series(ブック)
□1
1ページ/1ページ
私はサカズキ大将が大好きだ。
かっこよくて渋くて自分にも他人任せにも厳しくて強面なくせに胸に薔薇とか差しちゃってる姿とかもう好きすぎて死にそう。
サカズキ大将格好いいぃぃぃー!素敵ー!抱いてー!
そんな私はマリージョアに住む平凡な一市民だったのだがあまりにサカズキ大将が好きすぎるため海軍に入隊し愛と根性でシビアな出世争いを勝ち上がり見事サカズキ大将の副官の座を手に入れたのだ!いえーい!
副官の最終面接で『(サカズキ大将のお心を占める)海賊が許せないので駆逐するのが私の野望です!』と言ったのが気に入られたらしい。
女じゃが肝が据わっとると褒められた。実は邪念しかないけど。まあバレなきゃ問題ないよね!
副官になってからはあまりの多忙さに寝る時間もないほどだったがサカズキ大将の側にいれるなら何の問題もない。むしろ24時間サカズキ大将の側にいれるなんて!割りと幸せな毎日です。
後は公だけでなく私生活も一緒にいたいから誘惑して嫁の座を勝ち取るだけだぜ!とちまちま弁当作って女子力アピってみたりサカズキさん、飲みに行きませんか?とお持ち帰りコース狙ってみたりと色々仕掛けてみるのだがいかせん、まじサカズキさん忙しい。
弁当作っても食べる時間もないほど書類仕事に追われていたり食事の約束しても海賊が現れたりとかでしょっちゅうキャンセルされる。アタックする暇がねえ
海賊に邪魔された時は私も出動して海賊をフルボッコにする。別名八つ当たりボンバー
『すまんの。約束を破った上休日出勤までさせてしもうて』
『いえいえ、サカズキ大将は何も悪くありません!悪いのはこのゴミクズどもです!ゴラァ!てめぇらのせいでもう8回もサカズキ大将とのお食事が中止されてんだぞ!?どうしてくれるんじゃボケがぁ!!』
休日出勤はその分サカズキ大将と一緒にいれるから嫌ではないが私は公私の『私』の部分も一緒にいたいんだよ!
せっかくサカズキ大将と休日一緒に過ごそうと盆栽の勉強もしてるのに。この間なんてゴジラの形の盆栽作ったんだぜ?凄くない?
とにかくサカズキ大将に構われたいんだがサカズキ大将は鬼のように忙しい。海賊ってなんであんなにポコポコうまれるんだろ?ボウフラのような奴等だなホント
どうすればもっとサカズキ大将に目を向けてもらえるのか悩んで悩んでふと私は思い付いた。
そうだ海賊になればいい
サカズキ大将のあの性格だと自分の部下から海賊が出たら意地でも捕まえようと躍起になって追いかけてくるだろう。
つまり私だけを見てくれる。これ完璧じゃね?
そうと決まれば速攻で辞表を出し海賊旗を掲げて海へ出る。この海賊旗サカズキ大将をイメージしてるんだ。愛を感じるだろ?
そういえばドレーク少将も海軍やめて海賊になったらしい。流行ってるのか?いかんいかん。これではサカズキ大将が私だけを追って来てくれないではないか!
元部下という肩書きだけではサカズキ大将が追いかけてきてくれるか不安なので名も上げとくことにする。
億超えたらサカズキ大将も徹底的に私を追い掛けてくれるよね?
というわけで名をあげるために億超えの海賊を刈りまくった。やっぱり名のある海賊を刈るのが一番手っ取り早く賞金上がるよね! え?市民に攻撃したらすぐに賞金上がるって?そんな非道なことできるわけないじゃん!
努力のかいあってかサカズキ大将は私を追いかけてきてくれるようになった。
「ナマエ、何故お前がこのようなことをしたんだ」
「うっひょー!遂にサカズキ大将が追いかけてきてくれたぞー!!イヤッフー!サカズキ大将愛してまーす!!」
「せめてお前さんはわしの手で捕まえる。覚悟せいナマエ」
「私のハートならもうとっくに捕まえてるくせにサカズキ大将のいけずぅ」
なんて噛み合わない会話をしてるとマグマが飛んで来たので全力で逃げる。ヤバいサカズキ大将ガチではないですか!マグマグされてしまう
私は幸せだ。世界で一番大好きな人か私だけを追って来てくれるのだ。これ以上の幸せなんかない。
いつか私はサカズキ大将に捕まってしまうのだろうがその時は是非とも殺してもらいたい。
獄中で一生サカズキ大将に会えなくなるならその手にかけてもらいたい。
そしたら少なくても忘れられないでしょ?
でも今はまだこの幸せを噛み締めてたいので全力で逃げる。
好きな人に思ってもらえる、私は世界一の幸福者です
〜幸福論者の戯れ言〜
(愛ゆえの行為です)
→2