ポケモン!


□悪夢の最中
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「ん…こ、ここは…?」

ヨノワールは、夢の中にいた。
それはけしていい夢とは言えないものだった。

辺りに漂う黒い気。それはゴーストタイプである彼にとっても不快に思える。
何と言うか、こう………絡み付くような。

ふと誰かの気配を感じる。

そこには、影のようなポケモンらしきものが浮かんでいた。

「…お前、は?」
「私は…ダークライ。お前に悪夢を見せている」

姿がハッキリしてきた。

人間に近い姿のそれ―――ダークライは、ヨノワールに近付いてきた。
ヨノワールは思わず後ずさる。
ダークライは悲しげに呟く。

「ドウシテ…?」

静かに響いたその声は、ヨノワールの頭に反響する。
その言葉の理由を理解するのには、さほど時間はかからなかった。

「す、すまない………」

そっと近くに寄った。すると、ダークライは彼の手を自らの手で優しく包み込み、嬉しそうに彼を見上げる。

「あったかい」
「…………は?」

ダークライが舌足らずに言ったことに、首を傾げる。

「何が言いたい」
「ヨノワール………あったかい………」

まるで幼子のように――幼子かもしれないが――彼にすがりつく。
その目の輝きは、乙女そのものだった。

それにしても。

彼女(ということにしておこう)は一体、何故ヨノワールの夢にいるのか。
何故彼に対して友好的なのか。

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