サン×ゾロ
□反則の笑み
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「ゾロ」
「ん?」
「なんもない。」
「そっか。」
今、ゾロは、ダンベルを振って、筋トレをしている。
練習中は集中するため、ゾロの領域には、誰にも入れさせませんオーラが出ている。
だが、俺だけは、特別。
何時でもゾロの領域に入って行ける。
「集中出来ないんじゃないの?」
と、聞いてみても、
「いや、お前がいても、集中は切れない。」
とのこと。
「他の人は?」
と、聞くと、
「他の人だと、駄目なんだよ。」
と答える。
やっぱり俺だけは、特別なんだぁ〜
なんて、頭の中で妄想を膨らましていると、不意に影が近づく。
「コック、何か、酸っぱいジュース飲みたい。」
お、リクエスト来ました!
「わかりました。お姫様。あちらで座ってお待ちください。」
そう言うと、笑顔で頷き、俺が指差した所に座る。
(あ〜、かーわいいっ!)
今のは、反則でしょ!
なんだあの笑顔は!
あんなの見せられたら、どんな男でも一瞬で堕ちるわ!!!
心の中で叫び、酸っぱいジュースの制作に取りかかった。
そして5分後
「お姫様、お待たせいたしました。酸っぱめレモネードです。お口に合うかどうかわかりませんが、どうぞお召し上がりください。」
「おう、ありがとな!」
まただ、またあの反則の笑みだ。
あんなの見せられたら、俺が限界だ。
「サンジ、これ美味しい。」
「そっか。ならよかった!」
その、嬉しそうな顔、その顔大好きだよ。
反則の笑みとは、少し違う。
笑みというのは一緒なのだが。
「おかわりある?」
「おう、あるぞ。俺のお姫様がおかわりって言うと思って、作っといた。」
そう言って、空になったコップを受け取る。
その時、一瞬触れたゾロの手の感覚が、とても気持ちよかった。
「少々お待ちください。今すぐ、持ってきます。」
ゾロにそういい残し、キッチンに駆け足で飛び込んだ。
まただ。
またあの反則の笑みだ。
もう、いいかげん気づいてくれ。
自分が歩く18禁だということを。
「ああ、いけない。お姫様を待たせてる。」
コップにレモネードを注ぎ、俺のお姫様の元へ向かった。
「お待たせいたしました。レモネードです。」
「やった!ありがとう!」
おいおい、どうしたんだ、今日のゾロはゾロらしくないぞ…
「そんなに美味しいのか?」
「おう!旨いぜ!なんせ、サンジが作ったんだからな。俺は、サンジが作ったものなら、全部旨く感じるぜ!」
なんと…
コックにとってとても嬉しい言葉。
こういう時に感じる。
(コックをやっててよかった。)
と。
人が笑顔になると、自分も笑顔になれる。
幸せだな。
「サンジ、後で酒取りに行くから。」
「はいはい。待ってるよ。」
「俺は眠いからねる。」
何時ものように、光合成に入るようだ。
「ゾロ、おやすみなさい。」
「おやすみ。」
(今日は絶好の光合成日和だな。)
声には出さないが、心の中でおもう。
そして、その場を去った。
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キッチン
「サンジ君、私にも、レモネード頂戴」
「ごめんなさい。ナミさん。俺のお姫様がおかわりしに来るので、あげられないんです。」
「うふふ。そんなこと知ってるわよ。ジョーダンよ。」
なんだ、ナミさんは、わかっていてくれたんだ。
「サンジ君、ゾロを泣かしたら、許さないから。」
おっと、ライバル参戦。
「心配しないで下さい。俺は、ゾロをなかしたりなんてしません。鳴かしはしますが。」
「ふふ。そうね。」
そう言ってナミさんは、キッチンを去っていった。
そして、しばらくして、お姫様がやって来た。
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サンゾロの中で一番長い。