サンジさんラブ(短編)

□リテイク
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【リテイク】





測量室 兼 図書室から本を一冊選んだ私。
部屋を出ると騒がしい声の中に、愛しい人の声が聞こえた。

サンジ「あ、ウソップてめぇーズルイぞ!」

ウソップ「へへーん!おれ様に勝てるもんか!」

(何してるんだろう?)

芝生でできた甲板を見下ろすと、
ルフィ、チョッパー、フランキー、ブルックが見守る中、サンジくんとウソップが何かを争っていた。

サンジ「ぃよっしゃー!おれの勝ちだ!!
   これは貰っていくぜ!
   …って、んおっ!?アリスちゃん♡」

ウソップから花のような物を奪い、サンジくんがこちらへ飛んでくる。

サンジ「アリスちゅわーん♡はい、これ!」

「えっ!?わ、綺麗!!」

サンジくんは先程ウソップから勝ち取った物を含めた、花束を私に向けて微笑んでいる。

「ありがとう!!」

サンジ「へへへっ!アリスちゃん、
   おれと付き合って!」

「えっ!!?」

サンジくんは相変わらずへらへら笑っている。

「えーっと……お花、ありがと!!」

サンジ「アリスちゃん♡君が好きだ!!」

ウソップ「おい、アリス!!
   それ、サンジは本気で言ってるからな」

「えぇっ!!?」

だけどサンジくんは普段通りへらへらしていて、本気に見えない。

私もサンジくんが好き。大っ好き!!
サンジくんももしかしたらって思ったこともある。

だけど…

「本当に私のこと好きなの?」

サンジ「うん♡」

屈託のない満面の笑みに胸がドクンと跳ねる。けど…

「じゃあ…リテイク!!」

サンジ「…え?」

ルフィ「リテイク??」

ブルック「よほほほほ。アリスさんキビシー!」

チョッパー「リテイクって、やり直しってこと
    か?」

フランキー「おい、アリス!そりゃねーだろ!?」

ゾロは昼寝中だけど、男全員に睨まれながらも、私は反論を続けた。

「お花は嬉しかった。ありがとう。
 だけど、こんな見せ物みたいな状態で、
 本気かどうかもわからない態度で告白
 されても、私の心に届かないよ。」

サンジくんは笑顔が張り付いたまま硬直している。

「サンジくん、もし本気ならやり直して下さい!」

男クルー達から猛バッシングをくらいながら、涙を必死に堪えて女部屋へと向かった。
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