少女A(その他)

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飛行船に乗せられ向かった先は三次選考の会場トリックタワーだ。72時間以内に下まで降りることが合格の条件で中には様々な犯罪者が行く手を阻む。囚人たちは受験生の持ち地間を削っただけ刑期が減るのだから向こうも必死だ。そんなわけで三次選考が始まってしまったわけなのだが、



「…いけるよな」



私はじっと塔のはじっこに立ち下を覗きこむ。地面は見えないけどいけるはずだ。だって私は風人間だもの。絶対できる。やればいける。私はできる子だ。

試験官はただ地上に降りろといった。外壁を伝うのは普通に考えれば無謀なことなのだが能力者である私にはなんの問題もない。だって私は飛べるのだ。ならばここから一歩踏み出せばいい。

ちらりと後ろを見るとまだ多くの受験生がそこにいた。その中にはゴンやキルアもいる。私は原作を知っている。ゴンやキルア達とパーティーを組めば労さず試験に合格できることもわかってる。だがいい加減私は奴らと縁を切るべきなのだ。主人公組のトラブル多さは知っているだろ?よし、覚悟を決めろ。1,2,3ダー!!

そのまま搭のヘリから飛び降りヒモなしバンジージャンプに挑戦する。餌が落ちてきたと怪鳥たちが勘違いしたらしく私に向かってやって来たがサクッと風弾を打って牽制し追い払う。まあ別にどうやっても風人間の私を食べることなんてできないのだがビジュアル的に嫌なので怪鳥たちは近づけない。誰だって鳥の口の中にダイブするのは嫌だろ?

そのままするする落ちてって地面になる瞬間風になり激突をさけ、そしてゆっくり地面に降りる。

さあさあ!これで下まで降りてこれたぞ!これで合格だよね?これで試験終わりだよね?トリックタワーの中を通らないといけないとは聞いてないからな!これは大丈夫なはず、、…もう一度登ってやっぱり中通ってきなさいとかいわないよね?なんか森の中から奇声が聞こえてくるし早く中に入れてくれませんか?わー!誰かあけてくれー!!

と叫んだ瞬間ギィと壁の一部が開いた。お?と思いながら中に入るとそこにはだだっ広い空間があった。恐る恐るあたりを見渡すとアナウンスが流れた。機械音で聞きにくい。



「100番ナマエ・ミョウジ。3次試験第一号合格者所要時間12分」


それだけいうとぶつんとアナウンスは途切れた。終わったのだ。私は試験に合格したのだ。

・・よっしゃー!受かったぞ!この3次試験を合格すれば残りの試験は2つしかない。最終試験は何もしなくとも受かるだろうし実質試験はあと一つだけだ。ふふふ、これはもういけちゃうよ。私ハンターになれちゃうよ。ライセンス取ったら売り飛ばして残りの余生を幸せに生きます。ハンターハンターの世界で何不自由なく戦いもない平穏な日常を送れるだけの資金を手に入れて静かに生きます。暗殺集団とも盗賊団とも肉食昆虫ともかかわらないからな!絶対だからな!

ふーと息を吐きその場に座り込む。別に飛行船で寝てばかりだったから疲れてるわけではないけど立ってるものめんどいし腰を降ろす。4次選考か。まあ頑張ろう

そしてその場に座り込むこと6時間、私は暇だった。おい。

え、なんでここなんにもないの?合格者の部屋なんだからテレビなりゲームなり本なり置いといてくれよ!というかちょっと待て。確かこの3次試験の制限時間72時間だったよな?あと66時間も何をしてろと?恐ろしく暇なんだけど。まさかの敵がここにいました。退屈で死にそうです。何か暇をつぶせるものをください。マンガがいいです。あ、ダメだ。この世界の文字読めないわ。もう誰でもいいから助けてくれ。

と思った瞬間ゴゴゴと音がしてドアが開いた。どうやらほかの合格者がやってきたらしい。おお!もう誰でもいいよ!貴方を待っていたの!ホント暇なんです。お話でもどうですか?

開いたドアに駆け寄る。どちらかというと人見知りのナマエちゃんだけど自分の欲望のためなら他人にかかわれます。さてさて誰なのかな?できれば女の子がいいな。ポンズさんとかいない?

わくわくと期待しながら待っていると赤い髪に奇抜なファッションの服を着た男が出てきてピキリと頬が引きつる。ああ、なんで忘れてたんだろ。そりゃ第一合格者はこいつに決まってるよ。今ゴン達とどうして多数決の道に進まなかったのか本気で後悔している。相手は私をみるとニィと口元を吊りあげた。ダメだ完全に死んだ。そいつを見ると私の身体は恐怖でガタガタ震えだす。そこに立っていたのは死神だ。



「やあ、また会ったね♢」



笑顔のヒソカをみて私は死亡フラグが立ったことを実感した。


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