少女A(OP)

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閣下と医者との遭遇から1週間たった。本日はエースの処刑日である。

…やべえよ。これエースどうなるの?海軍本部まで連行されちゃってるけど本当に処刑されちゃうの?白ひげ海賊団どうした。あと麦わら被った方の兄貴はどうした。兄のピンチだぞ?助けにこいや!私は行きたくないぞ!

そんな薄情な私は現在私は海軍本部の真上にいたりする。助けに行きたくはないが成り行きは見ていたい。

遥か上空から処刑場を見ていると処刑台に縛られたエースがいてその隣にじっちゃんとカモメのおっさんが立っていた。

カモメのおっちゃん、胸にめちゃめちゃ勲章ついてるよ。そんなカモメとじっちゃんがエースを守ってるとか勝てる気がしない。鉄壁の陣営です。やっぱり人任せでいこう。早くこいルフィー!

にしても凄い数の海兵だな。フハハ!人がゴミのようだ!気分はムスカです。すいません、ただの現実逃避でした


暫くすると海上にびっしりと船が現れた。帆に三日月型の髭のはえたドクロが書かれて先頭を走る船はクジラのような形だった。

あれ、ひょっとして白ひげ海賊団?凄い数だな。流石四皇とやらの一角。

にしてもたかが海賊の1つが海軍本部とやりあうとか凄くね?どんだけ海賊強いんだろ。嫌な時代だ。

海からクジラの船が現れに乗っている大男が立ち上がり何やら空気が揺れた。

大男の髭、あの髭帆に書いてあるのと同じだな。ひょっとしてあれが船長ですか?でけえ

と思った瞬間ザバァー!と海が割れて割れて巨大な津波が海軍本部を襲った。

うえええー!?と思ってると何やら青いスーツ着ているおっちゃんが飛び出し迫ってきた津波を凍らせた。

もはや人間業ではない。人智を越えてます。もうやだこの戦い

その後はなんかピカッと光るおっさんが青い鳥と戦ったり確か世界一の剣豪な鷹の目の剣圧を全身ダイヤモンドみたいなおっさんがとめたり珍獣大百科かここは。人間が見当たらん

地上ではあちこちで白兵戦が始まり乱戦となっている。

だけれどもやはり全体として白ひげ側が不利のように感じる。

まあ向こうは本拠地でやってるからね。でもこのままだとヤバそう。

と思ってたら空から船が降ってきた。

何事!?と思ってたらルフィでした。ルフィィィィー!君を待っていたんだよ!でも何で登場がそんなに派手なんだよ!!普通にこいやー!

そして船をよく見るとなんか見たことある顔もちらほらある。赤鼻の男にファー付きの黒いコートを着た顔に傷がある男、おいおい、バギーにクロコダイルじゃねえか。君のかつての敵だろ?何で一緒にいるの?

ひょっとして仲間になったのですか?過去の敵が仲間になるとかジャンプの王道ですね。何?お前と一緒にいた数ヶ月、悪くなかったぜとか言われちゃったの?そんな王道を素でいく兄が怖い。君ってホントに主人公だな。

ルフィは自分の思うままに戦場を駆けていった。途中から何故か白ひげ海賊団もルフィを助けていった。

じいちゃんをぶっ飛ばし遂にルフィがエースの元にたどり着く。

カモメのおっさんがなんか大仏になって襲い掛かってきたがなんとかそれを防ぎそして遂にエース救出に成功した。

炎のアーチが出来てその中からエースとルフィが出てくる(あと、オマケで頭に3と乗ったおっさんもいた。こいつ誰だっけ?)

私は正直油断していた。

定番通りルフィがエースを助けて二人か手を取り合って逃げていく。

もう大丈夫だと本気で思った。

なのに、



「生きてるだけで罪じゃ。貴様も貴様の弟も」



赤い服を着たおっさんがエースを挑発する。エースは足を止め殴りかかったが軽くいなされる。

よくわからんが恐らく能力的に相性があまり良くないのだろう。

エースが這いつくばる。その時何やらルフィの手から白い紙が離れていった。

無防備にそれを拾おうとするルフィ。それにつけ込み拳を振り上げる赤い人。そしてルフィを庇ってエースがその前に立ちふさがった。

あの拳がエースを貫くことがわかった。じとりと嫌な汗が伝う。

エースはここで死ぬのだ。それが直感的に理解できてしまった。

その瞬間身体が勝手に動いた。

助けるつもりなどなかった。自分の命が一番大切だった。

ここで姿を晒したら例え生き残れたとしても世界中に犯罪者として手配されることは目に見えている。

平穏な日々は二度と戻ってこない。

だから手を出すつもりなんかなかった。

でも気付いたら戦場に立っていた。

能力を使ってエースとルフィを風で浚う。

赤い人の拳は宙を切った。

私は腕に抱えていた二人を地面におろした。

私の足もちゃんと地についているというのにガクガク足が震えうまく立てなかった。


ああ、やっちまった!



