妄想(?)

□玉座と人形
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〜ぴよ玉座とうさぎテイル〜

とあるところにお金持ちのお坊ちゃんがおりました。
その青年の名前はピオと申します。
勉強に運動、女性の扱い…どんなことも簡単にできてしまう青年でしたが、そのどれにも興味を示しませんでした。あらゆる事柄に無関心だったのです。

そんなピオですが、最近は興味を持ち1日のほとんどをそれと共に過ごすというものがあります。
これまでの人生でこんなに人に興味を持ち、守ってやりたいと思ったのは初めてでした。
青年はその人に恋をしたのです。

ピオは帰宅すると真っ先にその人の部屋へと向かいます。
ノックしても返事がなかったので、ゆっくりと扉をあけました。
あぁ、返事がないわけです。その人はお気に入りのピンクのうさぎを抱きしめたまま昼寝をしていました。

「ただいま…」
ピオはベッドに腰掛け、その人の髪を撫でながらつぶやきます。
すると、髪を撫でられたのがくすぐったかったのか夢の中だった人物は目を覚ましました。
「ぅん…あ、おかえり、じふな」
寝起きの目を小さな手でこすり、ふんわりと微笑む姿を見たピオは
「ただいま、テイリヒョン」
と満面の笑みで答えるのでした。

そう、ピオの思い人は男。しかも年上の男の人だったのです。
名前はテイル。膝小僧の見えるハーフパンツをはき、少し大きめのシャツを着ていて、黒の丸眼鏡がよく似合う子です。

まだ意識が覚醒していないテイルでしたが、ピオとの久しぶりの再会を喜びます。

「ジフン、今日でテスト終わりだよね」
「うん。ここのところテスト勉強ばかりで、テイリヒョンに触れられなくて寂しかった」
ピオは高校三年生で、テストがとても大事であると思ったテイルはピオに気を使って部屋にこもっていたのです。
「僕もだよ。今日は一緒にいてね…晩御飯も寝るときも」
といいながら頬を赤く染めて見上げるテイルはとても可愛く、ピオは同じく顔を赤くして頷きます。
「…ヒョン、そろそろ晩御飯いこっか」
「うん!寝てたらお腹がすいたんだ」

その後晩御飯を食べ、先にシャワーを浴びたピオはモノトーンで統一された自室には少し不似合いな大きな玉座に座ってくつろいでいました。
彼の大好きな祖父が生前愛用していたもので、亡くなった後親族の勧めでピオが引き取ったのです。
ふわふわとしたクッション、ピオの大きな背中を覆ってくれる背もたれ、祖父の遺品とあり、とても気に入っていいました。

心地よい玉座と風呂上がりで高くなっている体温のせいでついウトウトしているところに、お風呂から上がったテイルが部屋を訪れました。
「じふん?入るよー」
「ぁ…テイリヒョン」
「またそこで寝かけてたでしょー、そんなとこで寝たら風邪ひくよ?」
そう言いながらピオの膝の上に向かい合った状態で跨り、青年の大きな背中に腕をまわした状態でその胸へと頬ずりします。
「ジフンあったかい〜…きもちいい」
「ヒョンのほうがあったかい。湯たんぽみたい(笑)」
「ヒョンを湯たんぽ扱いするの?生意気な弟だね…」
テイルは背中にまわした腕をはずし、ピオの頬を撫でます。

さっきまでと少し雰囲気の変わった部屋は、2人を積極的にさせるのには十分な甘さでした。


このあとピオはテイルちゃんをベッドに姫抱っこで運びます。
そっからはわかるよねー、疲れたから脳内で補ってね。

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