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□夏の結晶
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「ねぇ、見て!〇〇君じゃない?あれ」

学校の帰りに寄り道した路面店の並ぶ通りで、ふいに友達が私の片を掴む
その視線の先には、同じクラスの〇〇君がいた。
こんなところで一人で何してるのかな?

「はぁー!カッコいいなぁ。やっぱ〇〇君は…」

皆言う。この言葉、聞きすぎたくらい
毎日のように聞く
でもあたしはときめくとか
あんまりできなくて
不器用なのかな
昔から自分の気持ちがよくわからない
感情ってとても難しいものだと思った

一年前の春
新学期を向かえた日
桜の舞う並木道で彼を見た
初めて彼を見た時の印象は今でも並木道を通る度残像のように思い出す。
冷えきったような目
夏の残暑のような
冬の忘れ物
そんな印象だった。

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