幸×政(サス×コジュ)

□要らないなんて言わないで。
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俺の目の前では、激戦が繰り広げられている。
幸村の攻撃を佐助がかわす。
その着地の隙を幸村が狙う。
そしてまたかわし、攻撃をする。
金属が打ち付けられる音が絶え間なく響く。

「佐助、甘い。」

「なっ…」

佐助が殺されそうになったとき、すごいスピードで
何かが通った。

「政宗様!!!お待たせしました!」

「小十郎………小十郎!!!!」

「片倉さん!!傷は!?大丈夫なの!?」

「お前ら……お前らは…何時も某だけを避ける!!
某は、子供だから!?
ふざけるな!!
何もかも、お前らが悪い!!!
お前らが毎回某を馬鹿にして、子供だ子供だって!
某は何時までも馴染めぬまま!?
なぜだ!!!
某じゃいけないのか!?
政宗殿だって、某の気持ちを踏みにじったではないか!!!
「子供染みた事は嫌だ」と何度も何度も某を避けて!?
それで某が貴殿の気持ちを踏みにじった!?
ふざけるな!!!!!
そんなの貴殿の妄想であろう!!
そこからなのだ!
某は親方様に貴殿の首をもって帰ると約束したのは!!!
貴殿が避け始めた時からなのだ!!!
その前までは、某だって…政宗殿の事が大好きで大好きでたまらなかった。
愛してやまなかった。
「愛」というものを知って笑顔になる政宗殿を見て、こっちも笑顔になれた。
某の愛は、本物のだったのだ…
貴殿に言った言葉、やったこと、全てが本物だった…………」

「幸村………幸村……ぐすっ…ごめん…なさい…ごめんなさい…」

「竜の旦那!!抱きついちゃだめ!!!止めなさい!!!!」

俺は迷わず抱きついた。
しかし、佐助が言ったこと、守っておけばよかった。

「政宗殿、貴殿に対する憎しみ、そんなものでは消えませぬぞ?」

「政宗様!!!!!!」

「竜の旦那ァ!!!!!!」

痛い。
とても痛い。
自分の腹に幸村の槍が刺さっている。
そして、それが自分の中で掻き回される。

「あ"あ"あ"あ"っっっっっっっっっっ!!!!!」

「政宗殿…痛いでしょう?」

「もっとだ……足りねーよ……」

挑発してみる。
でも、幸村は俺の腹から槍を抜き、佐助と小十郎のもとへ向かった。
そして、二人の心臓部に槍が突き刺さる。
佐助さえも逃げられなかったのだ。
幸村が二人から槍を抜くと鮮血が吹き出す。
そして、二人とも地面に倒れた。
幸村が近づいてくる。

「政宗殿…貴殿もこうなるのですよ?」

「やだ…幸村…もう嫌だ……俺、死にたくない…
何でもするから、だから、生きさせて…」

「ふふふ、可愛らしいお方だ。
しかし、生かしておくわけにはいけないのです。」

「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!!!!!」

「さあ。痛いでしょう?もう諦めたらどうですか?」

「お願い!!!幸村ぁ!!!死ぬのは、陰口より、怖いよぉ………」

「陰口…?貴殿は、陰口など言われてきたのか?
かわいそうな奴だなぁ。
こんなに美形なのに。」

「…………幸村、俺は…生きてたらいけないのか?」

「はい。だめです。」

「じゃあ、わかった。殺せ。」

「貴殿も矛盾しておりますなぁ。
殺せと言ったり殺さないでと言ったり。」

「幸村が、笑顔になれるなら、俺は死んでもいい。」

「ふん。そうですか。」

「殺せ。」

幸村が笑顔で近づいてくる。
狂ったように首を曲げて。

「政宗殿…貴殿は美しい。」

グサッ!!!

皮膚を破る音がする。
これでいいんだ。
そういい聞かせて眠りにつく。
ああ。
何時もは生き返る小十郎も、佐助も、皆死んだんだ。

「可愛そうな方たちだ。」

幸村の声を聞いて、完全な眠りについた。

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bad end...
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