幸×政(サス×コジュ)
□竜の涙
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「政宗殿……某では、貴殿を守れそうにない……だから…その……某と別れぬか?…きっとその方が貴殿の為なのだ……。」
それは突然だった。
どうしたらいいのかもわからず、ただただ泣いていた。
もう昔には戻れない。
楽しかった時間も戻ってこない。
だからただ泣いていた。
-甲斐-
そのころ甲斐では、突然の豪雨と突風で家が壊れる、畑が荒れるなどの被害が出ていた。
「こんな時期に珍しいね〜。」
雨で洗濯ができなくなった佐助が姿を見せる。
「うむ…」
政宗殿…泣いておられるのか…?
この雨は、貴殿の涙なのか?
「旦那…なんかあったの?」
「いや、何もない。しばらく独りにさせてくれ…。」
「考え過ぎは、やめなよー」
佐助は何処かへ消えた。
それから1日ほどたった頃、雨はまだ降っていた。
雨に続き雷までもが甲斐を襲った。
その雷は蒼き竜の落とす雷に似ていて、それが蒼き竜の心を表しているようにも思えた。
「政宗殿…」
不意に口から出た言葉。
この時、政宗がどれほど大切なものだったのか幸村は気付いたのであった。
「旦那…奥州まで行っておいでよ。竜の旦那に言うことがあるんじゃないの?」
そうか、佐助には隠す必要なんて無かったんだ。
始めからわかっていたんだから。
そして二人は奥州に向かう準備を始めた。
-奥州-
「…っ…ひっ…」
民や軍、小十郎にばれないように声を殺す。
泣いているとばれないように。
だが、きっと小十郎は気付いているだろう。
俺のことは、誰よりも知ってるもんな。
でも、話しかけてこないのはあいつなりの優しさなんだろう。
あいつなりの気遣いなのだろう…。
-甲斐-
「さて、行きますか。」
「うむ…」
2人は甲斐を出たのであった。
-奥州-
泣き続けて何日たったのだろう。
飯もあまり喉を通らない。
ほぼお茶だけの生活をしている。
すると突然
「政宗様…真田とその忍が来ております…」
と小十郎からの知らせが入った。
なんで?もう円を切ったのに…なんで幸村が?
思考回路は停止し、いつの間にか「入れろ」と言っていた。
「で、何の用だ?」
冷たい視線を送る。
「某は、政宗殿の大切さを知りました。」
「で、なんだ?だから、なんだって言うんだ?」
「もう一度、某、真田幸村と、付き合ってはもらえぬか?今度は、もう手放したりはしない。約束するでござる。」
「答えは、No.だな。」
「な…何故でごさるか?」
「もう嫌だから。お前なんて好きじゃないから。」
「では、何故泣いておられる。政宗殿の涙が甲斐に降っておられる。」
何を言っているんだと思いつつ甲斐のことを思い出してみる。
甲斐国は今の季節はあまり雨が降らないことを思い出す。
「そうか、気付いてたか…」
「雷も襲ってまいりました。政宗殿のような…。」
「そうなのか。まぁ、真実をいうとな…好き…だけど…怖いんだよ。あんたが好き過ぎて捨てられるのが…」
「もうそんなことは致しませぬ!この身にかけて政宗殿をお守りいたす!だから…付き合ってはもらえぬか?」
「OK、好きだ幸村…」
end
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何が書きたかったんだ(笑)