少女A(その他)

□少女Aと刀の世界
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数々の世界を渡ってもとの世界に戻ってこれたぞー!と思ったら黒いスーツを着た政府のお役人様たちに貴女には審神者の才能があると言われた。

さにわ?なにそれ?雨降った三日後にできる★のマーク掘ると出てくる動きがへんてこりんな土偶のことですか?

なんのことだと思って話を聞くと刀剣男子とやらを召喚して歴史を脅かす歴史修正主義者と戦って欲しいということだった。あれか、僕と契約して魔法少女になってよ!的な勧誘ですか。勿論断りますね。平和な日本に戻ってきたのに何が楽しくて死亡フラグ立てに行かないといけないんだよ。

私は行かないよ!やっと夢にまでみた女子高生生活を始めるんだ!と抵抗したのに国民の義務ですから、と強制的に連れていかれることになった。どうみても誘拐ですね。もうこの国はダメかもしれない。

仕事内容について聞くと刀作ったりお手入れしたりするだけの簡単なお仕事だと言われた。全然簡単そうな感じがしませんけど?刀のお手入れなんてしたことないし刀作るなんてさらに無理だろ。と言ったら材料を本丸にいる妖精に渡せば作ってくれるので大丈夫だと言われた。

なんかもう色々おかしい。いつからこの世界はファンタジーになったのですか?ふうふうの実の能力も使えるしまだ元の世界に戻れてないみたいだ。早くおうちに帰りたいです。

そんなわけで政府からやってきたこんのすけという名前の狐の後を着いていって本丸とやらに行ってみたらめっちゃ黒かった。空気も澱んでいる。え、なにこれ?

山の中にひっそりと捨てられた廃墟としか思えない和風の建物を見てこんのすけを問い詰めるとどうやら前の審神者が酷い奴だったらしく、恨みが募った刀剣方の心が歪んで屋敷が荒れ果てたらしい。

それ、なんというシシガミ様。完全にこの本丸祟られてるじゃないですかヤダー。え、そんな神様に呪われた所が私の本丸なの?チェンジでお願いします!

だが私の提案はこんのすけにここが審神者の本丸ですので変更は無理です。とばっさり切り捨てられた。救いはないんですか?こんな祟り神ばかりのとこにいられるか!私は家に帰る!

とUターンしようとしたがゲートが閉じてて戻れない。どうやら本気で現世に帰れないらしい。解せぬ。

取り敢えず刀剣様方にお会いしましょう!とこんのすけに言われたからしぶしぶ着いていく。まあ確かにこのままじっとしてても何も始まらないもんね。刀剣たちは刀が擬人化したらしく人の姿をしているらしい。どんな姿なのかちょっと興味あるなー、というわけでこんのすけの後に続いて刀剣たちを探しにいく。

破れた障子や何かわからない赤黒いシミを見ながら埃と煤だらけの廊下を進むと大きな部屋に着いた。この中に刀剣たちがいるらしい。

ささっ、どうぞ審神者様、刀剣様方にご挨拶を。

とこんのすけに言われるがもう帰りたい気持ちでいっぱいだ。こんなお化け屋敷みたいなところでリアルお化け(?)に会うとかどんな苦行だよ。途中血痕みたいなのもちらほらあったし本気で怖い。ううっ、早く挨拶してこの場から逃げよう。

ゆっくりと障子を開けて、こんにちは!新しい審神者です!仲良くしてください!と言おうとした瞬間白刃が煌めいた。え、と思う間もなく視界には憎悪にかられた複数のイケメンが刀を握りしめている。

チッ、手応えがない。薄皮1枚で逃したかと言っているのが聞こえてゾッとする。ちょ、このイケメンガチで殺しにきてるんだけど!薄皮1枚で済んだんじゃねえよふうふうの実のお蔭で物理攻撃が効かなかっただけだよ!やばい、こいつら本当にヤバい。本気で殺される!

人間なんかもう信じられない!殺してその躯をズタズタに切り裂けば少しは我らの気も晴れるであろう!という言葉を聞いてダッシュでこんのすけ抱えて逃げる。かつてないレベルで死亡フラグが立っているよ。

後ろに刀剣たちの殺気を感じながら駆けているとこんのすけが審神者様のお部屋には結界が貼ってあって刀剣様方は中に入れませんよと言ってくる。おお、それは素晴らしい。安全地帯は必要用です!と思いながらこんのすけに案内してもらって前審神者が使っていた部屋に入るとそこは空気が黒く澱んでいてそしてあちこちに赤い物がべったり張り付いていた。ここもホラー部屋かよ。

取り敢えず前の審神者とやらが屑なのはわかりました。どんなことしたらここまで部屋が汚れるんだよ。

刀剣たちの怒りは最もだと納得した。
人間でごめんなさい。
でも八つ当たりはやめてお願い。
私も命は大事なんです。

こんのすけを下ろしてこの状況を相談する。これからどうしようかというと刀剣様方の傷の手当てをしましょうと言われた。

え、あの状態の彼らに近付けと?今の逃走劇見てもなにも思わないんですか?こんのすけ鬼だろ。

でもまあ刀剣たちが怪我しているというのなら確かに治療はしてあげたい。あの殺気立っている理由のひとつは傷付いているからだろう。手負いの虎がフシャー!と周りを威嚇するようのイメージかな?確実に殺しにくるところが危険度マックスだけど。

