次に来るのはたぶんバステト女神だろうな。またしてもめんどくさい敵だけれどもバステト女神は相手が自分の創りだしたコンセントに触れなければ能力を発揮できないスタンドだ。ネタがわかればまったく怖くないね。これから先絶対にコンセントには触れないようにしましょう!

そんなわけで私が徹底してコンセントを避ける生活を送っているとジョースターさんの義手の調子が悪くなり立ち寄った喫茶店のラジオがジジジと嫌な音を立てた。あ、はい。どうやら原作通りジョースターさんは磁石になってしまったらしい。おそらくさっきジョースターさんがひとりでトイレに行ったときにコンセントに触れてしまったのだろう。ここから私にできることはありませんね。ジョースターさんとアヴドゥルさんは色々大変だろうけど頑張ってください。

その日はちょっとお高いホテルに泊まり一晩を過ごし次の日ホテル前に集合していたのだがいつまでたってもジョースターさんが降りてこない。それに対してポルナレフが普通年寄りは朝が早いんじゃないかとぶつくさ文句を言う。確かになんでこんなに起きるのが遅いんだろう。全身磁石になると睡眠時間が長くなるのか?まったく関係なさそうに思えるしやっぱりただジョースターさんがお寝坊なだけだろう。ジョースターさんはーやーくー。お腹がすきました。

あまりにもジョースターさんが遅いのでアヴドゥルさんが迎えに行く。しかしいつまで経ってもふたりは戻ってこない。



「ジョースターさんもアヴドゥルさんも遅いですね。何かあったんでしょうか」


「そうだな。ハッ!まさかあいつら、、、俺たちに内緒でこっそりふたりだけで旨いもの食いにいったんじゃねえか?!」


「ポルナレフじゃないんだからそんなわけないだろ。ポルナレフじゃないんだから」


「なんで2度言うんだよナマエ!」


「後5分経っても来なかったら探しにいくぞ」



ギャーギャー騒ぎながらくっててかかってくるポルナレフのこと無視してホテルを眺める。大事なことだから2回言ったに決まっているだろ?だってさ、発想力が貧困というか危機感がないというか敵陣の真っ只中にいるというのに出てくる言葉が美味しいご飯食べにいったんじゃね?っていうのはどういうことだよ。今までせんぞ敵スタンドに狙われてきたことを思いだせよ。アヌビス神のリベンジ戦省略したから平和ボケしちゃったのか?あそこはポルナレフをフルボッコさせとくべきだったか。選択ミスった。

皆でどうするか相談した結果5分後にふたりを探しに行くことになった。特に反対はしないけど5分後どころか今現在進行形でお二方は戦いの真っ最中だから探しに行っても見つからないだろうな。特に反対はしないけど。ここで下手に探しに行こうとか言って戦闘に巻き込まれるのは嫌なので原作通り二人がバステト女神を倒してくれるのを待つことにする。さっき線路を壊した奴がいるって騒いでいた人が通って行ったし今はバステト女神のおっぱいが爆乳化している頃合いかな。なんだかんだいって対戦相手がスタイル抜群の美女のジョースターさんとアヴドゥルさんは羨ましいです。こっちは弱いものイジメ大好き変態アレッシーが相手なんだよ?全力で逃避したい。

って、そういえばもうすぐ次の敵であるアレッシーがやってくるのか。確かにバステト女神戦とセト神戦は同時進行で行われるんだもんね。本気で逃げたくなってきた。もちろん、セト神の本体のアレッシーが気持ちわるいから会いたくないってのもあるけどそれよりなによりセト神は能力が厄介でスタンドと影が交わった者を若返らせる。そして若返った者は肉体だけでなく記憶や能力も年相応になってしまうのだ。つまり何がまずいのかというと私がセト神のスタンド攻撃を受けてしまうとふうふうの実の能力が使えなくなってしまうのだ。うぎゃあああっ!それは死ぬ!絶対に死ぬ!間違いなく死ぬ!私がこれほど過酷な戦いを切り抜けられてきたのはふうふうの実の力が圧倒的に大きい。空飛べるし物理攻撃効かないしというチート技能がなければ私はただのかわいい平凡な女子高生でしかないのだ。マジヤバたん。すっごくまずい。だから私は絶対にセト神の攻撃を受けるわけにはいかないのだ。

5分経ち皆でジョースターさんたちを探しにホテルの中に戻ってみるが当たり前だがジョースターさんたちはいない。ここで皆も敵に襲われているのかもしれないと現状を認識し外にふたりを探しにいく。

何処にいるか見当つかないのであてもなく街中を探し回っていると異様に髪の毛が横に長い男が近付いてきた。うわ、キター!

真横にリーゼントを2つ取り付けたような髪型でじっとりとした目付きに陰険なオーラという非モテ男オーラを装備したアレッシーさんが登場しました。思っていた以上にインパクトがあるお姿ですね。取り敢えずどんな理由でその髪型を選択したのか聞いてみたい。幼い頃自分を助けてくれた人がその髪型してたんですか?そんな髪型の奴が世の中にふたりもいてたまるか。

ジリジリと近付いてきたアレッシーをポルナレフがギロリと睨み付ける。騎士の勘と奴が敵だと認識したのだろうか?そのままやっちまえ!



