幸×政(サス×コジュ)

□離さないで
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「幸村…離さないでくれ…お前しかいないんだ...」

「政宗殿…?」

「離さないで…」

「何故泣いておられるのだ…某は政宗殿を絶対に離しませぬ。」

「俺は…っつ、思い出したくない…」

「どうしたのですか…政宗殿らしくないですぞ…」

「…幸村…」

「なかないでくだされ…政宗殿の泣き顔など見たくありません」

「幸村…ここにいて…俺から離れないで…」

「何時でも、政宗殿の側に。」

「だめだ…やっぱりだめ…」

「なにがだめなのですか…?
政宗殿…?」

「嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
連れていかないで!!!
俺のただ一人の…!!!……」

「ちょ、政宗殿!?
目を覚ましてください!!!」

「政宗様…!!」

「片倉殿!!!!」

「真田…びっくりしたよな…大丈夫だ。
政宗様は目を覚ます。」

「そうです、か…」

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政宗殿が気を失ってから、ほぼ1日が経とうとしていた。
付きっきりで、寝ていないため、眠い。
でも、寝れないのだ。
自分が政宗から離れたら、政宗自身が何処かに消えてしまうとおもって。
自分がどれだけ政宗に依存しているのかがわかる。

「政宗殿…」

起きてほしい。
起きて、自分に抱きついてほしい。
その手で自分を包んでほしい。

「政宗殿。起きてほしいです。
某をその手で包み込んでほしいです。」

「………ぇ」

!?

「政宗殿!?」

確かに聞こえた。
政宗の声が。

「政宗殿!!
しっかりしてください!!!
某はここにおります!!」

「…………ぁ…た……て」

!!

政宗の手が動いた。

「政宗殿…帰って来てください。
某はここにいます。」

「幸…村………」

「政宗殿!!!」

政宗の目が開く。
それと同時に某の何かが切れて意識がなくなった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「………らぁ……」

「………」

政宗殿が某を呼んでいる。
手を動かして、政宗を抱き締める。

「幸村………幸村!!!」

「離しませぬ………………」

「ほんとに?」

「はい……」

「ありがとう……ありがとう…」

外を見る。
まだ辺りは暗い。

「政宗殿、もう少し寝ましょう。」

「おう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「竜の旦那、真田の旦那、おはよう。」

「佐助!!」

「よぉ、猿。」

「もう大丈夫なの?」

「政宗殿を見たら治った。」

「へー、すごいねぇー。
好きな人を見たら治る。
俺様もそんな便利な機能ほしいー。」

「猿、お前も、看病してくれたんだろ?
その、なんていうかー、ありがとよ。」

「わお。なんか竜の旦那に言われると嬉しいわー。」

「なっ、某に言われても何も感じぬのか!!」

「あぁ、感じないね。」

「佐助、減給((ボソッ」

「すみませんでした!!!」

うん。
旦那たちは、泣いてるより笑っていた方が似合うよ。
俺様の大好きな二人で、これからもどうか幸せに。
そして、その幸せをわけてくれるといいな。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さすがおかん佐助。

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