サン×ゾロ

□夢に会いに来て
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俺らは、海賊。
いつ死ぬかわからない。
今にだって、他の海賊が攻めてくるかもしれない。
海軍に捕まってしまうかもしれない。
そんなことはわかっているのに。
承知して、付き合ったのに、やっぱり、死ぬのは嫌だ。
自分でも矛盾してるのはわかってる。
だけど、どうしても離れたくない。

「ゾロ、何かあったのか?」

死ぬのは、怖い。
死ぬのは、寂しい。
死ぬのは、嫌だ。
死ぬのは、他の誰かでいい。
死ぬのは、二人以外の誰か。

「おい!?なに泣いてるんだよ!!」

泣いてる?
誰が?
俺?

「おい、ゾロ?無視か?」

「し……ぃ……」

「何?」

「死なないで…」

「はあ?お前なぁ〜、俺がゾロを残して死ぬわけないだろ?」

ほんとかよ。
今こうしてる時だって、狙われてるかもしれないのに?
なんで言い切れるんだ?

「俺が死ぬと思ってんの?」

「いつ死ぬかわからない。」

「まー、確かになぁ。いつ死んでもおかしくない。」

やっぱり、自覚は有るではないか。
こいつは、死ぬのが怖く無いのか?

「死ぬのが怖く無いのか?」

「怖くないよ。」

こいつは俺と違って強いなぁ。

「夢に会いに来て。寝てる時だって、大切な時間。」

「夢?難しいことを言うね。」

「だって…」

「わかった。あいにいってやる。」

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ここは、何処だ?
真っ暗。
辺り一面漆黒の闇。
ルフィは?
ナミは?
ウソップは?
サンジは?
チョッパーは?
ロビンは?
フランキーは?
ブルックは?
なんで誰もいない?
俺の周りには、誰もいないのか?

「……」

誰かの声が聞こえる。

「ゾ……」

誰だ?

「ゾロ、夢に会いに来てやった。」

「サンジ!!!」

「どうしたの?こんなに甘えちゃって。」

「怖かった。誰もいなかったから。」

サンジは本当に夢の中に会いに来てくれた。
なんて優しいんだろう。

ゾロは、サンジの腕の中でぐっすりねむっている。

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