「エース、ルフィ」


「え、ナマエ!?」


「ナマエ、何でここに!?」



驚く兄貴達に拳を固め殴りかかった。ちくしょぅぅぅー!!



「この馬鹿兄貴どもがぁ!何死にそうになってるんだよタコ!こっちは全然助けたくなんかなかったのに何助けさせてるんだ!!アホ!バカ!もういっぺん死にやがれ!!」


「ちょ、ナマエたんま!!」


「い"っ、ナマエ痛いって!」



取り敢えず人騒がせな兄貴どもをタコ殴りにする。ゴムと炎を殴れるのかって?愛ある拳は通るのです。



「バカ!本当に馬鹿野郎!!」


「おいっ、ナマエ、って」


「何勝手に死にそうになってるんだよ。死ぬなよバカ!!」



自然と涙が零れた。ボロボロと溢れだし子供のように私は泣き声を上げた。だって死んでほしくなかったんだ!

突然泣き始めた私を見てエースとルフィは目を丸くした。

そして顔を見合わせるとニヤリと笑った。



「そうかそうか、そんなに俺に死んでほしくなかったのか」


「はぁ?そんなわけないじゃん!別にエースが助かったって嬉しくなんかないんだからね!」


「にしし、ナマエは昔から素直じゃねえもんな」



ぽんぽんと頭撫でられて思わずムッとしてその手を振り払う。子供扱いするんじゃない!

だがなんと言おうとも兄二人はニヤついた笑みを消そうとしない。むかつく。実に腹立たしい。助けるんじゃなかったと心の底から公開してます。お前らいっぺん死んで来い



「おい、何笑ってんだこのやろう!状況わかってんのか?お前らのせいで私の平穏かつ安穏な人生が終了したんだぞ?どうしてくれるんだ!」


「ああ、そうか。ナマエこれからは海賊扱いになるのか。じゃあ俺の船乗れよ。皆歓迎するぜ」


「あー!ずりぃぞエース!ナマエは俺の船に乗るんだ!」



責任とれよ!と叫ぶと私がどっちの船に乗るかでバカ兄貴どもが喧嘩を始める。いやいや、そんな責任の取り方はいりません。どちらの船も乗りませんから。断固拒否します。これ以上トラブルは御免である。

ガヤガヤ言い争っているが今は戦場のど真ん中である。取り敢えずこいつら連れて戦線離脱しないとと思っていると聞き知った声が聞こえてきた。



「おい、ナマエ。これはどういうことだ」



その声に思わずギクリと身体を強張らせる。ギギキと機械音がしそうな動作で振り替えるとそこにはケムリンが立っていた。やべえ



「ナマエ、てめぇは海賊だったのか」


「いや滅相もない!海賊じゃないですよ?ただの一般市民です!」


「ただの一般市民はこんな戦争に来やしねえよ。火拳と麦わらとどういう関係だ?」


「えっと、ただの他「てめえ白猟屋。俺達の妹に何の用だ!」


「あー!ケムリン!ナマエに手を出したらぶっとばすぞ! 」


「妹だと?」



おい、ゴラァァァー!!あっさりバラすんじゃねえ!

そりゃ私も兄貴呼びしてたしじいちゃんいるからバレるのは時間の問題だったけどそれでも死刑宣告は遅い方がいいんだよちくしょう!

ケムリンの視線が怖いです。ヤバいもうあれは893さんの眼光だわ。



「成る程。一杯食わされたな」


「確かに妹だけど私は一般ピーポーだよ!?なんの罪もないよ!?清く正しく生きてました!」


「仮に過去何もしてなくとも今てめえが犯した罪は重い。どう言い繕うが無駄だ。観念しろ」



そういってケムリンは十手を構える。やっぱり犯罪者の仲間入りなのかよ!

現代日本では家族が罪を犯したとき庇っても罪にならないんだぜ?ワンピの世界にも導入すべきだね!まあ日本でも死刑囚助けたら罪だと思うけど

兄貴二人がケムリンの厳戒態勢に構える。

いやいや、お前ら能力考えろよ。ゴムと火が煙に勝てるわけないだろ。逃げる準備しろよ

仕方ないから私が能力使う。

さっさと兄貴二人連れて逃げようと突風を起こす。そして

…何故かケムリンが飛んでいった。



「なっ!?」



「ええぇぇぇー!?」



ポカーンとしてるとケムリンがかなり遠くまで飛んでいった。どういうこと!?



「おおー!ナマエすげえ!」


「そうか。煙だから風であっさり吹き飛んでしまうのか」



目を輝かせるルフィと冷静に分析するエース。

エースの言葉に納得する。風と煙だと私にとって相性がいいのか。成る程。でも余罪を増やしてしまった。ケムリン怒らないで下さい


取り敢えず邪魔者がいなくなったので海岸目指して走ることにする。

どうやってこの戦場から逃げればいいんだろ?ルフィの乗ってきた軍艦はぶっ壊れてるな。エースを迎えにきた船に乗せてもらえるかな?

