サンジさんラブ(長編)

□サンジさんを追いかけて
2ページ/55ページ



『サンジさんを追いかけて』





私の名前はアリス。
一人で船旅をしている。
目的は、大好きな彼に会う為。

「ん?あの船は…。」

掲げられている旗のマークを見てドキッとした。
もしやあの船は探している彼の乗った船!?

「すみませーん!!」

大きな声で呼びかけてみると、船から見たことのない顔がのぞき、偉そうにたずねてきた。

男「あーん!?誰だ、お前?」

お前こそ誰だよと思ったが、一応下手に出て
おこう。

「アリスと申します。
 麦わら海賊団の船でお間違いありません
 か?」

男「この海賊旗が見えねえのかっ!!
  麦わら海賊団様だよっ!!何か用か?
  それとも賞金稼ぎか!?あぁ?」

感じ悪っ。
オーナーゼフの話してたイメージとは
全然違うけど。

「いえ…賞金稼ぎではありません。
 麦わら海賊団に入れていただきたいの
 ですが、ルフィ船長はいらっしゃいます
 か?」

男「なんだ入団希望か!ひゃーはっは!
  俺達は有名な麦わら海賊団だからなぁ!
  おーい、船長!入団希望だってよ!
  なかなかの女だぜー!?」

ルフィ船長?「なに?女の入団希望者だと?」

「初めまして。アリスと申します。
 麦わら海賊団に入れていただきたいの
 ですが……あなたがルフィ船長?」

ルフィ船長?「あぁ、俺様が麦わらのルフィ
     だぜ!?」

私が持っている手配書の写真とは似ても似つかない。
またニセモノか。

「そう…ですか。
 ところで黒足のサンジさんはいらっしゃい
 ますか?
 手配書があんななのでぜひ一目お会い
 したいのですが。」

ルフィ船長?「黒足のサンジならさっきお前が
     話してた男だぜ。」

あんな感じの悪い男がサンジさんですって?
バカにするのもいい加減にしてほしい。

「はぁ、船長さん。
 あの、私さっき嘘をついてしまいました。
 すみません。
 でもあなたも嘘…ついてますよね?」

私はルフィ船長と名乗る男を睨みつけた。

ルフィ船長?「嘘…だと?」

「えぇ。あなた達は麦わら海賊団ではないし、
 あなたは麦わらのルフィではない。
 さっきの男ももちろんサンジさんでは
 ない。」

麦わら海賊団と名乗る船の乗組員数人が
ざわめいた。
騙されていたのだろう。

「そして私の嘘は、賞金稼ぎではないと言ったこと。
 私はニセ麦わら海賊団専門の賞金稼ぎよ!」

そう言いながら私は戦闘準備をした。
私の能力は自然の力を借りることができる。
能力と言っても悪魔の実を食べたわけけではなく、生まれつきなのだ。

「雷様、お願い!」

私はつぶやきながら手をのばし、空をなぞる
ように雷雲を集めた。
そしてニセ麦わら海賊団に雷を落とすべく、
指を振り下ろした。

「えいっ!!」

バリバリと雷鳴を轟かせ、ニセ麦わら海賊団員達はしびれてのびている。
私はトドメをさすために腕を振り回した。

「風さん、チカラを貸して!」

そしてニセ麦わら海賊団の船を押すように
手の平を突き出し、突風で吹き飛ばした。

「さよなら。名前も知らない海賊団。
 あんなブサイク、サンジさんの足元にも
 及ばないわ。」

そこへ海軍がやってきた。
いくつものニセ麦わら海賊団を潰してきた私の後をついてきたのか、それとも今の海賊団を狙っていたのか、たまたまそばにいただけなのか、私にはわからないが。

「早く本物の素敵なサンジさんに会いたい」

私はオーナーゼフからもらった、幼い頃の
サンジさんの写真を眺めた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