−長編オリジナル−

□1.死神
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今日の仕事は多分割と簡単なはずだった……。


一人の死んでいるはずなのに死んでいない、少年を冥界に連れていけば良いだけなのだから……。

「デスクワークより、こっちの方がやっぱり楽チン♪」
死神にも、資料の整理やミスの後片付け等、デスクワークもある。
でも、刹那は身体を動かす方が好きだった。

「さてと…たしかこの辺りのはず」
刹那は翼を動かすと、低空へ移動した。

「この家かな?」
明かりの点いた二階の窓を覗き込むと、一人の少年が机で勉強していた。
…資料にあった少年、翠。

少年が顔を上げるとふと目が合った気がした。
普通の人間に死神が見えるはずは無い。
気のせい………?

刹那がそう思っていると翠はびっくりした顔をして、カーテンを慌てて閉めた。

…………??

それが彼との出会い。






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