まあ飛んでいくことも出来るんだけどそれは最後の手段でいこう。光速で追ってこれるピカピカ人間と海上で戦闘はしたくないので。

海岸に着くと船が沸いた。

皆エースの無事を喜んでいる。よかったなエース。いい仲間が出来て。

エースの妹も乗っていくか?と聞かれたのでもちろんYes!と答える。

良かった!帰りの足ゲットだぜと思って船に乗ろうとしたら何かに手を捕まれた。振り返ると隈の目の医者がいた。‥は?



「見つけたぜ、座敷わらし。いや、ナマエっていうんだったな」


「ええええ!?なんでここにいるんだよ医者!」


「俺の名前はトラファルガー・ローだ。俺はあれからずっとお前を探してたんだぜ?そしたら頂上決戦のモニターに映ってたから捕まえにきた」


「こえぇぇー!!ストーカーじゃねえか!てかこれ生中継されてたの!?うぎゃー!」



マジか。これ全世界放送されてたの?エース処刑失敗したら全世界に失態垂れ流しになるのに海軍もよくやるな

ていうか、ひょっとして私の人相も全世界公開された?終わったわ。もう日陰者としての人生しかない。

にしてもトラファルガーこええぇー!テレビ中継されたからって普通戦場にやってくるか?これは本気度が高いようだ。ヤバいこのストーカー本当にヤバい



「遠路はるばるご苦労様でした!離せやこら!」


「嫌だね」



掴まえた手を離してもらおうとブンブン振り回すが一向にトラファルガーが掴んだ手を離してくれない。

ぐぬぬ。が、しかーし!私は風人間だ!抜けないなら風になればいいだけのことだもんね!

そう思って風化しようとした瞬間トラファルガーの方が早く行動した。



「"ROOM"」



トラファルガーがそう唱えると同時に緑の円が展開された。なにこれ?



「"シャンブルズ"」


「ギャー!助けてー!!」


「ナマエ!?」



ここで兄貴達は私の状況を悟ったらしい。が、いと遅し。何故かトラファルガーが"シャンブルズ"と言った瞬間私は奴の船に乗っていた。なんだこの能力!?瞬間移動!?



「船を出せ。出港するぞ」


「アイアイキャプテン!」


「おい、私の意思はどうした!了承してないぞ?わーん!エース、ルフィ!助けてー!!」


「お前は死の外科医だな!俺達の妹をどうするつもりだ!」


「こんにゃろう!ナマエを返せ!」



兄達がこちらに向かって駆けてくるのが見えたがここに着くより先に重たい扉が閉じられ船が出港してしまった。



「うわわわー!!どうしてくれるんだよこの隈の目!誘拐犯!ロリコン野郎!」


「最後だけ身に覚えがねえな。まあ諦めろこの船からは逃げれねえさ」



そういってニヤニヤ笑うトラファルガー、だがそれに対して私は鼻で笑い返してやった。

ふふふ、バカめ!私の能力知らないのか?私は風人間だぞ?甲板に出さえすればこっちのもんだ。後は飛んで逃げればいい。

早速甲板へいく階段を探そうとした瞬間トラファルガーに呼び止められた。

何だよもう。私今脱走するのに忙しいんだよ!



「何処に行くのかは知らねえが外に出ようと思ってるなら無駄だ。諦めろ」


「ふーんだ!何を言おうと私は止められないぜ。外に出さえすればこっちのもんだからな!覚悟しやがれ!」


「だから出れねえっていってるだろ?この船は潜水艦だ。もうとっくに海の中だ」



その言葉に思わず私は側にあった窓を覗き込む。すると外は真っ暗でお魚さんと目があった。どうもこんにちは。まじかよ!

ええええ!?本当に潜水艦なの!?こんなの逃げれるわけがない。だってあたり一面海だもん。能力者が生き残れるわけがない。

呆然と外を眺める私にトラファルガーが近づいてくる。そして頭をポスンと撫でられた。



「というわけで諦めろ」


「‥アイ」



もう自力での脱出は無理なので外部からの救出を期待しよう。

兄貴助けに来てこの展開になるとは思わなかったよ。助けてー

取り敢えず何か現状が変わるまでこの船に待機することにする。

トラファルガーは覚悟するがいい。お前が寝てる間に私の油性ペンを持つ右手が唸るだろうから。

エースを救えたのはいいが問題は山積みだ。
でもどう転んでもろくな結末などないような気がして私はため息を吐いた。



〜頂上戦争と二次災害〜



(ナマエ!!)


(取り敢えず逃げるぞエース!)


(ちくしょう、あの野郎許さねえ)


(そうだ!ナマエが乗るのは俺の船だ!)


(はぁ?ちげえよ!俺の船だ!)


(今は喧嘩するなバカ兄弟!)


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