佐×政
□猿飛佐助、いざ参る
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「さーて、俺様が来ましたよーっと。」
「おう猿か…どうしたんだ?なんかあったか?」
「いや。なにもないよ。ちゃんと食べてる?」
「最近はあんま食べてない。」
「やっぱり。ちゃんとたべなさい!」
「…食欲が湧かないんだ。食べても戻すだけだし…」
「…なにか精神的苦痛でもあった?」
「いや。特には…」
「……俺様に会えなかったから?」
「そんなんじゃねぇ…」
「じゃあどうしたの?」
「…」
「え、なに?ちょ、政宗さん?泣かないで!」
「…毎年、この時期になると、自分の子供の頃が思い浮かぶんだよ…なぜか。思い出したいわけじゃないのに。」
「…大丈夫。もう、あの時は過ぎた。俺様が居るじゃない!」
「…佐助…佐助っ…」
「なに?俺様暖かいでしょ?政宗よりも。」
「もうちょっと、ここにいろ…」
「いつまでも居るよ。大丈夫。」
「なぁ、お前は親とか居るのか?」
「さぁ、知らない。何だろうね、自分という意思を持ち始めた頃には、もういなかった。」
「…悲しくないのか?」
「ぜーんぜんっ。親って皆口うるさいでしょ?」
「まぁ、そうだな。」
「でしょ?だからうるさい人が居なくてああ良かったって感じ。」
「そうか…何でなんだろう…」
「んー?なにが?」
「親にかまってほしかった。でもお前はかまってもらいたいなんて思わなかった…」
「なんでだろうね。ま、俺様が居るから良いでしょ。」
「まぁな。」
「ふふっ。まぁ〜なんかあったら言いなよ。いつでも相談乗るからさ。」
「おー。」
「忍らしくないって?」
「そうそう。」
「んなこたないよ〜」
「俺の中のお前はそんなこと言わない。」
「じゃ、言うってこと頭に入れといてね!」
「おーう。」
「じゃー、俺様任務にとりかかるわ。じゃあね、また今度!」
「またな。」
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「政宗様、夜、誰と話していた?」
「小十郎には関係ない。」
「いいえ、政宗様、お話しください。」
「いやだ。」
「何故ですか?」
「嫌なもんは嫌なんだよ。」
「はーいここで本人登場。」
「なっ、猿飛!?」
「そ。俺様と話してたの。なんか文句ある?」
「…いや別に」
「ならいいじゃん、話すだけなんだし。あ、あとこれ、真田の旦那から同盟の申し込み。」
「だとよ小十郎、同盟、反対か?」
「いいえ。」
「そうか。」
「あなた様が良ければ、小十郎はついて行きます。」
「猿飛、これ、真田に届けな。」
「はーいはいっと。じゃあまたね〜政宗さん。」
「お。またな。」
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「政宗様、いつから猿飛と仲良くなった?」
「いつでもいいだろ。運命だ。」
「……そうですか……」