少女A(OP)

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「おいナマエ。ここにやってきた海軍を追い払うことになった。ついてこい」


「え、いやだけど?」



モネさんとのんびりお茶してたらいきなりキャプテンにそういわれた。なんでいきなり海軍を追い払わないといけないんだ?私はここでモネさんと女子会してるからキャプテン一人で行ってこいよ。

パンクハザードにキャプテンとともにシーザーを誘拐するためにきたわけだが逆にキャプテンの心臓を渡すはめになってしまい計画は中断している。

キャプテンは私に心臓を取り返してこいと命令したがそんな無茶な命令を聞けるわけがない。無理なものは無理なのである。だいたい私あのマッドサイエンティスト嫌いなんだよ。怖いし変だしおかまっぽいしいろいろ無理。それでさらに3億の賞金首だったりするんだろ?そんなもん私が勝てるわけないだろ。というわけでキャプテンの命令は全然実行できてない。その代わりモネさんと仲良くなった。

モネさんはいい人だ。腕が鳥の羽だけど優しくて賢くておかしくれてかわいがってくれて一緒に遊んでくれるのだ。どっかのキャプテンみたいに横暴なこといわないし一緒にお茶を飲みながら面白い話をしてくれる。私モネさんみたいなお姉ちゃんが欲しかったんだよ。新世界で暴れまくる兄貴らみたいなのじゃなくて。

というわけで私は大層モネさんになついている。最近ではモネさんの『ねぇ、ナマエちゃん。ローのところじゃなくてずっとここにいない?ナマエちゃんみたいな子が一緒にいてくれたら私うれしいな』という言葉に即座にYESと返してしまいそうなくらいモネさんのことが好きだ。ちなみにこの勧誘にはYESと返せてない。今勤めているブラック企業の上司が目を光らせていてやめさせてくれないのだ。『馬鹿なことをいうな。こいつはうちのクルーだ。勝手に勧誘するんじゃねえ』といわれ連れ浚われるのが現状だ。いや、私としてはモネさんと一緒にいれるほうが危険も少ないし横暴な上司もいないんだしいいんだけど?というのだけれどもキャプテンの凶悪な一言によりいつも黙らされる。いわく、『もうべポに会えないぞ』だ。それは困る。

というわけで私はモネさんが大好きなのだ。ただでさえキャプテンに逢瀬を邪魔されて会う時間が減っているというのに海軍を追い払うのにまで駆り出されるなんてたまらん。キャプテン一人で行けよ。べつに一人でもなんとかなるだろ?



「私はモネさんとお菓子食べてたいから行きません。キャプテンだけで大丈夫でしょ?私行く意味ないじゃん」


「菓子ばっかりくってると太るぞ。確かに俺一人でも海軍の撃退くらいできるがお前をここに残しとく事ができねえんだよ。モネなんかに懐柔されやがって。おら、こい」


「今キャプテンは全世界の女子を敵に回したね!太らないもん!デブじゃないもん!いやぁー!この人さらい!海軍なんてあいたくないよー!中でぬっくぬっくしていたーい!キャプテンのバカ!アホ!ヒトデナシ!モネさん助けてー!」


「ごめんなさい。私彼に心臓握られていて逆らえないの。頑張ってねナマエ」



そういってモネさんは大きな翼を広げ私に手を振った。そうか、そういえばモネさんはキャプテンの心臓と交換に自分の心臓を差し出されてたんだっけ?こんな凶悪な男に心臓握られてるなんてかわいそうなモネさん。あれ?私の心臓取り返す相手こっちじゃね?シーザーじゃなくてキャプテンだろ。キャプテンちょっと懐にある心臓いただけませんか?

モネさんの心臓のことも大切だが私にはもっと直視しないといけない問題が目の前に転がっているので取り敢えず今はおいておく。はー、今からよりによって海軍の相手しないといけないのよ。将校クラスいませんようにー。いないわけないけど。

扉までたどり着きキャプテンがドアを開ける。そこには軍艦が止まっていてタバコをふかす見知った人がいた。オワタ



「よう、俺の別荘になんのようだ白猟屋」


「てめえはトラファルガー・ロー!」



キャプテンは海軍を前にしてふてぶてしくそういった。いつからここがキャプテンの別荘になったんだよ。こんな暑くて寒い土地が別荘とかいやです。どうせ別荘買うならどっかの夏島にプライベートビーチのあるちょっとこじゃれた木造建築の家でも買えよ。稼ぎはあるんだろ?

