少女A(JOJO3)

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やったー!エジプトに着いたよ!ここにDIOがいるんだね!今私たちは奴と同じ大地を踏みしめているんだね!全力でUターンしたくなった。時を止めれる近距離パワー型スタンドを持つ吸血鬼に勝てるわけがない。もう本当に全力でおうちに帰りたいのだがそうすると花京院の死亡フラグが成立してしまう。仕方ない、もうちょっとだけ頑張ろう。きっとDIOは承太郎さんが倒してくれるようん。

そんなわけで装備を整え砂漠をジョースターさんの資金で購入した車で横断する。このエジプトへの旅っていくらくらいかかっているんだろう。総額を知るのが怖い。

砂漠を進んである程度のところでジョースターさんがSPW財団から応援を呼んだと車を止めた。このタイミングでくるというのならあいつがいるのですね。私猫派なんだよな。そうでなくとも仲良くできる自信はありません。性格的にも能力的にも手強すぎます。

あのヘリコプターに乗っているのは白黒模様の全く可愛げのない犬のイギーだ。頭がよく人を小馬鹿にしており髪を毟ってそこ上屁をこくのが趣味というとんでもない性悪犬なのだがそのスタンドはチートクラスに強い。味方なら頼もしいのだけれどもそうとも言い切れないし取り敢えずあまり関わらないようにしよう。イギーは苦手だ。

しばらくすると遠くの空から白い機体がやってくるのが見えヘリコプター特有のプロペラ回転音を響かせながら着陸しようと上空をぐるぐる旋回する。それを見てポルナレフがヘリコプターだと驚きの声を上げたが、それに対して典明が見ればわかると淡々と返した。反応が冷たいです。年上は敬う日本の文化はどこへいったのだろう。いや、まあ別に私だってポルナレフに優しくするつもりはないんだけどね。だってなんと言おうがポルナレフなんだもん。

やがて着陸できる場所を見つけたのかヘリコプターはゆっくりと砂埃をあげながら降りてきた。今度はこのヘリコプターに乗るのかという承太郎にジョースターさんはいや、助っ人を連れてきたのだと答える。いやだな承太郎。君のしゃべっている相手が誰だか思い出してみなよ。どう考えても空路で行くなんてありえないだろ?宝くじに当たるよりも難しい確率のはずの飛行機墜落事故に3度も巻き込まれているジョースターさんがいるヘリコプターに乗るくらいなら私は一人で空を飛んでいきます。

助っ人という言葉に驚く承太郎にジョースターさんは頷きながら当然助っ人はスタンド使いで愚者(ザ・フール)の暗示を持つスタンド使いだという。スタンドの名前が愚か者ということにポルナレフが馬鹿にしたように鼻で笑うがアヴドゥルさんが敵でなくてよかったな、お前では勝てんと答える。まったくもってその通りだ。ポルナレフはそろそろアヴドゥルさんの忠告に耳を傾けることを覚えた方がいいよ。そのせいでハングドマン戦でアヴドゥルさんが死にかけたというのに本当に学習しない奴だなこいつ。3歩歩いたら忘れてしまう鶏並じゃないか。

ザ・フールのスタンドは砂のスタンドであり物理攻撃が効かなく、また砂のため変幻自在でハングライダーを創りだし空を飛んだり砂で自分自身の体を作り身代わりにしたりすることができる。砂の能力強すぎるだろ。このイギーに限らず某ワニの社長や愛を額に刻んだ風影様と言い砂の能力は優遇されすぎていると思います。私も砂の能力にしたかったな。あ、でもワニ社長にしろ風影様にしろ主人公には負けていたぞ?所詮どんな能力も主人公補正には勝てないということですか。

なんの警戒もなしにスタンド使いがいるといわれた後部座席にポルナレフが近づき手をついた瞬間丸められた布の中から涎を垂らしながらイギーが飛び出した。そしてイギーはポルナレフの頭に飛びかかり散々髪の毛をむしると屁をこいた。それに対して怒ったポルナレフがチャリオッツを出しザ・フールを切りつけたがザ・フールは砂のスタンドだ、当然剣でどうこうできるはずもなくあっさりとやられたポルナレフは再び髪の毛を毟られ屁を顔面に吹きかけられることになった。

ポルナレフが助けてーと叫ぶが典明が僕は髪の毛をむしられるのはごめんですと前髪をいじりながら答える。当然私も嫌です。日本人はただでさえ毛根が弱いんだからここで貴重な髪の毛を失って将来禿げたくありません。ポルナレフは5部でもしっかり髪が生き残ってたし大丈夫でしょう。諦めてイギーのお相手をしておいてください。

