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□三度目の、正直。
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一度目はかみ合わなかった。
二度目は殴られた。
……なあ、いるなら神様よぉ。
そろそろ、三度目の正直があってもいい頃なんじゃねえの?
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俺の中で漠然としていたルーシィに対しての考え方が“ルーシィはルーシィ”からはっきりと“ルーシィは好きな奴”に気付いてから何日か過ぎたある日。
俺はとうとうルーシィに告白した。
隠しておくなんて我慢が苦手な俺には難しいことだったし、自惚れてる訳じゃねえけど、なんとなく自信があったんだ。
ルーシィなら受け止めてくれるって。
受け止めて、同じ形で返してくれるんじゃねえかって。
ーーでも現実は、俺の予想を遥か斜め上に裏切った…。
一度目。
いつも通り侵入した部屋。
いつもより少しだけ緊張しながら「好きだ」と伝えた俺の一世一代の告白。
いくら鈍感なルーシィでもこれだけ直球ならわかるだろう。
そう、思って言ったのに。
「え?…ああ。あたしも好きよ?だってあたしたち、仲間で家族だもんね」
「………は?」
返ってきたのは微妙にずれた返答だった。
しかも。
「ねえ、そんなことより。さっき冷凍庫開けたら青い天馬の一夜さんの顔を象った氷像が入ってたんだけど…あれ、ナツがやったのよね?」
「げっ」
…すっかり忘れてた。
なんつー最悪のタイミング。
俺とハッピーで前の日に仕掛けておいた悪戯。
それがバレて説教と、一夜氷の後片付けがおまけで付いてきた。
おかげでその日はーー
「ちゃんと片付けてから帰ってよね」
「やっ、あの…ちょっと待っ」
「なに?なんか文句でもあるの?」
「…いあ、ないっす」
告白どころじゃなくなるという結果に終わった。