少女A(その他)

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4次試験、必要なプレートを入手した私は食料を取りに行く時以外は基本木の上に身を潜ませた。木の上というのは木の葉で覆われていて視界が悪い。なので半透明になれ気配を消せる私を肉眼で発見するのはかなり難しい。なんかの特殊技能を持ってない限り見つからないだろう。最もこの場にはその特殊技能持ってるやつがかなりいるから全く安心できないんだけどね。野生の直感だったり念能力だったりほんとにやめて。私に平穏な時間を下さい。

なんて祈りが珍しく神様に届いたのかもしれない。その後他の受験生とは誰とも会うことなく試験は終了した。え、終わったの?本当ですか?マジですか。
ゼバル島に到着してから6日経過し試験が終了しました。集合場所に着き息を吐く。よっしゃあああー!!4次試験終わったぞぉー!いやふぅぅーー!!ゼバル島キツかったわ。まさか暗殺一家の長男様が私をターゲットにするなんて思わなかったから本当に大変だった。命があって本当によかったです。

さてさて、ここまでくればもう勝ったも同然!何故なら最終試験は不合格者が1人しかいない上その不合格者はもう決まってるからだ。君に恨みもないし残念だとも思うが私の平穏のために落ちてくれキルアくん。大丈夫、君なら来年ちゃんと合格できるから!お兄さんに精神ボロボロになるまでいたぶられる姿はかなり可哀想と思うがぶっちゃけ回避の仕方もわからないし原作通りでいこう。ゴンとは後でもう一度友情を築きあげてください。

このままいけば普通に合格できるとは思うが念には念を入れて会長との面談ではヒソカとゴンとギタラクルの3人とは絶対に戦いたくないと宣言しておく。ヒソカとギタラクルは戦闘ガチ勢でとても勝てる気しないしゴンに至っては絶対に合格する星の元に生まれてるからどうこうするなんて無理。たぶん残りの受験生が全員試験に落ちてもゴンだけは合格するよ。それが主人公補正というやつだ。会長はホッホッホと笑いながら私の話を聞いていた。大丈夫かこのじいさん。ちゃんと私の要望理解してくれたのか?不安だ。頼むからその3人だけはやめてください。

そんなわけで最終試験、対戦表が貼り出された。私の位置はどこかというとまずハンターハンターのコミックス第4巻の129ページを開いてくれ。トーナメントが載っているだろ?その一番右側にレオリオの番号である403番が書いてあると思うのだがその横に一本線を出して100番と書いてくれ。私の場所がわかったかね?つまりシードですよ!開始早々準決勝進出だね!はは、涙が出てくるよ。

いや別に対戦相手にヒソカもゴンもギタラクルもいないしレオリオの次ってことはあの事件が起きた後に私の試験が始まるわけだから実質私の合格は決まったようなもんだがそれでもちょっと悲しい。だってこのトーナメント才能のある奴により多くのチャンスがあるように仕組まれてるんだろ?私の期待値底辺なのかよ。レオリオ以下なのかよ。いやまあ自分がそんな素晴らしい才能を秘めてるとは思わんけどなんか悲しい。まだ私16歳なんだよ?そんな早々現実という奴を教えてくれなくてもいいじゃないか。

試験が始まっていく。初戦はゴン対ハンゾーでゴンが勝った。原作でも思ってたけどこいつわがままだよな。自分が満足する戦いをしてさらに勝ちたいとかどんな横暴だ。それでもゴンが嫌な奴に見えないのは彼の人徳だろう。さすが主人公、人を魅了する才能はピカイチだ。

次戦はクラピカ対ヒソカで勝者はクラピカだった。ヒソカはクラピカのことも気に入っていてここで殺っちゃうのが惜しいと思ったから引いたのだろうか?真偽は不明だが取り敢えず合格したのはクラピカだった。

