少女A(OP)

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「ナマエ!会いたかったぞ!」


「ど、どうもお久しぶりですお兄様」



ワニから降りて私に向かって飛びかかってくるルフィを風になり避ける。ルフィは不満そうにこちらを見てきたが真に君が私のことを大切に思ってるなら近づかないでもらえますか?具体的には半径1km以内に入らないでください。もっと離れててもいいな。1kmだと被爆を逃れられるかわからん。



「なんだよ久しぶりに会えたのにつれないじゃんか」


「ああ、そうだね久しぶり。うん、ほらお互いに元気なのも確認できたし帰ってくれないか?おk、バイバイ!またね兄さん!」



そういってさっとキャプテンの後ろに隠れる。ここなら例えルフィが爆発したとしてもキャプテンがなんとかしてくれるだろう。うちのキャプテンやるときはやる男だからきっとどうにかできるよ。マジ本気で頼りにしてますキャプテン。



「あの子がルフィの妹さんね。確かナマエちゃんだったかしら」


「ルフィ、お前妹に避けられてないか?妹とうまくいってないのかよ」


「そんなことねえよ!ナマエは俺ともエースとも仲よかったぞ!」


「おい、ナマエ。お前麦わら屋のことどう思ってるんだ?お前の兄貴はああいってるぞ」


「いやまあ嫌いではないけど、ほら、兄貴はトラブルメーカーなので巻き込まれたりしたくないといいますか、近づいた瞬間事件が起こる気がしてならないんです」


「ルフィの妹だけあって兄貴のことわかってるな。すごい説得力だ」



そういって鼻が異様に長い男、おそらくウソップがうんうん頷く。どちらかというとルフィの横暴に振り回される苦労人のウソップは私の気持ちが理解できるらしい。そうそう、兄貴は歩くたびに事件をひっつけて帰ってくるからね。実地で体験してるお仲間様はご苦労様です。



「ナマエ!俺の船乗れよ!いっしょに冒険しようぜ!」


「断固拒否する!それだけは絶対に嫌だね!ルフィの船にもエースの船にも乗りません!」


「だそうだ麦わら屋。お前の妹は俺の船に乗っていたいんだとよ。諦めろ」



私たちの会話を聞いていたキャプテンがにやにやしながらそういった。いや別にキャプテンの船に乗っていたいともいってませんけど?まあそんなこと言ってルフィに再び奮闘されても困るから口を噤む。だけどキャプテンの船に乗りたいとはいってないからね!そこのところ心得ておくように!

ルフィが頬をふくらませていると何やらあたりが騒がしくなった。ふとみるとルームの外に出ていた海兵が戻ってきたらしい。げっ、もう戦闘は嫌です。

たしぎちゃんは倒れてるケムリンに駆け寄ると力の抜けたケムリンを抱きかかえた。ルフィも海軍に気が付いたらしい。たしぎちゃんとケムリンを見ると陽気な声を上げた。



「やっぱりケムリンたちじゃねえか!懐かしいなー!」



そういってルフィがたしぎちゃんたちに向けて手を振る。ああ、うん。ルフィはもう少し空気読めと言いたい。どうみても今はシリアスな展開じゃんか馬鹿。

倒れてるケムリンを見て泣きながらたしぎちゃんが向かってくる。それを見てキャプテンは再びルームを展開し“シャンブルズ”。と唱える。それによりたしぎちゃんが倒れた。うわ、ひでえ。



「キャプテンってよく外道とかゴミ屑とか人道を踏み外してるとか言われませんか?」


「ああ、言われなれてるな。だが別に殺しちゃいねえぞ。それより麦わら屋裏にまわれ。そこにお前の探し物がある」


「おおそうか。ありがとな!あとナマエ俺はまだお前を俺の船に乗せることあきらめてないぞ!」


「それはさっさとあきらめてくれよ」



そんな感じでキャプテンと私は建物の中へ、ルフィたちはワニに乗って去って行った。建物の中に入りコートについた雪を落とす。ううっ、寒かった。だけれどこれで取り敢えずルフィから逃げれてよかった!この後キャプテンはどうするつもりなのだろ?できれば島を出たいです。




「キャプテンこの後はどうするつもりですか?海軍も出てきたし兄貴という厄介者も現れたしここはサクッとキャプテンの心臓を取り返してみんなのところ戻りませんか?ベポに会いたいよー」


「麦わら屋に同盟を持ちかけて一気にシーザーを捕らえる。やはり問題はシーザーに俺の心臓を握られていることだな。なんとか取り返さねぇといけねえ」


「なんでそう斜め上をいく作戦を提示するんだよ。だから戦いたくないんだって。ルフィが出てきたってことはこれはとてつもない事件に発展する可能性が高いんだよ?いやだよそんなのに巻き込まれたくない」



船に帰りたいというさりげない提案は全無視されました。どうやらキャプテンは兄貴を巻き込んで作戦をする腹つもりらしい。なんてこった。よりによって兄貴と同盟を組むだと?絶対にやめた方がいい!奴は同盟の意味を知らないぞ?どうみてもこっちが振り回されて終わりだ。うわー、いやーだぁー!

だからといってキャプテンが大人しく言うことを聞いてくれるはずがない。しくしく。なんか1人で逃げたすのが正しそうな気がしたきた。もう飛んで逃げちゃおうかな。



「言っとくが逃げようとしてもすぐに“ROOM"で連れ戻すからな」


「バレてるし!なんでキャプテン私の考えてることがわかったの!?オペオペの実は遂に心の中まで手術できるようになったの!?なにそれこわい。ヤバいキャプテンに人格改造されちゃう。誰か助けてー!」


「できるわけないだろ。ただ単にお前の思考が読みやすいだけだ」



そういってキャプテンはハッと鼻で笑う。ムッカー!それは私が脳ミソ単細胞とでもいいたいのか?喧嘩売ってる?買っちゃうよ?買っちゃって3倍返しで熨斗つけて送りつけちゃうよ?キャプテンこそ人の神経逆撫でするのがうまいですね!めっちゃ腹たったわ!絶対こいつより先にキャプテンの心臓取り戻してオホホホ、心臓を返して欲しがったら跪いてもいいのよ?といいながら土下座させてやる!キャプテンの心臓取り返すのに俄然やる気がでてきたわ!ちくしょう!やってやる!



「フハハハ。キャプテンよ、このナマエちゃんを舐めてもらっては困りますよ。覚悟しろよキャプテン!貴様の心臓を手にいれて地面に這いつくばらせてヒイヒイ泣かせてやるわ!」


「おうおう、そりゃ楽しみだ。じゃあ俺の心臓はお前に任せたから頑張れよ」




そういうとキャプテンはサクサクと歩いていき通路の向こうに消えていった。いなくなった。見えなくなった。

…あれ?これ結局キャプテンの都合のいいように動いてないか?心臓取り返して欲しいのはキャプテンだもんね。なんかうまく誘導されてしまった感が半端ないです。

もやもやと鬱蒼な気分になりながら取り敢えずシーザーを探しにいく。逃げるにしろ流されるにしろキャプテンを見捨てることなんてできないのだからキャプテンの心臓は必要だ。ああ、どうやらこの2年間でそれなりに私はトラファルガー・ローにほだされてしまったらしい。


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