少女A(OP)

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「やー!ナマエと冒険するの楽しいな!」


「これを冒険と呼ぶのか?ちょっとポジティブ過ぎませんかお兄様。取り敢えずもうシーザーがどこにいるかとか全然わからないけどいつもあいつがよくいるC棟に向かおう。今日何回シーザーの部屋行っているかわからないよ。なんでこんなにタイミング悪いんだろ。はぁー」



キャプテンの能力で研究所の中に入り作戦が開始される。ルフィの仲間がそろったりG5に敵意を向けられたりとハチャメチャだが一応全員の目的は生きてここから出ることだと合致した。それでキャプテンの指示通り私はルフィとともにシーザーを捜す。こいつトラブルメーカーだけどひとつだけいいとこがあった。それは敵をバッタバッタと倒してくれるところだ。いや〜、楽でいいね!戦闘をしないで済むのは嬉しいです。ほら、私非力だから。

そんな感じで研究所を走っていると隣をすーっとケムリンが飛んで追い抜いて行った。こちらにちらりと視線を向けたが特に何も言わず飛んでいく。キャプテンが協定を結んだからパンクハザードにいる間だけは味方でいるらしい。めっちゃ頼もしいです。中将になったケムリンが味方とか心強すぎて思わず頬が緩む。ワンピ界で比較的常識人なケムリンが一緒にいるならルフィも無茶はしないだろう。よしよし、安全にいきましょう。



「あー!ケムリンお前だけ飛ぶなんてずりい!俺は走ってるのに!」


「知るか。先行くぞ」


「むー!俺だって負けねえぞ!行くぞナマエ!」


「え、別にゆっくりいけばいいじゃんぎゃあああああっ!!」



ケムリンが一人空を飛んで最短距離を行くのにルフィが不満げな顔する。そんなのいいじゃん放っておけば。むしろケムリンが先につけばそれだけ敵倒してくれるんだから万々歳です。と思うのだが血の気の多い我が兄上様はそれがどうやら気に食わないらしいらしく私の手を掴むと一気に駆け出した。ちょ、速っ!え、ルフィが走ったところから火の気が上がってるんだけどどんな速度で走ればこんなことが起こるのですか?勘弁してください。熱い速い怖い。安全性のないジェットコースターってこんな感じなのだろうか?まったくもって乗りたくないので手を離してくださいお兄様。あとで追い付くから私を命がけの全力滑走に巻き込まないでくれ!

だがそんなこと言って聞くお兄様ではない。結局シーザーのいるだろう部屋までノーストップで連れてかれました。さすがのルフィも息が切れている。そんなになるまで走るなよ。



「ゼイ、ゼイ、」


「大丈夫ルフィ?」


「おう。だけどちょっと待ってくれ。さすがにきちぃ」


「開けるぞ麦わら」


「だからちょっと待てって!お前は飛んでたからいいかも知れねえけど俺は床焦げるくらい走ったんだぞ!俺がよしっていうまで開けるなよ!」



そういってルフィがケムリンに噛みつく。いやだから別に床焦げるほど走らなくてもいいって言ったじゃん。それなのに走ったのはお前だろ?ケムリンに八つ当たりするなよ。でもルフィが万全の体調じゃないと困るのは私なのでドア開けるのは待ってくれ。ルフィ役立たずだと死ぬのは私だ。

そしてルフィが呼吸を整え大きく息を吐き出した瞬間ケムリンがボタンを押した。それにルフィがあー!俺まだよしって言ってねえよ!とクレームをいれる。ケムリンお茶目です。



「うっせえ待てるか。それよりヴェルゴなら俺の獲物だ。手出すんじゃねえぞ」


「お前こそシーザーなら手出すなよな!」



そういって二人は互いを牽制し合う。中にいるのが誰かは知らんがヴェルゴさんだといいな。戦うのめんどくさい。

そうしてドアが開くと中にいたのは角が生えた科学者でした。あー



「よし!俺のだな!」


「ちっ。最短距離を来たはずだがヴェルゴの野郎何処だ」



そういうとケムリンは元きた道を戻っていった。え、行っちゃうの?一緒に戦ってくれないの?戦力は多い方が私的に嬉しいのだがと思いながらケムリンを見るがあっさり出ていった。お、おふ。じゃあルフィくん頑張ってください。



