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□ルーシィのマフラー
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「そろそろ降ろしてあげれば?」

みんな、時間が止まったみたいに見てるよ。

「なんで?」
「なんでそこで聞き返すの?!」

ギルドに入っても何故かナツはルーシィを抱っこしたままだ。
状況についていけてないんだよ。
ルーシィ茹でダコみたいになってるよ?

カウンターの前まで歩いて行くとピタッと止まったナツは、そのままクルリとみんなのほうを向いて一斉に注目を集めてる。

「おーいナツー!お前たち揃いの格好して何する気だー?」

マカオだ。

「おー!今からみんなに報告だ!」

え!もしかしてさっき言ってた、そのうち分かる…っていうあれのこと?

ワクワクしながら見上げていると、一度目を閉じてからナツが笑顔になった。
次の瞬間ーー

「俺たち、付き合うことになった!」

…………。
…………は?

「ちょっ?!あんた何言ってんのっ?!」

…………あれ?

「あ?だから付き合うことになったって。みんなに報告」
「誰と誰がっ?!」
「俺とルーシィがだろ?お前こそ何言ってんだよ?」
「はあ?!いいいつからっ!?っていうか、あ、あああたしっ、そんなこと聞いてないっ!」

……なんか…かみ合ってない?
…よね?

「勘違いかー?」
「甚だしいぞーナツー」
「痴話喧嘩なら外でやれー」

どっとギルドが湧いて、次々に野次が飛んでくる。
そうなるよね。

「ナツ。オイラも聞いてないよ」

あ、火吹きそう。
ガジルそこ危ないよ。

「うっせぇぇえええ!!ちょっとみんな黙ってろ!!」

あーあ。
あとでレビィにでも新しい鉄出してもらいなよ。
待って待って顔怖いから!
こっち来ないで!
今いいところなんだ!

「おいルーシィ!!さっきちゃんと言っただろーが!!」
「何をよ?!さっきっていつ?!てか真上で叫ばないでよ!!」
「だからっ!俺がマフラーを貸すのはこの世でお前だけだって…部屋出る時言ったろ!!ルーシィだって嬉しそうにしてたじゃねーか!」

ああ。
そんなこと言ってたんだ。
これは面白い展開になってきたね。
とりあえずガジル、座りなよ。

「あれって…そういう意味だったの?!」
「は?」

なるほど。
そうだね。
“マフラーを貸すのはお前だけ=付き合う”にはならないよナツ。
さすがにオイラもルーシィに同感。

「そーとしか聞こえねえだろ!」
「どこがよ!?…ま、まあ確かに、う、嬉しかったけど……でもこういうのはちゃんと別の言葉で言ってくれなきゃ分かんないわよ!」

わぁ!ほらほら!
面白くなってきました!
くふふ。
みんなも固唾を飲んでって感じだね。

ダンッとナツがテーブルに片足を乗り上げた。

「っしゃあ!分かった!」
「へ?」

これは!
もっと良く見える位置に行かなきゃ!
あそこなら真ん前だ!

「レビィ!」
「ハッピー!なんかすごいことになってるね」
「くふふ。レビィのおかげで面白展開です!」
「面白展開って…。でもルーちゃん早速着てくれたんだね」
「ギルドに見せに行こうって言ったら、ナツがあのまま持ってきちゃったんだ」
「え?!もしかしてルーちゃんちから?!」
「ギヒッ。じゃあ、街ん中あれで走って来たのかよ」
「あい。ナツですから」

レビィといると機嫌いいね。

お!って言う誰かの声がして見るとナツがテーブルの上に乗って目一杯息を吸い込む所だった。









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