少女A(OP)

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アラバスタを出て当初の目的通り元の世界への戻り方を探す。当初の目的なんて読者も忘れてるだろう。ぶっちゃけ私も忘れてた。海賊と交戦したり海軍に捕まったりと最近あんまりにもぶっ飛んだ生活送ってたのでそれどころじゃなかったんだよ!ガチの命懸けでした。

で、私は1人用の小舟を買い(お金はケムリンがガーク海賊団をDEADした扱いにしてくれて賞金をくれた。ウホッ、私ってお金持ち〜ゲヘヘ)ぶらぶらとあちこちを旅した。

航海術はないがそもそも私は風人間なんだから生きたい方向に風を吹かせば思うように航海することができた。これなら別に帆とログポースさえあれば何処だっていける。何で最初の頃の私は身一つで海に出ようとしたんだろ。頭沸いてたんだな。

で、グランドラインの怪奇現象とか人がいきなりいなくなった事例なんかを探してたら早速挫折した。いや、無いんじゃなくてありすぎるの。ぶっちゃけグランドライン自体が不思議エリアで変な事件なんて日常茶飯事くらい起きてるらしい。どうしたらいいんだ。全部調べろと?無理。いよいよ本格的にこの世界で安住の地を探したほうがいいのかもしれん。でもお家帰りたいメソメソ。

そして嫌なことは続くらしい。泣きっ面に蜂とはまさにこのこと。

現在私はただ広い海の中遭難中なのであったorz







木片になった船の残骸に腰掛け呆然と空をみる。空が青いな。あ、カモメが飛んでる。撃ち落としてやろうか。

畜生軽く七桁はする船だったのにこんなに早く壊れるなんて。おっちゃんの嘘つき!機能性は優れてないがその代わりどんな天候にも耐えられる頑丈な船だっていってたじゃないか!訴えてやる!

そりゃ嵐にあって高波に浚われて吹雪に見回れてトドメに雷が落ちてきたけどそれくらいで壊れるなよ!根性だせよ。

…いや、ごめん嘘です。普通にこんな天候に根性で耐えろとか無理言ってるわ。船売りのおっさんもこんな立て続けに天災に見まわれるとわ思わなかったんだろうよ。八つ当たりしてごめんなさい。

にしても何で私の乗る船は次から次へと事故が起こるんだろ。最初の船だって沈んだし。あれ?これ船がダメだったんじゃなくて私がついてないんじゃね?何だこの嫌がらせのごとき運のなさは。神様にでも嫌われてんのか?私の乗る船は不幸になっていってる気がする。

取り敢えず私がキングボンビーのような特性を持ってるかどうかは置いといてこれからどうしよう。

ログポースを頼りに自力で飛んでいくしかないのだろうことはわかってるけど気が重い。以前やったことあるがその時引き起こしてしまった騒動は軽くトラウマである。(海賊船を1隻ボコボコにしまい気付いたら海兵に銃突きつけられて取り囲まれていた。あれは怖すぎた)

が、他に手もないのでやるしかない。今は晴れてるから飛んでいくのも楽だろうし海の上で揺られてるのも結構体力奪われるからそろそろ動こう。はー、めんど


どっこらせと重い尻をあげた瞬間遠くの方から船がやってきた。


…え、まじで?ラッキー!ふー!


この広い海で船に会える確率ってどれくらいだよ?なんだ私ってついてるじゃん!そう言えばたまたま食べた実がロギアだったりラリって倒した海賊が賞金首で一気にお金持ちになり案外私自身は不運じゃないんじゃね?ただ周りのものや人を不幸にするだけで!やっぱり嫌な体質だよ。これ友達できねえよ。

取り敢えず私は風になり(何かこの表現ポエムみたいでヤダな)その船に接近してみる。

民間の船や海軍の船ならよし。素直に助けを求めよう。問題は海賊船だった場合だ。

そりゃ親切な海賊もいるかも知れんが基本海賊団ってのは略奪や殺戮と野蛮な奴等である。助けを求めたら殺されたり売り飛ばされてもおかしくない。うん、どうか商船でありますようにと願いを込めながら旗を見れば残念!ドクロの模様がありました!オワタ!

やはり人生そう上手くはいかないらしい。うげ、どうしよう。いや空飛んで島目指すってのは本当大変だから出来ればやりたくない。

いっそ海賊どもみんな追い払って船占領するとかどう?一度やってるしいけるんじゃね?

そう思ってひょいっと甲板を覗きこむと何やら船長らしき人物が色々と指示していた。

雑魚っぽかったらやっちまおうと思って見ると唖然、

…そこにはデーモン閣下がいらした。何アレ怖い。

唇が赤いんですけど口紅ですか?化粧してるんですか?ヴィジュアル系ですか?ダメだ、近づきたくない系統だわアレ。

てかそもそもオーラに雑魚臭がしない。もう勝てる気がまるでしない。そりゃ最弱イーストブルーとグランドラインを勝ち進む海賊じゃ実力が違いすぎる。生意気なこと考えてすいませんでした!

