ボカロパロ

□悪食少年カカロット
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肉特有の腐った臭いが漂う背徳の館の中で今日も始まった狂気の晩餐。次々と出されてくる身の毛もよだつ料理に囲まれ、幸せそうな顔をする男の姿は鬼そのものだった。彼の名前は、カカロット=バニカ=コンチータ。2年前までは、世界中を駆け回り、美食を極めていた。しかし、ある日、『暴食』の力に取り憑かれたカカロットは狂い、『究極にして至高の悪食』を求める様になってしまった。ー




『偉大なるカカロット様、本日のメインディッシュ[人肉のソテー 猛毒のスパイスを添えて]をお持ちしました』
『遅ぇ‼︎』
ブンッ‼︎
楽しみにしていたメインディッシュが中々来ない事に苛立ちを覚えていたカカロットは、召使のベジータに空いていたグラスを投げつけた。投げられた本人は素早くそれを掴み取り銀のトレイにのせると、深々と頭を下げた。
『申し訳ありません。何せ、今年に入って15人目のコックが1人ではとても作りきれない、などとほざいておるものですから…』
『チッ…全く、使えねぇ奴だ…』
カカロットが短く舌打ちをして頭を抱えていると、今度は、もう1人の召使・ブロリーが恭しく頭を下げ、持っていたスープ皿をカカロットの前に置いた。
『お話中失礼致します…スープができました…本日は…[黒目玉を練り込んだ肉団子のスープ]です…』
『…あぁ…』
『それと…コックが…そろそろ休みが欲しい、と申しておりますが…』
『…もうか…だったら、あのコック…名前なんだっけ?…まぁいいや、あいつを休ませてやれ…永遠に、な』
『『はい、承知しました。我らが偉大なるカカロット=バニカ=コンチータ様』』
カカロットの命令を聞いた2人は、不敵な笑みを浮かべて、そう言った。

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