サンジさんラブ(短編)
□リテイク
1ページ/7ページ
【リテイク】
測量室 兼 図書室から本を一冊選んだ私。
部屋を出ると騒がしい声の中に、愛しい人の声が聞こえた。
サンジ「あ、ウソップてめぇーズルイぞ!」
ウソップ「へへーん!おれ様に勝てるもんか!」
(何してるんだろう?)
芝生でできた甲板を見下ろすと、
ルフィ、チョッパー、フランキー、ブルックが見守る中、サンジくんとウソップが何かを争っていた。
サンジ「ぃよっしゃー!おれの勝ちだ!!
これは貰っていくぜ!
…って、んおっ!?アリスちゃん♡」
ウソップから花のような物を奪い、サンジくんがこちらへ飛んでくる。
サンジ「アリスちゅわーん♡はい、これ!」
「えっ!?わ、綺麗!!」
サンジくんは先程ウソップから勝ち取った物を含めた、花束を私に向けて微笑んでいる。
「ありがとう!!」
サンジ「へへへっ!アリスちゃん、
おれと付き合って!」
「えっ!!?」
サンジくんは相変わらずへらへら笑っている。
「えーっと……お花、ありがと!!」
サンジ「アリスちゃん♡君が好きだ!!」
ウソップ「おい、アリス!!
それ、サンジは本気で言ってるからな」
「えぇっ!!?」
だけどサンジくんは普段通りへらへらしていて、本気に見えない。
私もサンジくんが好き。大っ好き!!
サンジくんももしかしたらって思ったこともある。
だけど…
「本当に私のこと好きなの?」
サンジ「うん♡」
屈託のない満面の笑みに胸がドクンと跳ねる。けど…
「じゃあ…リテイク!!」
サンジ「…え?」
ルフィ「リテイク??」
ブルック「よほほほほ。アリスさんキビシー!」
チョッパー「リテイクって、やり直しってこと
か?」
フランキー「おい、アリス!そりゃねーだろ!?」
ゾロは昼寝中だけど、男全員に睨まれながらも、私は反論を続けた。
「お花は嬉しかった。ありがとう。
だけど、こんな見せ物みたいな状態で、
本気かどうかもわからない態度で告白
されても、私の心に届かないよ。」
サンジくんは笑顔が張り付いたまま硬直している。
「サンジくん、もし本気ならやり直して下さい!」
男クルー達から猛バッシングをくらいながら、涙を必死に堪えて女部屋へと向かった。