少女A(OP)

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閣下ことキッド海賊団から逃げ延びて数ヶ月、私は色んな客船や商船に乗せてもらいながら旅を続けた。

やっぱり時々トラブルに巻き込まれたりもしたが悪魔の実の能力と金銭でなんとかトラブルを回避していった。ありがとうケムリン。貴方に頂いたお金は大切に使用させていただいております

で、順調にグランドラインを進んでいたんだがシャボン島に着いてから全く進めなくなってしまったのだ。

理由はシャボン島の次の島が魚人島だからだ。魚人島とは読んで字のごとく魚人達の島で海底にあるのだ。

そんなもん悪魔の実の能力者であるカナヅチ人間である私が行けるわけがない。まあ生身でもいけないけど。

魚人島にいく人々は自分の船をコーティングしてもらいその船に乗って向かうらしいんだがいかせん私は船を持ってない。前は持ってたんだけど壊れちゃったし買う気もない。

出来れば魚人島行きの船に乗せてもらいたいんだが魚人と人間は折り合いが悪く船は出てないらしい。これは完全に詰んだわ。

もうひとつ、赤い土の大陸を飛んでいくって方法があるのだがこれもよろしくはない。何故ならそこにはマリンフォードがあり海軍本部があるのだ。

いや、別に私自身は捕まるようなことしてないけど海賊の兄を二人持つ身の上としては行きにくいじゃん。どっちも億越えの有名人だし。

それに海軍本部には間違いなくじじいがいる。

幼少期苛め抜かれた身としては会いたくないし強制的に海軍に入隊させられるのも御免である。

なんか海軍本部の上通ったら見つかる気がするんだよね。感だけど。でもあの人の孫センサーは半端ない。


というわけで現状どこにも行けずにシャボン島に留まってる状況です。

もう1ヶ月も留まってる状況だよちくしょう。

どうでもいいけどシャボン島ってめちゃめちゃ治安悪い。もう3回も人拐いに合ってるよ。揃いも揃って貧相だがこれで我慢してやるかとか言われたから片っ端からぶっ飛ばしてやった。貧相で悪かったな!こちとらまだ成長期なんだよゴラアァァァァー!!といいながら風弾を撃ちまくる。まったく、ワンピの世界のナイスバディなお姉様方と一緒にしないで頂きたい。人種が違うのです。

まあとはいえ実は3回目のときは結構ヤバかった。相手が海桜石の錠を持っていて捕まりそうになったのだが一緒に捕まりそうになってたおじさんに助けてもらったのだ。おじさんというよりはおじいさんつて感じの歳だったけど。

で、そのおじいさんがめちゃんこ強かった。ヒーロー物のアニメで主人公が雑魚キャラをバシバシやっちゃうレベルで凄かった。惚れてしまいそうなくらいかっこよかった。多分歳はトリプルスコアーは離れてると思うけど

こんなお嬢さんに無礼を働くなんて酷い奴等だな。大丈夫かい?と優しく尋ねてくるおじいさんに、はい、大丈夫です。と両手を組み祈るようなポーズで頷く。

ヤバい、これが恋に落ちる瞬間かとか思って目をハートにしてたら一緒に捕まってた5歳くらいの女の子に対する扱いと同じで一気に目の前が冷めた。

因みに年頃のお姉さんのことはレディと呼んでた。女の子→お嬢さん 女性→レディ という扱いらしい。私はお子さま扱いかよちくしょう!と思うが助けてもらったので黙認する。だが、ワンピの世界では私はお子さま扱いらしい。悔しくなんてないんだからね!

助けてもらったことにお礼をいうと気にするなワッハッハと笑ってた。元気なおじいさんだな、と思ったら金髪美女の肩を抱いて消えてった。下半身もまだ元気らしい。おっと、下品か。どちらにしてもパワフルなおじいさんだったな。なんか色々凄かった

そのおじいさんにはもう会うことはなかったのだが私はシャボン島にとどまり続けた。


そしてその後は割と平凡な日々をシャボン島で過ごしていたんだけどある日の新聞の記事をみてひっくり返る羽目になった。


そこにはエース公開処刑とデカデカと書かれており捕まったエースの写真が貼られていた。それを見て私は固まる。



「は?え、なんでエースが処刑されるの!?」



思わず声に出してしまったがそれは確かに幼少期をともに過ごしたこの世界の兄の写真だった。まてまて

エースはルフィの兄でもあるんだぞ?この世界の主人公の家族なんだぞ


なのに処刑されるだと?え、これって原作?

生憎空島編までしかしらない浅い私の知識ではこの後どうなるかなどわからない。原作ならいい。きっとルフィが助けるだろうから。


不味いのは私がこの世界に介入したせいで物語が変わってしまったというケースだ。それは不味い。ほんと不味い。

前例があるだけに怖い。ついこの間私がアラバスタをぶらぶらしたせいでうっかりルフィが死ぬところだった。あれはマジびびった。

今回も私が何かしたか?いや、島でてから一度もエースにあってないぞ?直接は何もしてないと思う。

しかし、風吹けば桶屋が儲かるということわざもある通り私が何かしらをしたせいで原作が変わってしまった可能性がある。なんたることだ。どうやったら回避できたんだよ。わからん。こんなの無理ゲーだろ。

取り敢えず処刑されるまでにはまだ日にちがあるわけだし暫く様子をみよう。

それに今エースがいるのはインペルダウンだ。ここからだととても間に合わない。私が助けるならマリンフォードでだ。処刑される日を待とう。‥嫌な展開だ。

エースを助けることを念頭にいれつつ私は全力で祈る。誰かがエースを助けてくれることを。


エースに死んでほしくはないが一般人として生きたい私は取り敢えず他力本願に縋るのであった。


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