少女A(JOJO3)

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ゲブ神戦で典明は無事だったけどアヴドゥルさんが負傷したので病院に行くことになった。とはいえ傷は浅く一晩で退院できるらしい。重傷じゃなくてよかったです。これからも頑張っていきましょう。

アヴドゥルの治療を待つ間休養と買い物をかねて私たちも町に留まることになった。そしてブラブラと町を散策しているとポルナレフが吸っていたタバコをピンと放り投げその先にある喫茶店で茶でも飲もうという。その言葉であ、と私も思い出す。

これ、原作のくだりと同じじゃないか?ということはこの先の喫茶店に入ると毒入りの紅茶が出てくるんですねわかります。もう次のスタンド使いがやってくるのかよちょっと休ませてくれ。

今回の敵はクヌム神の暗示を持つスタンド使いとトト神の暗示を持つスタンド使いの二人組で兄弟コンビだ。二人のスタンドはそれ自身は強くはないが能力がとても厄介で近い未来を知ることができるトト神と姿を自在に変化させるクヌム神を使いトト神の予言した自分たちに有利な未来を実現させに来る。まあ面倒な敵には違いないけど近い未来どころか原作知っている私にしてみればまるっきり何してくるかわかっちゃっているんだよな。毒入り紅茶にしろ爆弾入りオレンジにしろタネがわかれば怖くありません。向こうもまさかそんな知識チートがいるとは思っていなかっただろうからドンマイだな。まあ私がいてもいなくても彼らの策は成功しなかったけど。

ということでわざわざ敵の待ち受ける店に入ることもないからポルナレフの選んだ店に入らないように提案することにする。毒入りの紅茶を飲むのは嫌です。



「俺のタバコはあの店を選んだぜ」


「だが断る。あの店はなんか雰囲気悪いし冷蔵庫壊れていそうだし別の店にしましょう。ほら、隣の黄色い屋根の喫茶店とかどう?ケースの中に入っているケーキとかおいしそうだよ?あっちにしよ?ね?」


「なんだよナマエ。お前ケーキなんかが食いたいのかよ?お子ちゃまだな。まっ、いいぜ。ナマエがケーキ食べたいっていってるし隣の喫茶店に入ろうぜ」



ポルナレフはニヤニヤ笑いながら私の頭をくしゃくしゃに撫でると私の提案した喫茶店に向かって歩き出した。何故だろう、私の望み通りの展開になったというのに納得できません。別にケーキが食べたいから隣の喫茶店選んだんじゃなくて命の安全のためにそうしたんだよ!やめろよポルナレフ!だから私に食いしん坊キャラを植え付けるんじゃない!女子なのにその称号は嬉しくないんだよ!

ポルナレフとギャーギャー言い合いをしながら店に入る。すると長い帽子を被った背の高い店員が注文を取りに来た。あれ?ひょっとしてこいつオインゴさんじゃないんですか?え、店変えたのになんでいるの?

皆で席につきポルナレフが紅茶を注文しようとしたがジョースターさんが用心のためコーラにしようとその提案を退ける。それを聞いて店員はこ、コーラですか?と明らかに動揺していた。どうみてもあの店員はオインゴさんですねなんてこった。わざわざ隣の喫茶店原作と違う店入ったというのになんでこいつがいるんだよ。まさか私の考えまでトト神の能力に織り込まれていたのですか?トト神の能力が思ったよりも高性能でびびった。取り敢えず紅茶は絶対に飲まないでおこう。100%毒が入っていますので。

神経質すぎるぜ。まさかあの店員が俺たちを殺そうとしていると思うのか?と軽口を叩くポルナレフにまさにその通りですと心のなかで返す。あいつらバリバリDIOの刺客ですよ。ほら、よく見るとカウンターの後ろに小さな子どもがいるじゃない。あれきっとボインゴだよね?やっぱりこいつら原作通り私たちを殺しにきているわ。ここ超危険区域です。今すっごく逃げだしたくなってきたよ。

気にするジョースターさんにそこまでいうなら店を変えようと皆が立ち上がった瞬間向かいの店から火の手があがり全員無言で席に戻る。どうやら他の店にいくのはよくなさそうだといって紅茶を注文しなおした。なんか火の不始末でもあったのか不用心だなってポルナレフがつぶやいているけどお前が店決めるときにした行動を思い出せよと軽く問い詰めたい。君、確か火のついたタバコ投げて入るお店決めようとしませんでしたか?絶対あの火事の原因はポルナレフのせいだろ。まあお口はチャックしておくけれどね。ここで警察のお世話になるのは嫌だしわざわざジョースターさんの財布を軽くすることもないだろう。不幸なお店の主人に合掌。