海軍は私らがここにいることに関してなにやら言ってくるが私はキャプテンの後ろに隠れ身を縮こます。だってこいつアイツじゃん。新世界まで出番があるのかよ。くそっ、ストーカーの称号は伊達じゃないな。

私らの目の前に立ちはだかるのはあのスモーカーことケムリンだ。頂上戦争以来ですね、どうもおひさしぶりです。うれしすぎて涙がちょちょぎれそうだわ。

ケムリンに初めて出会ったときはまっさらさらの清い体だったというのに今はなんでこんなことになっているのだろう。ケムリンに出くわしてもなんの後ろめたさも感じなかったあのころに戻りたいです。…いや、そんな時期はなかったわ。海賊にならなくても私はルフィとエースの妹だし罪悪感はいっぱいです。ここは一生会わない方向でお願いします。



「帰ろうぜスモーカーさん!こいつは七武海になるために100個の心臓を海軍本部に届けた狂気の男だ!かかわりたくねぇ!」



名もない一般海兵の言葉がぐさりと突き刺さる。それ主に執り行ったの私じゃねえか。え、これって海兵にすらおびえられちゃう事柄の事案なの?なんかどんどん自分が人間離れしてるみたいですごく嫌です。取り敢えず私がやったことは口外しないでおこう。全部キャプテンが一人でやりました!



「なんでここにいるんだ。ここは誰であろうと立ち入り禁止の島だ」


「それならてめぇらだって立ち入り禁止だろうが。なんでいやがるんだ?」


「麦わらのルフィがここにいるという通信をキャッチした。なあ、ナマエ。麦わらはてめぇの兄なんだろが」



私の名前が呼ばれぎくりと体を反応させる。え、ケムリンに私もここにいるってばれてるの?な、なんだと!馬鹿な!!私はしっかりキャプテンの後ろに隠れていたはずだぞ!貴様透視能力でも使えるのか!!ハッ!まさかキャプテンの腰は細いからその間から私の姿が丸見えだったのか!??この野郎キャプテン!キャプテンがセクシー路線で攻めようが私には関係ないが私を守る体積くらいは肉をつけといてくれよ!くっ。バレてしまったものは仕方ない。ここはできるかぎり穏便にやり過ごそう!



「おおおおお、お久しぶりですスモーカー准将!お元気ですか!?」


「今は准将じゃねえよ。中将だ。それにしてもナマエ、お前にはだまされたぜ。初めてアラバスタでお前に会ったときまさかあの麦わらの妹だとは思わなかった」


「げっ、中将って大将の次の地位じゃん。ケムリンめっちゃ出世してるよ!えーと、でもあの時はまだ本当に純粋無垢の時代で悪いことしてなかったですよ!」


「だが頂上戦争で火拳と麦わらの手助けをしたんだから罪状としては十分だ。てめぇはその首に1億の価値のある海賊だ」



そういうとふーとケムリンはタバコの煙を吐き出した。どうやら取り付く島もありません。私は海賊、向こうは海軍、仲良くなんてできません。うん、おっけー。うえええええっ!え、だからってケムリンと戦闘になったりしないよね?だってキャプテン七武海だもん!海軍に追われない生活のために私は頑張ったんだぞ?だ、大丈夫。ケムリンといえど手は出せないはず、



「空風のナマエは麦わらの妹だ。お前たちが手を組んでよからぬことを考えてるんじゃねえだろな?」


「俺は麦わらからこいつをかっさらったんだぜ?今更仲良くできると思うか?」



威圧感たっぷりの声で尋問してくるケムリンにキャプテンは淡々とそう返す。さすがキャプテン、肝が据わってます。このふてぶてしく図々しいところが普段はイラつくのだが今はケムリンにたいして行われてるから頼もしい。キャプテンすてきぃー!がんばってケムリン追い払って!

てか今更ながらに気が付いたけど兄貴がここにいるの?ルフィがこの島にいるの?事件の匂いですぜウサミちゃん!どうしよう、まったくもってろくな未来が想像できないんだけどどうしたらいい?

兄貴がいるってことは今からこの島でとんでもない事件が起こるということだ。七武海倒したり空飛んだり世界貴族に喧嘩うったりそういうことが起こるのだ。うん、逃げようキャプテン。今ここは世界で一番危険な場所です。

キャプテンはケムリン相手に一歩も引かず帰れと宣言する。

おお、このまま押し切れるかな?と思ったら扉の奥が騒がしくなった。私たちがでてきた方向だ。え、なに?誰が来るの?こんなきゃぴきゃぴした声の持ち主この島だとシーザーしか知らんぞ?

しばらくするとカンフーたぬきがドアをけり破ってきた。だれだこいつと思ったら見たことあるオレンジ色の女性とメカニックな変態と金色の髪のぐる眉があとに続いてやってきた。

どうやらもう騒ぎは始まってしまったらしい。私はひきつった笑みを浮かべ兄の仲間たちを見上げたのだった。


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