うーんと悩んで手当てできるのならしてあげようと結論に達する。怪我しているのは可哀想だし治してあげたらちょっとは風当たりがマシになるかもしれない。後者が本音とかそんなことはない。そんなことはない。

というわけでこんのすけに手当ての方法を聞くと道具を一式渡され、これと資源を使うことで刀剣を治すことができると言われる。

うん、資源?なにそれ知らんぞ?と聞けば火を起こす石炭や欠けた刀剣の素材となる玉鋼といった物が手入れをするには必要らしい。

なるほど、内容を聞けば納得です。確かにそれは必要だ。で、どこにあるの?

と聞けば戦場にあると言われた。え、戦場?

資源というのは戦地にポツポツと落ちているらしい。敵を倒し資源を確保し新たな刀剣を作り出すのが一般的な審神者のお仕事だとこんのすけがいう。

マジか。ならちょっと待て。
資源確保のためには刀剣たちを戦場に送り出さないといけない。
だが刀剣たちはボロボロ。
手当てするには資源がいる。

なにこのエンドレスフルコンボ。どうやっても詰んでいるですが私にどうしろと?

こんのすけに政府からの援助はないのかと聞けば政府の財政は厳しく割り当てられる本丸は限られているのですと答えられた。つまりこんな荒んだ本丸に割く予算はありませんということですか?

なにこのブラック政府。か弱い女の子を危険地帯に放り込んで手助けはなしなのかよ。もうこんな世界滅べばいいのに。

資源を得るには選択肢がひとつしかない。つまり、私に行けということですね、わかります。鬼畜すぎるだろこの選択。

でも他に手段が全くないのでしぶしぶ1人で戦場に行く。敵に見付からないように気配をけしてこっそりと資源を集めていった。途中緑色に光る恐竜の骸骨みたいな敵が一匹いたので試しに風弾撃ったらあっさり倒れた。どうやら短刀くらいなら倒せる実力はあるらしい。

でも戦闘能力なんて女子高生には全くいらないんだよね。私はどこへ向かってしまっているのだろう。

何度か出撃を繰り返してある程度の資源が貯まった。それでは早速手当てをしようと思ったところではたと気付く。え、私嫌われてるじゃん。どうやって手当てするの?

こんのすけ曰く手当ては刀身に直接触れないとできないらしい。刀身とは刀剣たちの本体そのものだ。そんな物に簡単に触れさせてもらえるわけはない。え、じゃあどうするんだよ?

こんのすけにどうしようかと相談すれば誠心誠意お願いしたらさせてくれますよと言われた。お前挨拶一言めの前に斬りかかられたのを見てなかったのかよ。絶対無理だよ。姿見せた瞬間ザックリだよ。

こんのすけが役に立たなさすぎて辛い。てか、こいつ私のこと嫌いなんじゃないのか?
庇ってくれないし録なこと言わないし。世界が敵でつらい。

まあとにかく怪我した刀剣は手当てしようということで半透明になってこっそりと手入れいていく。数々の修羅場を逃げまくってきたお蔭で気配消す能力はカンストしてますから。ハンター試験でヒソカをつけてたゴン並みのスキルはあるぜ。本当に私って苦労してきたよね。泣きそうだ。



そんな感じで刀剣たちに気付かれないように手入れをしていったら少しずつ刀剣たちも心開いていってちょっとは歩み寄ってみようと思うのだけど少女Aは全然見付からない。出歩く姿が全く見えない。

畑だって耕されるし本丸もキレイになっていっているし明らかに活動しているはずなのに見付からない。主の部屋にいるのは時々わかるが気付いたらいなくなって誰かの手入れがされている。え、どういうこと?

ここまで姿が見えないと逆に気になってきた刀剣たちが必死に少女Aを探すもやっぱり見付からない。部屋の前で張ってても傷付いた刀剣たちの所でこっそり待ち構えていても捕まえられない。主って、人間?

といった感じの少女Aと刀剣たちによる鬼ごっこな話。最終的に三日月宗近の手入れしようとしたところ本気出したじじいに捕まって鬼ごっこ終了。少女A捕まえることに意識割かれ過ぎて刀剣たちはなんか毒気抜かれてしまった。


少女A:いきなりブラック本丸がスタートとかハードモードすぎる。もう少し世界は私に優しくしてください。刀剣たちの手入れしてたら追い回されるようになった。なにこれ怖い。戦場へは最終面までひとりで行けてしまった。だって物理攻撃は効かないんです。

刀剣たち:ふむ、近頃重傷だった刀剣たちの手入れかされているようだ。あの小さい新しい主がやっているのか?だが、まだ信用はできん。
→本丸が綺麗になってるな。少しくらいは認めてやってもいいのかもしれん。それで、主はどこにいるんだ?
→・・・主が全く見付からない。
→あるじィィィィィーーー!!!

全力で逃走する少女Aとそれに追いかける刀剣たちのお話。

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