ピンクのバラに捧ぐ赤い薔薇

□埋め合わせ
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「はぁ……」


とある休日。

紫苑は先日金田一たちと共に巻き込まれた事件についての手続きをしに警察署に来ていた。

長々とした手続きを終えて、警察署を出た紫苑は、まだお昼前であるにもかかわらず1日分の疲労を感じている。


(やっぱり、あれは何回やっても慣れないな……慣れていい物でもないだろうけど)


再び紫苑はため息をつく。

穏やかないい天気に対して、紫苑の気分はどんよりとしていた。


(まあ、今日は特に用事もないし、家に帰ってゆっくり休もう…………え?)


視線を上げた紫苑は前に立っている男を見て絶句した。

黒いスーツを着たその男は、黒い高級車の傍らに立ち、紫苑を見てにこりと笑った。



 
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