「てめえ、殺気があるな。新手か」


「へっ、え?私のことですか?この目付きなら親からもらったものでして、」



ポルナレフに睨まれたアレッシーがオドオドしながら答える。そして引きつった笑みを浮かべながらへらへらと足元に落ちていたコインを拾い上げコインを落としたからここにいたんですよ。貴方たちなんて知りませんよアピールをする。取り敢えずアレッシーの演技力を採点するならば3点である。何故その理由で騙せると思ったんだよ。コイン落としたとかも聞いてませんよ?後ろめたいことがある人ほどよく口が回るとはまさにこのことだ。ポルナレフも怪しいと思ったらしい、チャリオッツを出した。



「お前が本当にスタンド使いじゃないか調べてやるよ」



そういってポルナレフがアレッシーに近付いていく。いいぞポルナレフ!やっちゃえ!と心の中で叫びながら私は後ろへと飛び退いた。え、だって今からセト神の攻撃がくるのだろ?射程範囲外に出とかないとヤバいじゃん。ポルナレフ?頑丈なのだけが取り柄なんだし奴ならなんとかなるだろ。問題ない。

そしてチャリオッツの剣先がアレッシーに向けられた瞬間足元の影がぎゅんっと伸びポルナレフの影と交わった。不意をつかれたポルナレフが慌てて避けるがもう遅い。一瞬でも交わればその能力は発揮されてしまう。

影が交わったことを確認したアレッシーはニヤリと笑うとくるりと背を向け駆け出した。それを見て慌ててポルナレフも後を追う。

このまま放って置いても大変な目に逢うのはポルナレフだけなので放置してもいいんだけどアレッシーを野放しにするのはリスクが大きいのでここで仕留めたい。典明と承太郎に声をかけてふたりと共に後を追う。皆で追う。うん、だって幼児化させる能力者と直接戦うなんてごめんだもんね。直接対決は主人公たちに任せよう。

ポルナレフが走っていった方に向かいながらきょろきょろと敵を探しているとぶかぶかな服を着た小さな子どもを発見した。おお、あれがポルナレフか。



「おい、君と同じ銀髪のフランス人の男を見なかったか?」


「それ俺だ!」



承太郎がショタナレフにそう聞くとその子は嬉しそうにそれは俺のことだ!と目を輝かせた。スタンド攻撃受けて脳ミソまで子どもになり自分の状況を説明できなく困っていたところに承太郎から核心に迫った質問が飛んできたので喜んだのだろうけど、残念!承太郎はやれやれ、子どもに聞いたのが間違いだったぜといって踵を返す。まあ成人男性探しているのに子どもに俺だ!といわれても困るよね。ふざけているようにしか見えません。だが彼は正真正銘本物のポルナレフなんですよ。どうしようかな、まあ助けてやるか。

ショタナレフを保護するために声をかけようと視線を向けた瞬間不審者に絡まれているショタナレフの姿が見えた。後ろ姿だけれどあの髪型は間違いなくアレッシーですね。おや、ならやることは決まってます。



「承太郎!典明!あの髪型おかしくて目付き悪くてついでに性格も悪そうな不審者オーラ満載の男がポルナレフを攻撃した敵スタンド使いだ!あいつの影がスタンドだから気をつけて!」


「なんだと?てめえ敵なのか」


「本当かいナマエちゃん!?貴様、ポルナレフをどこにやったんだ!覚悟しろ!」


「ひっ、ひええぇぇーっ!??し、しまったぁ!」



というわけで承太郎と典明に敵の情報を叫んで彼らに倒してもらう。アレッシーは相手を幼児化させるのにスタンドパワーを使っているから本体自体は全く強くない。あっさりオラオラされてリタイアです。

そんなわけでセト神編も終了です。アレッシーをぶっ飛ばしたらポルナレフも無事に元に戻りました。相手を幼児化されるスタンドとは恐ろしい能力だぜと元に戻ったポルナレフが呟いている。本当に恐ろしい能力だったよね。危うく物理攻撃無効のチートボディが失われるところだったぜ。おぅ、怖い怖い。

でもちょっと面白い能力でしたよね。皆の子ども時代とか見てみたかったかなと楽しそうに典明がいう。そういえば確か原作では承太郎も幼児化していたんだよな。子ども時代の承太郎というレア状態を逃したのはちょっと残念だった気がする。見てみたかったよ。まあ命には代えられないので原作変えたことに後悔はない。これからもビシバシ私に被害がない範囲で変えていこう。

みんなで談話していると承太郎がナマエの子供時代の写真なら俺の家にあるぜと帽子を縁に手をやりながらいう。え、ちょっと待って。なんで承太郎の家に私の子どもの頃の写真があるのだ?あ、そういえば私って承太郎と幼なじみなんだっけ?トリップしてきただけだから記憶なくて忘れてたよ。幼なじみなら子どもの頃写真があってもおかしくないのかな?まあ別に私の写真が何処にあろうがデスノートの世界でもないんだし問題ないので放っておこう。それよりも死亡フラグについて考える方が大切だ。

その後、バステト女神を倒したらしいジョースターさんとアヴドゥルさんと合流する。取り敢えずお腹が減ったのでご飯が食べたいです。


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