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□ルーシィの本心キノコ
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「はい、ルーシィ」
「ありがとうございます、ミラさん」

新作のサンドウィッチを受け取って試食したあとは記憶が曖昧で、いつどうやって自分の部屋に帰ってきたのかよく覚えていないーー。
そう、後に彼女は語った。







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西日が差したアパートの壁に一本の影が伸びる。
その影が両手に粘着性の炎を纏って窓を見上げた。

目指すは愛しいあいつの部屋。

緩む頬を拳でほぐしてから、ひょいひょい慣れた手付きでよじ登る。
あと少しで窓枠に手が届くーーと思った瞬間、突然そこが開いて勢い良く金髪が顔を出した。

「ナツっ!!」
「ぉわっ!…とと。…ルーシィ?」

いきなり現れたルーシィにナツが目を丸くしているとガシッ、と腕を掴まれて身体が部屋へと引きずり込まれる。
そのまま軽く放物線を描くようにしてソファまでふっ飛ばされたかと思えば、駆け寄ってきたルーシィにぎゅっと抱きすくめられてしまった。








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