そんなポルナレフをみてやれやれとアヴドゥルさんがイギーの大好物であるコーヒー味のチューインガムを取り出し注意をひく。犬にコーヒーなんて食べさせても良いだのだろうか。まあわからないけどイギーは知能が高そうだしダメなら自制するだろうから大丈夫だろう。イギーはアヴドゥルさんから箱ごと奪うとくちゃくちゃとガムを噛み始めた。取り敢えず害はないならそれでいいのでイギーのことは放置する。ポルナレフがぼさぼさの髪を整えながらイギーに文句をいうが私はやはり少し直したくらいで元通りになるポルナレフの髪の方が気になる。だからなんでちょっと触っただけで重力に逆らったような髪型になるのですか?あいつの髪の材質は鋼かなにかのだろうか。

イギー以外にもスピードワゴン財団から物資が届いた。その中にはジョースターさんの念写用のカメラもあり、おお、そうじゃといってジョースターさんがみんなで写真を撮ることを提案する。あ、いいですね。記念に一枚くらい写真があったってよいだろう。

背が低い私は前列にいるのが相応しいだろうと思いいそいそとみんなの前に移動する。(けして私がチビだとかそういうわけではない。身長195cmのガチムチどもがこのメンバーの平均身長を上げているせいでチビに見えるが日本では平均的な高さはあったんです。お前ら背が高すぎだろ。そんなに高くても仕方ないだろ?ちょっと縮め)

そしてジョースターさんの隣に並ぼうとした瞬間むんずりとだき抱えられて足が宙に浮く。え、何事と思って顔をあげると承太郎と目が合った。



「お前はこっちだ」


「え、あ、」



そして反論する前に承太郎の隣、典明との間に押し込められた。はい、何ごとですか?なんで私今誘拐されたんですか?私のいた位置が気にくわなかったってこと?前いって目立つなってこと?私の身長だと後ろに行くとまったくもってカメラに写れなくなるのだけれどなにこれ新手のいじめですかひどい。じとーとした視線を承太郎に向けて不満を訴えてみるが奴はフイッと顔をそらし帽子を深くかぶった。どうやら悪いことしている自覚はあるらしい。ぐぬぬ。不満を言いたい気持ちはあるがハイプリエステス戦で助けられた恩もあることだしここは私が引いてやろう。大人な対応できる私ってえらい。

私が後ろに連れてこられたことからアヴドゥルさんが前に移動し大人組がなにやらニヤニヤしながらしゃがんだ。なんで笑っているんだろうこの人たち。なんか面白いことでもあったのか?

SPW財団の人にシャッターをきってもらい写真をとってもらう。ろくな目に遭わない全くもって危険な旅ではあるがこういう形に残るもので思い出があるのはなんか嬉しい。大切にしようと思いながらもらった写真を私は懐にしまった。

SPW財団のヘリが離陸したところで私たちも車に乗り砂漠を横断する。その時イギーが後部座席を占領したためポルナレフたちは荷台に座らされるはめになった。狭いし揺れるし居心地は最悪だとポルナレフがぐちぐち文句を言っているが仕方ないじゃん、世の中弱肉強食なのだよ。ハゲたくなければ大人しくしておきなさい。今噛んでいるコーヒー味のチューインガムの味がなくなれば新しいものを餌に荷台に誘い出すとアヴドゥルさんがいうのでそれまでの我慢だ。因みに私は助手席に座ってます。レディファーストなんだって。皆紳士だ。

そんな感じで砂漠を走っていたのだが急にジョースターさんがブレーキを踏んで車を止めた。結構スピードが出てたため急ブレーキに耐えられず車が飛び上がりマジ怖かった。思わず風化し衝撃を防いだがえ、何ごと?何が起こったの?ブレーキとアクセル踏み間違えたというならばおじいちゃんもう歳だろうし大人しくポルナレフと運転変わってください。あ、でもポルナレフの運転も終わってたわ。救いはないのですか?



「なんだよジョースターさん!いきなり停車してっ、」


「おおぅ、あれを見るんじゃ!!」



体勢を立て直しジョースターさんの示す方を見るとそこには先ほど物資等を届けてくれたSPW財団のヘリコプターが墜落していた。その惨状は凄まじいもので壊れた機体の窓からパイロットが上半身をさらけ出し爪が剥がれるほど機体を掻きむしった後がある。ふつうにR-18G物です。グロ耐性のない私は思わず今朝食べたアップルパイをリバースしそうになる。オロロ。忘れていたわけではなかったけどタイミングがわからなかった。どうやらしりとりする時に便利な名前のンドゥールさんがお越しくださったらしい。彼はエジプト九栄神の1人で水のスタンド使いだ。かなりの手練れでジョースター一向は苦戦を強いられる。

エジプト入って最初の刺客がどうやらやって来てしまったらしい。皆がんばれ。え、私?もちろん戦かわないぞ?だって相手水スタンドなんだぜ?能力者で水が弱点の私が勝てるわけないじゃないか。

まあ確かに水といってもスタンドだし海水でもないし大丈夫だとは思うが万が一攻撃が効いたら堪ったものじゃない。というわけで今回の戦いは私は不参加です。皆頑張ってください。

そんなわけで始まってしまったエジプト戦、まあ私がいなくたって皆ちゃんと敵を倒せるのだから他人任せでいきましょう。


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