少女A(その他)

□少女Aと巨人の世界
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「よぉ、リヴァイ。大きくなったな」


「お前はあんまり変わってねぇなケニー!!!」


「ぎゃああああああっ!今!弾丸が頭すり抜けた!!!うわあああああああっ!!死ぬ!死んだ!絶対今の死んだ!」


「うるせえナマエ。どうせお前の頭には風穴なんて空かねえんだからギャーギャー騒ぐんじゃねえ!耳障りなんだよ」


「空かなくても怖いものは怖いんですよ!自分の視界から銃弾が飛び出てくるんですよ?マジ怖い。なんで私は兵長と行動ともにしちゃったんだろ。なんでアルミンたちと一緒にいなかったんだろ。てかそもそもなんで調査兵団なんか入っちゃったんだろ。いろいろ人生の選択を間違えたわ」


「自分で選んだことに対してグチグチいうんじゃねぇ。いいからこの状況を打破する方法を考えろ!!」



そういっている間にも弾丸はひゅんひゅん飛んでくる。リヴァイ兵長は器用にそれを避けているが私は何発か食らった。私が風人間じゃなかったかったら間違いなく死んでいただろう。今これほど自分が悪魔の実を食べててよかったと思ったことはない。よかった!能力者になれてて本当によかった!最初に飛ばされてたのがこの世界だったら巨人に食べられて間違いなく終了だったよ!




「え、打破するもなにもそもそもあの人誰ですか?リヴァイ兵長の知合いですか?ちょっとお友達のあいさつにしては過激じゃないですか?」


「友達じゃないな。まあ父親みてぇなもんだよ」


「なるほど。これは親子のスキンシップだったんですね!なら私はいらないですね?帰っていいですか?」


「馬鹿言え。俺も自分の部下を父親に是非紹介してやりてぇんだよ。つれないこと言わずにとっとと弾除けにでもなれ」


「普通家族に部下は紹介しないよ!しかも弾除けにされるとわかっていて愛想よくできるか!うわわわわっ!またきた!『風弾‼』」



前方から現れた新手に風の弾丸をくらわす。威力はそこまでないが風の圧力に前にいた3人は全員吹き飛んだ。なんだかんだ言って空中戦は自由に飛べて風を操れる私に分がある。立体軌道は風の流れに弱いのではっきりいって対人戦では私は誰にも負けないだろう。ただし今目の前を飛んでる目つきの悪い上司とマフラー巻いた腹筋割れてる系女子は除く。奴らはたぶん人類じゃない



「チッ、話には聞いていたがなんてでたらめなガキだ。本当に人間か?」


「さあな。使えるんだからそんなんはどっちでもいいさ」


「いやいや!私人間だから!化け物扱いしないで!」


「そんなことはどうでもいい。取り敢えず一端撤退するぞ!」


「アイアイキャプテン!その命令を待ってました!よしっ!早急に戻りましょう!」




そういうと兵長は怪訝そうな顔をして振り向いた。あ、やべっ。また言ってしまった。私は無意識のうちに兵長のことをキャプテンと呼んでしまうことがある。それを兵長が嫌がっているのは知っているがもうこれは癖なのだ。そもそも兵長とキャプテンが似ているのが悪い。

どちらも私の上官で目つき悪くて態度悪くて横暴で、そして何より声が同じである。なんとなく性格似ている人間がしかも同じ声で命令してくるんだぞ?そりゃ間違えちゃっても仕方ないよね!ただし、あんまり間違えすぎると兵長の堪忍袋の緒が切れて躾をされてもおかしくないので直す努力はしよう。やはり人の嫌がることをするのはよくないです。

指示通り撤退する。巨人だけでも恐ろしいのに人間までもが命を狙ってくるのだ。もう本当にこの世界は最悪だ。

なのに私はここから逃げられないでいる。私は巨人に食われることがないので本気で臨めば壁外に逃げることだってできる。でもそれをしないで私はまだこの劣勢で戦場のさなかである調査兵団に属している。

それはともに釜の飯を食った仲間を見捨てて飄々と生きていけるほど私の精神が図太くないというのもあるがやはり、顔が怖いのに仲間思いで責任と信念をもって世界を変えようとするこの人がここにいるからだろう。兵長を見るとキャプテンを思い出す。だから兵長に感じるこの思いはきっと、

兵長が振り向いた。相変わらずの不機嫌顔でゆっくりと口を開いた。



「おい、何ちんたらしてやがる。さっさとしやがらねえとぶっ殺すぞ」



睨みつけながらそう凄味のある声で言った。瞬間背筋が伸びる。あ、うん。兵長に感じるこの思い、これはきっとトラウマだね。トラウマです。脊髄反射ともいう。

どうやら私はワンピース時代キャプテンに振り回されてた経験から兵長に命令されると反射的に従いたくなるらしい。どんなに嫌でも最終的にいうこと聞いちゃいます。マジで?もう教育されちゃってるの私?

そんな馬鹿な!と声高に叫びたいが兵長に結局付き従って偵察やらされてる現状みると何もいえない。私ったら調教済みじゃないですかヤダー。でも逆らえる気がしません。ほら、だってやっぱり人類最強には逆らえないだろ?つまりそういうことだ。強者には逆らってはダメなのだ。

しばらく行くと荷馬車が見えた。どうやら向こうも襲われてるらしい。なんだ、結局どっちにいても戦闘は避けられなかったのか。

まあどんな世界にいてどんな人たちがいようと私のやることは一つだ。死なないように頑張ります!



〜少女Aと巨人の世界〜



(うわあああっ!)


(ぎゃああああああっ!死ぬなジャアァァァァーーーン!!必殺ナマエちゃんキック!)


(何でお前が叫ぶんだよ!うるせえ!あとネーミングがだせぇ!)


(助けてやったのになんだその言いぐさ!この馬面!)


(お前らいい加減にしろ)


ーendー

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