過去拍手文(三国・戦国夢)

□手紙《陸遜夢》
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大切な貴方に捧げたい
大切なー…恋文




−手紙−




「貴方は私だけ見ていて…」
この一つの言葉すら伝えられず
私は自室でつぶやくだけ……


「陸遜?入るよ」
ノックが聞こえて声がした、女性の声。

「どうぞ」
緊張気味にそう言う陸遜は普段の軍師の姿は無く、
年相応の青年のようだった。


「書簡持ってきたよ」
陸遜の思い人はそう言った。
彼女は毎日、陸遜のもとに書簡を届けてくれる。

忙しくて陸遜は、彼女に一度だけ書簡を届けてほしいと頼んだら
「そんなに忙しいなら私が毎日届けるよ?」
…と言った。


本当は彼女の顔を最近、見ていなかったので
陸遜が少しでも会いたいと口実として使ったのが始まりだった。



それから毎日の二人の日課となっていた。

「毎日よく、書簡届くよね。陸遜」
最近では陸遜の部屋で会話するようになった。

「貴女は毎日、書簡届かないのですか?」
「うん。どうして陸遜にそんなに届くのか不思議」

「主に諸葛亮先生からのお手紙と…あとは策について呂蒙殿に手紙を書いてその返事や…」

「直接、呂蒙殿に聞かないの?」

陸遜の返事にそう聞いた。
するとこう答えが返ってきた。


「私も呂蒙殿も忙しい身ですから、なかなか聞く機会がありませんし
手紙だと仕事中に執務に混じって嫌でも気づきますしね」


「貴女も手紙欲しいですか?」
「陸遜から?どんな手紙かな?」

陸遜がそう言うと
そう返事がきた。


「秘密です」





貴女に捧ぐ
大切な恋文。

言え無かった言葉
けれどせめて文で紡ぐ。


貴女への思いを
書簡に乗せてー……









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