だいたい私が前に海賊やっつけた時って記憶ないんだよね。完全に火事場の馬鹿力です。その時私って強いんじゃね?とか思っちゃったけど元々の私にそんな力なんてあるわけがない。身の程知らずなこと考えていたわ。危なっ!

ということで取るべき手段は1つとなった。こっそり船内に忍び込んで次の島につくまで無断乗船する!うん、完璧だ。

最悪見つかったら風化して逃げればいいだけだし乗れるところまで乗せてもらおう。他人の船に勝手に乗るなんて自己チューだって?うん、知ってる。

そんなこんなでデーモン率いる海賊に忍び込んだわけだが案外溶け込めている。

上手く隠れられてるのかって?いや、普通に見つかってるけど直ぐに風になって消えるから幽霊に思われてるらしい。下っぱ海賊がそう噂してるの聞いた。曰くちっちゃい女の子の幽霊がでるとのこと。そこは美少女の幽霊が出たって噂にしろよ。てか別に私はちっさくないからな!153cmって向こうでは全然普通だよ!こっちの人間がみんな高いんだよ!なんで3m越えてるやつとかいるの?解せぬ

まあそんなこんなで日々過ごしてたらある日突然艦内が騒がしくなった。戦闘か?いってらっしゃい。お土産は金貨でいいよ。

と思ってたら船の揺れが尋常ではない。不審に思って船員の話を盗み聞きするとどうやらサイクロンが近づいてきてるとのこと。しかも2つ。

1つでも大事だというのに2つ。そこそこの規模があり巻き込まれたら助かる見込みはないということ。さらにサイクロンはこの船を挟むように出現していて逃げるのは難しいらしい。いくらグランドラインとはいえ2つのサイクロンに逢いしかも挟まれるとは珍しい。

あれ?これってひょっとして私のせいか?私の疫病神属性が働いた?んな、バカな。

が、実際現状は回避が難しいくらいヤバい状況らしい。絶体絶命である。

…マジで私のせいかな。なんかわからんが私船沈めるの得意だし。わざとじゃないけど。なんかホントに呪われている気がした。

これで本当に船が沈んだら申し訳無さすぎる。例え船がサイクロンに巻き込まれたとしても風人間の私は助かるが非公認とはいえ船に乗せてもらった身だ。それなのに私せいで沈むかもしれないとなると罪悪感がやばい。

私はあわてて甲板にでる。すると船の両脇からサイクロンが接近してくる。思ったよりも近けぇ。音がこわい

周りで船員が何やら回避しようとしてるが効果はあまりなさそうだ。

私は飛んで帆の先端まで来ると柱の先に立って船を見下ろす。

よくわからんが私が風化して全力で船を押せば切り抜けられるよね?

サイクロンは左右から迫ってきた。ということは凄く早く海を駆け抜けたらサイクロンにぶち当たらなくても済むということだ。私がふうふうすればイケる気がする。

なので風を作り出しフルスピードで船を押してみた。いきなりスピードをあげた船に船員たちは驚きバランスを崩し手当たり次第皆何かに捕まっていた。中にはこけて頭をぶつけた者もいる。まあ許せ。命あっての物種だろ?

そんな感じで風で船を押してると暫くするとサイクロンを振り切り見えなくなった。風足を弱める。よしよし、これでこの船は助かったね。だから私を恨まないでね。あのサイクロンが私の不運が呼び寄せたものだとしても!

そしてどうやら風で進んでいるうちに結構距離を進んだらしい。遠くに島が見えた。

とうとうこの船ともお別れか。幽霊扱いされたが乗せてくれてありがとう。まあ許可はもらってないけど。

何となく名残惜しくて最後に一目船を見とこうと思って下を見ると、…閣下と目があった。

…ギャー!やべっ!目があっちゃっよ!ガン見されてるよ!そりゃそうだ!自分の船に見知らぬ他人が乗ってたらそりゃ誰だって驚くわ!

海賊の船に無断乗船するとどうなるの?銃殺?打ち首?ろくなことにならないな!



「おい、お前」


「ギャアァァー!!すいませんでした!」



そのまま風化し見えてる島まで全速力で飛ぶ。

ヤバい、バレた!顔覚えられたかな?そりゃアレだけガン見されたら覚えられるわ!

もう二度と遭遇しないことを祈るがその後私が乗った海賊船が3億1500万の賞金首だと知って震え上がるのだった。


〜end〜


(おい、キラーホントに座敷わらしがいたぜ)

(そうか。だが最近見ないな)

(ああ。俺の顔見て逃げやがった。許さねえ。俺の船に乗ってた以上俺のもんだ。ぜってぇ探しだしてやる)

(いいんじゃないか?俺も気になる)


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