その後順番に試験が進んでいきハンゾーが勝ちヒソカが勝ちポックルが勝ちそして運命の対戦カードが組まれた。キルアvsギタラクルだ。

ギタラクルは試合が始まると針を全て外し正体を現す。そこには瞳になんの輝きも写さないゾルディック家長男イルミの姿があった。

原作通りゴンと友達になりたいというキルアにイルミはじゃあゴンを殺すという。その言葉にレオリオを初めとしたゴンの親しい面々がドアの前を立ち塞ぐ。これ私も参加した方がいいのかな。どうせ戦闘にならないしいいか。好感度はないよりあった方がいいと思うので私もドアの前に立つ。もし原作変わって戦闘になったら全力で逃げます。自分の命の方が大切なので。

原作通りキルアは降参し脱け殻同然になった。クラピカやレオリオが声をかけるも反応はない。そして次の試合、レオリオとポドロフの試合にキルアが乱入しポドロフを殺すと去っていった。ハンター試験は終わったのだ。

なんとも後味の悪い終わり方だったが原作通りなので仕方ない。キルアにも救いはあるので大丈夫だろう。そして私はついにハンターライセンスを手に入れた。

やったぞー!ひゃっはー!これでハンター界にいる間は衣食住に困らないぜぐふふ。今まで身分証すら持っていなくて苦労したけどこれから薔薇色の生活が始まるんですね!なにしよう。取り敢えずなんのフラグも立たないだろう穏やかな地で隠居生活始めたいです。

講習が終わりヒソカにちょっかいかけられる前にさっさと去ろうと思ったらゴンたちに話しかけられた。ハンター試験中は色々あったが最後に挨拶くらいしといても罰はあたるまい。やあやあゴン。君に会うのもこれが最後だと思うとちょっと寂しいよ。まあこれから色々あると思うけど頑張ってね!ピトー倒してね!



「あ、いたいたナマエ!もう探したよ!どこ行ってたの?」


「どこって、せっかくライセンス手に入れたんだから電脳ページめくってたんだよ。ちょっと調べたいことあったし」



今まで何してたといえば電脳ページ見てましたというのが答えです。電脳ページって元の世界でいえばインターネットみたいなものだ。色々調べられて便利です。因みに調べていたのは安全な土地がどこかということです。だってそれ知らないとこれからどこにいけばいいのかわからないもん。下手にぶらぶらして危険地帯には行きたくない。生活が落ち着いたら元の世界の戻りかたとかも調べてみよう。さすがにそんなものが載っている気はしないけど。



「そうなんだ」


「お、いたいたナマエ。準備はできたか?」


「チケットはすでに取ってある。こちらの準備もできている」



ゴンの少し後ろからレオリオとクラピカも現れる。主要メンバー勢揃いですね。最後に顔見れてよかったよと言おうとしただが二人の不穏なセリフにピタリも口が止まる。

え、準備ってなに?チケットってなに?君たちがこれからキルアのところ行くのは知ってるけどちょっと待って。なんで私もメンバーに入ってるんですか?おかしくない?いやいや、私君たちほどキルア少年と仲良くないよ!暗殺一家の本家に行くほど気合い入ってないよ!あそこにも死亡フラグわんさかあるし全くもっていきたくないんだけど?ちょっと待ってください。なんでそんなことになったの?



「よしじゃあキルアを会いに行くよ!」


「おうよ!あの感じわりい兄貴のところから連れ出してやろうぜ!」


「これも何かの縁だ。付き合おう」


「え、あの、ちょっと、」



こうして逃げるタイミングを失った私はゴンに手を引かれキルアに会うため飛行船に乗せられた。本当にどうしてこうなってしまったのだろう。ハンター試験は終わったというのに未だ私は原作から抜けられない。まあキルア編まではそんなに問題はないけど蜘蛛とか虫とかは絶対に付き合わないからね!戦闘系は参加しないからな!ああ、いつになったら平穏な日々は戻ってくるのだろう。


私の異世界旅行はまだまだ終わらない。


ーendー

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