少女A(OP)

□6
1ページ/1ページ



キャプテンの心臓を取り返すためにシーザーを探し研究所の中をうろうろと歩き回る。シーザー、シーザー、シーザーサラダ。私は青じそ味の方が好みです。さて、あのマッドサイエンティストはどこにいるのだろうか?取り敢えずよくいるシーザーの部屋に行ってみます。



「たのもー。シーザーはいらっしゃいますかー?」


「あら?ナマエちゃんお帰りなさい。マスターならさっき出ていったわよ」


「マジか。タイミング悪いな」



シーザーの部屋に行くとモネさんが何やらメモを書きながら勉強していた。モネさん偉いな自分から進んで勉強するなんて。私にはできません。シーザーにはもったいなさすぎる秘書だと思うよ。なんでこんな美人があんなマッドサイエンティストの手伝いなんてするんだろう?世界は不条理だ。

ふと部屋を見渡すとそこにはモネさんだけでなくサングラスかけて口元にハンバーグをくっ付けた厳ついおっさんがいた。あれ?この人だれ?見たことないぞ?

誰だろうと思ってじっと見ていたらモネさんが手を止めくすりと笑い振り返ってきた。モネさんお邪魔してしまってすいません。で、この人どなた?




「ナマエはこの人のこと知らないわよね?」


「はい知らないです。どちら様ですか?」


「ヴェルゴよ。そうね、ローの元保護者かしら?」


「え、キャプテンのパパン?」



それを聞いてバッとヴェルゴさんとやらの方を首を回す。保護者?保護者ってことはパパンだよね?キャプテンのお父さん?全く似てないな。キャプテンはどちらかというとセクシー系なのにヴェルゴさんはダンディ系だ。キャプテンも歳をとるとこうなるのかな?それはそれでありだな。




「ふふふ、ヴェルゴがローのお父さんならそれはそれで面白そうね」


「あ、ちがうんですね」


「残念ながら違うわ。彼はローと血縁関係はないわ」



そういってモネさんはクスクス笑う。なんだ、キャプテンのパパンではないのか。まあ似てないもんね。そりゃ違うか残念。キャプテンのパパンならキャプテンの弱味なんかを知ってるかもしれないと思ったのに。いや、まて。それは保護者でも知ってるんじゃないか?希望が出た!

再びヴェルゴさんに向けて期待の眼差しを送る。どうでもいいけどなんでこの人口元にハンバーグをつけてるんだ?趣味?私の視線を受けてウェルゴさんも私に視線を合わせた。そしてゆっくり口を開く。




「ローの船員か」


「いや違いますけど?あんなアラサー間近の人の話を聞かない協調性のないおっさんとか知りません」


「あらあら、ローったら振られちゃったわね」



そういうモネさんはとても楽しそうだ。ルフィに関わらず早く島を出ようといっても聞いてくれないし危ない仕事を押し付けてくるキャプテンなんて私の船長なんかじゃないわ!船長は船員を労るものだろ?もっと私を大切にしてよ!私に構わず危ないことにどんどん首を突っ込んでいくキャプテンに私はそれなりに怒ってるのだ。でもこれローの保護者とか言う人の前で言うべきではなかったよね?やばい、ミスりました。

怒るかな?と思ってびくびくしたがヴェルゴさんはそうか、というだけで表情を変えない。怒ってるの?怒ってないの?表情変わらないからわからないよ。どっちだよ




「あの、すいません。怒りましたか?」


「大丈夫よナマエちゃん。この人が怒るときは全身に武装色の覇気を纏わせて黒くなるから」


「なにそれこわい」



どうやらヴェルゴさんは怒ってないらしい。怒るときは覇気を纏わせて黒くなるんだって。怒るときが全力すぎるだろ。武装色ってロギアでも触れれる覇気の攻撃形態だろ?それを全身に纏うとか強すぎる。取り敢えずヴェルゴさん怒らせてはいけないことがよく分かりました。




「そうね、昔ヴェルゴを怒らせてローがぼろぼろになっちゃったって聞くから本当に怒らせない方がいいわよ」


「え、キャプテンがボロボロになったんですか?それめっちゃみたい。あのキャプテンがボコボコにされたとかレアケースすぎる。写真とかないのですか?1枚ください」




全身黒く染め怒りモードになったのはキャプテンのせいらしい。それでキャプテンはヴェルゴさんにフルボッコにされたそうだ。それはすごい。あの高飛車のキャプテンが地面に這いつくばったことがあるなんて面白すぎる。これはキャプテンをからかうネタができたね!あとで笑ってやろう



「写真はないな」


「あちゃー、それは残念です」


「そういえばナマエ。貴女はシーザーを探しているのよね?シーザーなら恐らく外にいるわよ。あの人悪趣味だから間近で実験の成果をみたいのよ」


「それは本当に悪趣味だな。シーザーのせいで科学者が気持ち悪い生き物にしか感じられなくなったらどうしてくれよう。とりあえずじゃあ外に行きます。モネさんありがとう!」



そういってシーザーの部屋から飛び出す。シーザーは捕まえられなかったけどキャプテンの弱味を知れたのは良かったわ。しばらくコレをネタにキャプテンを揺すってやろう。



『ふふふ、逃がしちゃったけどよかったの?』


『…気が削がれた』




スキップしながら廊下を駆ける私には二人の声は届かなかった。


7

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