少女A(OP)

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悪魔の実ヤッホー!これで私最強だぜイェーイ!

…と思っていた時代が私にもありました。マジ調子乗ってました。ごめんなさい

気付いたら知らない船の上で海軍に囲まれていた。銃を向けられていたのですぐさま両手をホールドアップ。抵抗しないので撃たないで下さい。

…なんでこうなった?

寝ぼけた頭をフル回転させ思い出す。確か悪魔の実を食べたから別に船に乗らなくてもグランドラインへ行けるのでスイーと飛んでグランドラインに到着した。うん、これは問題ない。問題は次だ。

飛べることが発覚した私は立ち寄った島でログポースを入手しぶらぶらと空を飛んで旅を始めた。これがマズかった。

何がマズいっていくら空を飛べるっていってもそれは体力が有る限りだ。足があるからといってずっと歩き続けられないだろ?それと同じ。

とはいえルフィ達と幼少期を過ごしたからか私は人より体力があった。

1徹夜目は余裕で2日目は頭がくらくらして3目はラリった。

そして睡眠不足と疲労がピークに達しひたすら寝床を求めてさ迷うはめになった。グランドライン舐めてたわ。オマケに天候がすぐ変わって暑いやら寒いやらでもうヘトヘト。風人間だから天候はそこまで気にすることないと思ってたがバッチリ影響あった。炎天下の次に雪が降るってマジどういうことよ。天候の変化激しすぎる。この世界だと天気予報って存在しなさそうだな。

そんなわけで狂ってた3日目。海に落ちたら能力者だし死ぬと思って気力だけで飛んでたら(まあ能力者じゃなくても海のど真ん中にいきなり落ちたら死ぬだろうけど)なんと船発見。

なりふり構わずその船に突撃したらその船が海賊船だった。その後のことはあまり覚えてない。

海軍いわく海の真ん中で静止する海賊船に不審に思い乗り込むと船長室の豪華なベッドで爆睡する私を見つけて今にいたるらしい。

海兵の人に何故ここにいるって聞かれたんだけどよく覚えてない。取り敢えずなんかいきなり発砲されてむしゃくしゃしてカァーとなったことまではなんとなく記憶にあるんだけどと言うと海兵の人が青ざめた。

まあ聞くと海軍がこの船に乗り込んだ時私以外いなかったらしいから多分私が海賊達を全員叩き出したのだろう。向こうにとっては災難だっただろうに。人間ラリるとヤバいな。肝に銘じとこう。

取り敢えず私は重要参考人ということで軍艦に連れていかれることになった。これ私どういう立ち位置になるんだろ?まさか逮捕?でもやったの海賊船だぜ。なんとかなるだろ。それにしても見つけた船が海賊船でよかった。ただの民間の船なら問答無用で御用です。

そして捕まった私はなんでも今から一番偉い人の所へ連れてかれるらしい。海軍なんて堅物なおっさんばかりだろうな。こええ。説教されるのかな?あとカツ丼は出るのだろうか

軍艦内の奥、いかにも偉い人かいそうという扉の前で海兵がノックした。いよいよご対面です。ドキドキしながら扉が開くのを待ってると中には白髪にぶっとい煙草をくえてるおっさんがいた。あれ、何かこの人知ってる気がするぞ?え、まさかこの人、



「スモーカー大佐!例の少女を連れて参りました!」



そう言って隣の海兵が敬礼する。うええ、やっぱりケムリンだ。あれだ。ルフィのストーカーの人だ。ストーカーだというと誤解を生むな。誤解ではないけど。えーと、まあルフィをルパンとすると銭形ポジの人ですね。しつこく何処までも追っていくところが似ています。

ケムリンとかバリバリ主要キャラじゃないか。うわっ、まったくもって会いたくなかったわ。

キャラに会えるの嬉しくないのかって?いや確かに嬉しいけど主要キャラってのはトラブルメーカーでもあるから嫌なんだよ。ルフィで懲りたわ。

大体小説みたいに私を溺愛とかしてくれるわけでもないんだぜ?そんなのただの他人じゃん。キャラに会うより平和に生きたい。



「お前がガーク海賊団を1人でやったガキか?」


「いや、そうですがあれは何と言うかに火事場の馬鹿力でして私の実力じゃないんです。偶然です!」



ギロリと睨まれたのでガクブルしながら必死で説明する。

取り敢えずにケムリンに目をつけられたくないので私の実力ではなくてたまたまであることをアピールする。

印象に残ったらめっちゃヤバイ。この人にルフィの妹とバレたら即人生終了だよ。



「名前は?」


「ミョウジナマエです!ただの平凡な女の子です!」


「ミョウジナマエ?聞いたことねえな。海賊ではないだろうな?」


「はい全然海賊でもなんでもありません!」



ケムリンが手元の手配書らしきものを捲りながらそう聞いてきたので全力で頷いた。嘘じゃないよ!こういうと嘘っぽく聞こえるがガチで嘘ではない。ただ兄弟が海賊なだけである。