そうこうしている間に私たちの前に紅茶とそしてケーキがひとつ運ばれてきた。あれ?ケーキなんて頼んでないぞ?なんでだろうと思って首を傾けたらポルナレフがこっちに向かってぐっと親指を立ててきた。どうやらわざわざ私のために注文してくれたらしい。さすが花の都からいらっしゃったダテ男、こういう女性に対する気遣いはお上手ですね。ありがとう、死ね。うわあああっ!なんて余計なことするんだよ!いや、普段なら嬉しいよ!?このケーキもスポンジ柔らかそうだし横に添えられたクリームとの相性もよさそうだしすっごく食べたいけれど今この店の店員はDIOの刺客で私たちを殺そうとしているのだ。そんなところで出された食べ物なんて米粒一つ食べたくないです。まあポルナレフに悪意はないのだから取り敢えず笑顔でお礼をいっておく。なんか承太郎がポルナレフを睨みつけているけどなんなの?お前もケーキ食べたかったの?全然あげるぞこのケーキ。まあ毒入りだろうけどね。

皆がティーカップを口に運ぶ。大丈夫だと思うけどこの瞬間は心臓に悪い。だって万が一にでも紅茶を飲んでしまったらみんな死んでしまうもの。ううっ、イギー早く来いと思ったところではたと気づく。確か原作ではイギーが他の客のケーキを食い荒らしたことで皆が驚き紅茶を吹きだすのだがここにイギーくるのか?だって原作と店違うんだぞ?あ、やばい。私ダメな方向に原作変えてしまったかもしれん。うばばばばっ!なんてことをしたんだ私!ここ原作と違う店ってことはイギーはこないかもしれない!ということはみんなが毒入り紅茶を飲むのを妨げてくれる人が誰もいないということではないか!ああああ、どうしよう!?

もうこうなっては仕方ない。イギーの代わりに私が叫んでみんなの注意をひいて毒入り紅茶を吹きださせることにしよう。なんて目立って恥ずかしい役回りが回ってきてしまったのだろう。下手に原作変えるのはまずいということか。DIOの館につくまではなるべく原作通りに行動したほうがいいのかもしれん。

そうして私が大声出そうと息を吸い込んだ瞬間目の前を黒い影が横ぎった。え?



「ぎゃああああっ!?って、イギー!??」


「ブッ、・・てめえ、イギー!」



黒い影はイギーだった。イギーは机の上に飛び乗ると私のケーキを咥えてぴょんと飛び降りとっとこ逃げていく。びっくりして叫んでしまったのだがそれに驚いた皆は飲みかけの紅茶をすべて吐き出してしまったようだ。ああ、うん、まあ結果オーライかな。皆無事毒入り紅茶呑まずに済んだし若干原作と展開が違うけど最終的に同じようなものになったしいいっか。

あの犬仕方ねえな。ナマエケーキ喰われたのは残念だったな。まあまた買ってやるから気にすんなといわれポルナレフに肩を叩かれるがまったくもって気にしてないので大丈夫です。むしろ毒入り疑惑のあったケーキ持って行ってくれて皆が毒入り紅茶を飲むのを阻止してくれたイギーには感謝だ。ありがとうございます。

さて、ひと段落したところでこれからどうするかという話になり取り敢えずアヴドゥルさんのところにいこうという話になった。そしてここからなら歩いた方が近いという承太郎に車を取りにいかんとならんというジョースターさん。ということでここで二手に分かれることとなったのだが勿論私は承太郎の方についていくよ。だってジョースターさんの方には敵が来るんだぞ?そんなところに行きたくはありません。

承太郎と典明と共にアヴドゥルさんのいる病院に向かう。道中は敵が襲ってくることもなく平穏無事に病院につくことができました。暫くするとジョースターさんたちもやって来て重症患者を乗せた救急車もやってきたのでクヌム神トト神戦は終わったもよう。今回の戦いで実感したのは中々原作というものは変わらないと言うことですね。でも絶対に典明の死亡フラグだけはなんとかするからな!そこだけは阻止するからな!がんばれ私!旅はまだまだ続くのだった。


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