サン×ゾロ

□思い人
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いつからだろう。
アイツを目で追うようになったのは。
その時から俺のココロに新たな感情が出来た。
コイコゴロって言う感情だった。
初めはイラナイ感情だと思っていた。
だけど、ルフィもナミもロビンもウソップだって同じ感情を持っているなら…
俺にも必要な感情だと思う。
でも、俺は、おかしい。
ナミはルフィに、ルフィはナミに
、ロビンはウソップに、ウソップはロビンに。
その感情が向いている。
でも俺は、サンジにその感情が向いている。
どうしてだろう。
その時から自分はホモだと思っていた。
叶うはずのない恋なのに。
ずっと、違う、違う。と、言い聞かせ続けてきたのに。
なのに、自分はアイツを求めてしまう。
女好きのアイツを…

「…い…おいっ‼︎」

アイツの声で現実に戻された。

「な…んだ?」

「なんだ?じゃねーよ。飯だ、めーし。」

もうそんな時間か?

「今は、何時?」

「知らねーよ。人間時計じゃねーから。」

「そっか。」

でもおそらく、夜だ。
辺り一面真っ暗だ。
さっきから、意識が朦朧としている。
変なものを食べたわけじゃないのに。

「先…行っ…とい……」

「おいっ‼︎大丈夫かっ‼︎」

サンジの声がどんどん小さくなっていく。


意識は戻った。
でも外ではない。
カタカタカタと、小さく音がする。
きっと医療室だ。

「ゾロ。起きてんの知ってらーよ。」

「どして、お前が?」

「そんなに俺が嫌か?」

「いやそうじゃない。」

「じゃあ、なんだ?」

「不思議だなって。」

俺の気持ちが。

「お前の気持ち?」

「そう。」

「へぇー。どんなかは、聞かないが、お前なんか、隠してるだろ。」

いきなり云われてびっくりした。
こいつはなんでも読めるのか。
恐ろしい。

「なぁ。聞いてんの?」

「何も隠してないから。」

「嘘だね。隠してるって顔に書いてある。」

「もう、全部分かってんだろ。」

「勿論。」

「じゃあいいじゃねーか‼︎そんなにオモシロイのか?泣いてる俺を見て…」

「…それは違うね。」

「じゃあ、何…」

これじゃあ、今にでも泣き出してしまいそうだ。

「俺はお前が、好きだ。」

「どうせ、嘘なんだろ?女好きがいきなり、」

ホモなんかになるわけないだろ…

「その考えは、違うよ。」

「じゃあなんだ‼︎なんなんだ‼︎」

「人間のココロは、本当に単純でな…相手が自分の事が好きだって分かると、自然と自分もその人が好きになるんだ。」

「そんな都合の良い話あるわけないだろ…」

自分の声がかすれていく。

「あるよ。好きになれるんだ。絶対に。だから、俺の言葉を信じて…好きって言葉を信じて。」

本当に信じていいのだろうか?

「信じて…いい…の?」

「勿論。信じていいさ。本当の事だから。」

「そっか…ごめんなさい。信じてなくて。」

「でも今は、信じてくれてるだろ?だったらいいさ。」

「ありがとう…」

そのまま俺は、サンジの腕の中で、寝てしまった。
でも、その後サンジも寝てしまったらしく、となりで横になってた。
本当にありがとう…そして
ごめんなさい。

END

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