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□ルーシィのマフラー
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風に乗るオイラと、その横を走るナツ。
青い空の下、活気で溢れるマグノリアの街並を颯爽と駆け抜けて行く。

翼でついて行きながらオイラはナツに聞いてみた。

「ナツ、さっきルーシィになんて言ったの?」
「さっき?さっき…。ああ!」

うんうん。
思い出してくれた?
オイラずっと気になってたーー

「腹減ったから一緒にファイアパスタ食おうぜって」
「…ん?」
「そこまであんたになりきれないわよ」
「だ…」
「ルーシィだったらできる」
「できないわよ!」

…えーと。ちょっと待って…。
それ…いつの話?
もしかしてさっきオイラがお魚屋さんの前でよそ見してた時?
それなら知らなくて当然だけどさ。

そんな……できるできないで、二人してヒートアップしないでよ。
ルーシィ、そんなにナツのほっぺ引っぱったら火が出てくるよ?

「あー…そうじゃなくて、部屋の窓から出る時なんか言ってたでしょ?」
「まろぉ?」

そう窓だよ!

「ああ、あれか」

今度こそ思い出してくれた?

「そのうち分かる」

…なに、その含みのある言い方?
いつからそんな芸当できるようになったの?
オイラ驚愕だよ!

「へー楽しみだなー」
「なんで棒読みなんだよ」

うーん。
あの時二人とも赤くなってたから、絶対ルーシィが照れちゃうようなことでも言ったんだと思ったんだけどな。
そのうちって…。
ナツ、なにする気なんだろう。

「ねえ、あたしずっとこのままなの?」

ルーシィまだ言ってるの?

「今のナツにルーシィを降ろすって頭はないよ」
「…はぁ」

自分の首に巻かれたマフラーの端をキュッと握ったルーシィはあれからもずっとナツに抱っこされてる。
お姫様抱っこ。

「だってお前恥ずかしんだろ?こーして行きゃあ早く着くってさっきっから何回も言ってるだろ」
「うぅ…、だからってこんな格好で…」

最初のうちは降ろしてーって暴れたり、暴れたり…暴れてたりしたけど、それももう諦めたのか今はおとなしくされるがままだ。

あ、顔隠した。

そりゃあ恥かしいよね。
すごい注目されてるし。
こんな人が大勢いる中をそんな格好で走ってるんだから。

オイラがくふふって笑った時、ナツのスピードが上がった。
多分恥ずかしがるルーシィのために。
今、チラッとルーシィのこと見たのオイラも見ちゃったよ。

よかったねルーシィ。
ナツの全速力で早く着くよ。
ほら、もうすぐギルドだ。
この二人を見たら…みんなどんな反応するかな?









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