「シュロロロ。なんでお前らがここにいやがるんだ!」


「うるせえ。俺はお前を捕まえるんだ!」


「ふん。まだ懲りてねえようだな。もう一度痛い目見たいのか?」



こうしてシーザーとルフィの戦いが始まる。私はどうしようかと思ったがするとバサバサっと私の前に誰かが降り立った。緑色の翼にふふふという笑い声。も、モネさん。



「残念だわナマエちゃん。貴女とは仲良くできると思ったのに」


「いや、あの、なんというかモネさん。これには深いわけがありまして」


「残念だわ。ローにはもったいないと思ったから私たちのファミリーが引き抜こうと思ったのに」



そういってモネさんはにっこり笑う。私たちのファミリー?それってどこだ。シーザーの部下ってこと?あんな無能な上司はかなり嫌です。



「モネさんのことは好きだけどシーザーの部下になるのは凄く嫌です」


「あら。ローに聞いてないの?私はジョーカーの部下よ」



そういってモネさんはうふふと笑う。ジョーカー、ジョーカーか。それって確かドンキホーテ・ドフラミンゴの裏の名前だよね?あの七武海でもふもふのコート着ていて裏社会に通じてるというサングラスの人だよね。なるほど、モネさんはシーザーじゃなくてドフラミンゴの仲間なのか。それでその仲間にならないかって?うん。



「もちろんお断りします 」


「あら残念」



そういってモネさんはさして落胆せずにそういう。モネさんも私が本気で引き抜けるとは思ってなかったのだろう。うん、だってないわ。なんでキャプテンよりワンランク危険な海賊団に所属しないといけないんだよ。絶対に嫌だわ。キャプテンも人使い荒いし横暴だし口が裂けてもいい上司とは言えないけどドフラミンゴないわ。私は平穏に生きていきたいというのになんで遠ざかるような道筋を行かねばならないんだよ。ドンキホーテファミリーに所属することだけはあり得ません。それならキャプテンのところの方が遥かにマシである。

なんていいながらモネさんと対峙していたら凄く大きな爆発音が聞こえてきた。何事!?と思ったらルフィの周りが爆発した。幸いにしてルフィに怪我はないようだがその顔に余裕はない。もしかしてルフィ苦戦してるの?周りはいつの間にか火に覆われてるしどういう状況だよこれ。にしてもルフィ相手にここまで立ち回れるなんてシーザー結構すごくね?3億の賞金はダテじゃありません。



「ルフィ大丈夫?」


「おう。だけどあいつの能力厄介なんだよ。周りの空気を消しちまって息ができねえ。それで前もやられたんだよ」



そうルフィが悔しそうにいう。なるほど。ルフィはシーザーの悪魔の実の能力に苦戦してるのか。いくら主人公のルフィとはいえ呼吸ができないと死ぬもんな。どうやらシーザーとルフィはあんまり相性がよくないらしい。ここでルフィがやられるとどう考えても詰むんだけどどうしよう。客観的に見て私が参戦するしかないよね。ああ、やだな。でもルフィが苦戦している理由を取り除くのは私にとって難しいことではない。だって私は風人間だ。



「えっと、じゃあ空気はなんとかするからシーザーのことは頼んだわ」


「おお!本当かナマエ!あの空気消される奴なんとかできるんだな!じゃあ頼んだぞ!」



そういってルフィは再びシーザーに向かい飛び掛かった。懲りねえ奴だなと言ってシーザーがルフィの周りの空気を消したのでその瞬間部屋の中にあった空気を風で運んでルフィの周りに届ける。別に難しい作業でもなんでもない。



「よし!ちゃんと息できるぞナマエ!ありがとな!」



「な、なにぃー!?なんで呼吸ができるんだ麦わら!くそっ、ナマエのせいか。あのガキ、面倒なことしやがって!」


「空気があればお前なんか怖くねえ!くらえ!」



そういってルフィがシーザーに向けて必殺技を放つ。よっしゃー!パンクハザード編完!と思った瞬間シーザーとルフィとの間に巨大なかまくらができルートの攻撃を阻む。げ、あれはモネさんの能力だ。モネさんも参戦するの!??



「マスターお逃げを」


「おお、モネ!よくやった。後は頼んだ」


「あ、待て!!」



逃げるシーザーを追おうとしてルフィがモネさんに阻まれる。モネさんはペロリと唇を舐めここは通さないわよ。シーザーに何かあったら私ジョーカーに殺されちゃうものという。それは大変だ。だからといってシーザーを逃がすと私たちが大変なことになるんだけど。

さてどうしようかと思案しているとルフィがナマエ追え!と叫んだ。え、私が追うの?1人でですか?めっちゃ嫌だけどここに残ってモネさんと戦うのもしんどいのでシーザーを追う。

ロギアのシーザーをどうやって捕まえればいいんだろうと考えながら私は誰もいない廊下をシーザーを追うために駆けていった。




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