しばらくケムリンはパラパラと手配書を捲っていたが該当するものがないと見るや否やすぐに私に向き合い煙を吐いた。



「ミョウジ、てめえは何で彼処にいた?」


「えっと、実はこの間悪魔の実を食べたんですけど飛行能力があって飛べるから船なくても旅できると思って旅してたら力尽きかけてそしたらあの船見つけて突撃しちゃいました」


「飛行能力だと?何の実だ。」


「ふうふうの実です。私は風人間です」


「ロギアか。面倒くせえ」



ケムリンは鬱陶しそうにそういうと吸ってた煙草を灰皿にグリグリ押し付けた。

本当なら自分の能力とか対策とかさらそうで話したくないがここで逃げて賞金首になるほうが嫌なので素直にゲロる。ここは偶然悪魔の実を食べたいたいけな少女で通そう。

てか、なんでこんなに拘束されるんだ?いくらやっちまったといえ海賊だろ?別に賞金稼ぎとか普通にやっていることじゃん。何か問題なの?私みたいな儚げな少女がヤっちゃったから問題なのか?悪魔の実食べて急に強くなる事例くらいいくらでもあるだろ。いい加減この煙たい部屋から解放されたい。



「あの、私いつになったら解放されるんでしょうか?」



そうしおらしく訴えるとケムリンは新しい煙草に火をつけ煙を吐き出す。ちょ、副流煙!肺炎になったら訴えてやる!

ケムリンはベラベラと手配書を捲るとその中から1枚取り出して私に突きつけた。

そこには“ガーク海賊団”船長と書いてあり金額は



「8000万ベリーだと!?」


「とういわけでお前をそうそう解放するわけにいかない。」



ヒラヒラと手配書を見せるケムリンから手配書を奪い取り思わず凝視する。何度みても8000万ベリーだ。

え、8000万ベリーとかクロコダイルより高いじゃん。そんなにすごい奴だったの?記憶すらないんだけど。

さっと青ざめる私をみてケムリンはガシガシと頭を書いて私から手配書を取り上げる。



「というわけだ。暫くは一緒にいてもらう。それで問題なさそうならば次の町で解放してやるよ」


「うう、はい。」



まさかこんなことでケムリンに目をつけられるとは思わなかった。これもう逃げた方がいいのか?いや、でも態度が良ければ次の町で下ろしてくれるって言ってるぞ?まてよ、これ逆にチャンスじゃね?

むしろこんな海の真ん中で放置される方が困る。海賊船があるが私に航海術はないので意味ないし。なので次の町まで送ってくれるっていってるんだから乗っておこう。うしっ!

急に元気になった私にケムリンはやや不思議そうにしてたが気にせず言葉を続けた。



「ここからだと次の町まで10日くらいだ。困ったことがあればたしぎに言え。女だから言いやすいだろ」


「はい!分かりました!」



おお、たしぎちゃんとの遭遇フラグが立った。やっぱりドジッコなのだろうか。楽しみである。

海軍の軍艦で次の島まで送ってもらえるなんてこんな安全な船旅はない。ふふふ、イエーイ!折角なので悠々自適な船旅ライフを過ごしてやるぜ。

ケムリンが部下に指示しこれからその部屋に連れてってくれるらしい。いやー、何から何まで悪いですね。その調子でジュースも下さい。

るんるん気分で部屋を出ようとしたらケムリンに呼び止められた。ん?まだ何か用?



「薄いコートのような物を持っているか?出来ればフードがついてるやつだ。」


「多分持ってますが何でですか?」



何を聞かれるかと思えば服のことだった。なんでそんなこと?服装規定でもあるのか

と思って不思議に思ってるとケムリンの口から出たのは衝撃の言葉だった。



「次つく港はアラバスタだ。直接日に当たれば肌を焼く。あるならいい。なければこちらで用意する」



多分親切心でそう聞いたのだろうけどその言葉を聞いて私は口元を引きつらせた。

アラバスタ?利いたことありますね。それってルフィがこれから事件起こす国じゃねえか!ルフィに遭遇するのもマズイけど国中巻き込んで戦争が起こる国なんだからそもそも治安が期待できない。ヤバイ、これなんかフラグ立ってない?

やっぱりこの船からすぐに逃げた方がいいのかもしれない。


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