成り代わり(ブック)

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「貴方がクロコダイルね。よろしくサー」


ロビンちゅわんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!

探しはじめて数年、ついに俺はロビンを見つけることができた。

正確には見つけたんじゃなくて俺がポーネグリフの情報持ってること流して向こうから出向いてもらったんだけどね。流石世界政府から十数年逃げた女性だ。てかバロックワークスまで立ち上げたのに見付けれない俺が情けない。


「こちらこそよろしくニコ・ロビン。それで君を探した理由なんだけど君に是非とも俺の経営してるの組織バロックワークスの秘書をして欲しいんだ」


「秘書仕事をやらせるためだけに私を探したの?それだけでいいのなら他の人でもよかったんじゃないかしら?」


「それなりに実力があって仕事をしっかりできる人ってあまりいないんだ。見返りにポーネグリフを探すの手伝うよ。どうかな?」


やはりバロックワークスの秘書はロビンにやって欲しい。“原作”知識あるせいか他の人がやってもしっくりこないんだよね。あとやっぱりロビンが有能だからってもの理由の一つだ。

画面ごしにしか知らなかったけどロビンはやっぱり素敵な女性だ。博識で優秀で確固たる信念を持って生きてる。昔から俺の気持ちは変わらない。できる限りロビンのことを助けてやりたい。

知識のおかげで俺はポーネグリフがどこにあるかも知ってる。大いにロビンの手助けをすることができるだろう。

俺の言葉を聞いてロビンは少し考える素振りを見せたがすぐに頷いた。



「ええ、わかったわ。貴方のもとで秘書をやらていただくわ」


「そうか。それはよかった。じゃあ取り敢えず今日は長い航海で疲れただろうし部屋を用意したから休んでくれ。業務については明日説明するよ」


「ありがとう。ではお言葉に甘えて休ませいただくわ」



俺は部下を呼びロビンを部屋に案内させた。

去っていくロビンの背中を見ながら俺は結構うかれてた。

だってあのロビンに会えてあまつさえ秘書になってもらったんだ。前世からのファンだったから感動が大きい。あと美人秘書がいるってのもテンションあがります。

さて、じゃあロビンをポーネグリフの所に連れてってあげないと行けないんだけどどうしよう。

俺の知識で覚えているのは空島と魚人島にあることだけだ。

空島は空に行くための海流と空島が重なる周期がわからんし魚人島はここからかなり遠い。どっち行くにしても大変だ。

あと俺がここでロビンと空島や魚人島行くのってかなりの“原作”改変なんだよね。でも俺の存在自体がもうおかしいからいいよね、変えちゃっても。正直俺が“原作”に気を使う必要なんてないと思ってんので好きにさせていただく。なんかマズイことになったらすまん。

そう言えばふとロビンにポーネグリフについて何も話してないことに気付いた。これって報酬について話してないことと同じだよね?これは酷い

今から行って説明しようか。ついでに空島と魚人島どっち行きたいか聞いてみよう。どちらもすぐには行けそうにないけどなるべく早く準備はします。










ロビンの部屋の前まで来てノックしようとしたら途端中なら啜り泣く声が聞こえてきた。
俺は思わずドアに耳をくっ付けて中の様子を探ってしまった。人として最低ですね。気が動転してたんです。許してくれ

そして途切れ途切れにロビンの声が聞こえてきた。


「どうして、歴史を知ることがいけないの」


絞り出すようにそう言うと押し殺した泣き声が聞こえてきた。

俺はその場を離れた。俺の考えはなんて安直だったんだろう。

ポーネグリフを見せればロビンは喜ぶと思っていた。でもロビンの闇は俺の想像以上に深い。

ロビンは歴史を知ったことのせいで故郷と家族を失ったのだ。

安易な気持ちで彼女を救おうなんて考えてはいけない。

本気で彼女を救うにはどうしたらいいのだろう。空島や魚人島に行ったところで付け焼き刃でしかない。原作で彼女の望みはそれだけでは満たされなかったのだから。

ならばどうするべきか。

ロビンの敵は政府だ。ロビンを助けるには政府と戦うことだ。今の俺にそこまでの力はない。どうしよう。

ふと俺はあいつのことを思い出した。俺より残酷で狡猾で強かだったあいつはロビンを手中に納めて何を望んだ?

自分の中で暗い感情が巡るのを感じた。

力があればいいのだ。政府を揺るがすほどの力が。そのために必要なのは


自分の国だ


一海賊では限界がある。だが国ならば軍事力政治力を備え政府に対抗できる。

多分俺はロビンのことが好きなんだと思う。何年も探したり今も涙を流す彼女を見るだけで胸が張り裂けそうになる。

彼女のためならなんだってできる。あの涙を拭えるのならなんだってする。

そうなんだってできる、例えば国を滅ぼすことさえも

どれだけの人が死のうとも構わない。ただ1人が笑ってくれるのなら俺は全てを奪おう


ああ、どうやら世界は須く廻るらしい


〜彼が狂った日〜


(彼は1つの国を滅ぼすことを決めた)


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