少女A(OP)

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「七武海になるためにこれから海賊の心臓を100個集める。わかったな」



はい?プリーズリピート!


どうも、薄幸の美少女ナマエちゃんでーす。嘘です。嘘つきました。美少女は嘘です。でも薄幸は本当です。マジ幸薄い

バカ兄貴助けてそのせいで賞金首になっちゃって俺の船に乗らないと海軍に追われて捕まるぜ?とか卑怯な脅しをキャプテンから受けたため渋々ハート海賊団に入団することになりました。

あー、清く正しく生きてたのに何処で道を間違えたんだろ。間違いなく兄貴助けてからだ。自力で助かれよくそ兄貴。本当に後悔してます

まあそれは置いといて

私がハート海賊団に入って一週間が経過した。するとキャプテンが上記のことをいい始めた。

七武海になりたいとかなにいってるんだこいつ?

七武海って確か政府公認の海賊のことだよね?そんなに地位と名誉が欲しいのかこの外道。七武海って海軍に従わないといけないんだよね?じいちゃんに会いたくないので却下します。



「異議あり!なんで七武海とやらにならないといけないの?めんどいしダルいので嫌です」


「俺の目的を成就するためにはある程度の地位があった方がスムーズにいくんだよ。それに七武海になったらもう海軍に追われないぞ?」


「イエース!地位と権力って大事だよね!七武海目指すの大賛成です!!」



そういってキャプテンの言葉に全面同意する。手のひら返すのが早いって?当然でしょ!海軍に追われない生活とか素敵過ぎる。

私がハート海賊団になってまだ1週間なのだがこの1週間に実は2度も海軍と遭遇してるのだ。

私が乗ってるからかそれとも元々の海軍の性分なのか奴等はめちゃくちゃしつこい。

いくら逃げても執拗に追ってくるし大砲だってめちゃめちゃ撃ってくる。

結局その時は私が風を起こして軍艦の方向を無理矢理変えて事なきを得たのだがあんな体験はそうそうしたくない。しつこいストーカーに遭うってあんな感じなんだろうな。海軍はみんな粘着野郎です

余談だがこの働きはキャプテンに評価された。

お前のこと拾っておいてよかったと嬉しそうに言われた。私は犬かよ。まあいいや

というわけで海軍に追われないというのは素晴らしいことだ。是非ともキャプテンには七武海になっていただきたい。



「キャー!キャプテン頑張ってー!」


「ああ。そこで作戦について説明する」



ローキャプテンが船員を集めて説明を始める。

おー、見た目は理知的なキャプテンの戦略はどんなのだ?



「まず敵船を見つけたら静かに接近する」



クルーに混じってふむふむ、と作戦を聞き相づちを打つ。どうやら奇襲をかけるらしい。奇襲いいですね!敵の不意を突いて攻撃を仕掛けることでこちらの被害が受けにくくなります。素晴らしい。え?卑怯じゃないかって?生死をかけた戦いにそんなもの関係ありません!



「次にナマエ、お前の出番だ」


「ほへっ!?あたし!?」



いきなり指名されて驚く。え?もう出番なんですか?早くない?

いや、下手に戦闘させられるよりはいいか。


「ああ、お前にしかやれない任務だ。頼んだぞ」


「‥そこまで頼りにされちゃ仕方ありませんねぇ。あたしにどんなご用でしょうか?」



お前にしかやれないと言われて調子乗ってみる。

そうかそうか、キャプテンもついにあたしの価値がわかったのか。ふふ、そこまで頼られたら仕方ない。応えてやろう!

それで何すればいいんだろ?風を吹かせて女の子のスカートでもめくればいいの?でも野郎のおパンツなんて見たくありませんよ?

そうしてキャプテンのお言葉を待ってるとキャプテンは私の方を見ながら頷いた。



「相手の船に乗り込んで船長連れてこい。その連れてきた船長から俺が心臓を抜き取る。作戦は以上だ」


「異議あり!異議しかねえ!明らかに私の負担部分が大きいだろ!!」



ちょっと気を大きくしてキャプテンの言葉に耳を傾けてるととんでもなん言葉が出てきたので全力でブーイングする。

弱い女の子1人を海賊船に放り込んで丸投げってどういうことだ!何がナマエしかできないだよ!適当におだててめんどくさい部分全部丸投げするつもりだな!そんなの許さん!



「1人で敵船乗り込んで船長仕留めてこいとかどんだけ無茶な要求するんだ!か弱い乙女になんて酷い!」


「でも賞金額でいうとナマエこの船で2番目に高いよ?」


「え、そうなの?」


「うん。億越えてるのキャプテンとナマエだけだもん。だから金額だけでいうとこの船のNo.2はナマエだよ?」



べボがかわいい顔でそういってくる。おっと、ここで衝撃の事実が出てきましたー!私ってそんなに凄かったのか?

まあそりゃ賞金額が億越えるなんてそうそうないよね?私ってもしかして凄いの?ならもうこの船の重役ですな!敬えー!



「オホホホ、私のこと敬ってもいいのですよ?」


「おー、すげえすげえ。凄いから敵船行って敵の頭捕まえてこい」


「すいませんごめんなさい調子乗りました勘弁してください」



キャプテンの言葉に高速土下座をかます。本当に調子乗ってすいませんでした!

いや、確かに賞金額は凄いけど実力はぺーぺーです。私の場合外的要因のせいで賞金あがっちゃったんだよ。エースやルフィの妹だからだとかロギア系の悪魔の実の能力者だからだとか。私自身は実力だけでいうと雑魚です。



「本当に無理だと思う。私弱いよ?すっごく弱いよ?海賊とか1人で倒せません」


「倒せとは言ってない。捕まえてこいって言ってるんだ」


「えー、でも見つかったらどうするんだよ」


「その場合は逃げてこい。船員で戦闘を仕掛ける。まあ大丈夫だろ。お前ユースタス屋の船乗ってたんだろ?」


「あのときは顔が有名じゃなかったから見つかってもなんとか幽霊として誤魔化せたんだよ。今じゃ有名人じゃん私。全然大丈夫じゃない」


「そんな平凡顔誰もわかりゃしねえよ。いいから行け。出来なかったらその時考える」



精一杯嫌だと抵抗するがキャプテンはどうあっても私に働かせる気でいるらしい。働きたくない。働いたら負けなんだ。これは本当に負けだと思う

にしても誰が平凡顔だとこのやろう!自分でも特徴のある顔だとは思ってないけど他人に言われると腹立つ!

自分が高身長医者でイケメンだからって調子のんなよ!なんでこんなイケメンが世に存在してるんだろ?滅べよバルス!

滅びの呪文を唱えてもキャプテンは消えてくれないので渋々敵船乗り込んで船長かっさらったら思いのほか成功してしまった。解せぬ

どうやら私はハート海賊団で着実に地位を形成してしまってるようだ



〜ハート海賊団と自分の居場所〜


(よしっ、よくやったナマエ。あと心臓は残り99個だ)


(出来るか!)



〜end〜

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