幸×政(サス×コジュ)

□要らないなんて言わないで。
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幸村…どうか、どうかお前だけは、俺を要らないなんて言わないで…

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「幸村…?」

「政宗殿…すみませぬ。某に、政宗殿は必要ないのだ…」

「ぇ…」

なんで?
なんで要らないなんて言うの?

「忘れたの?約束…」

「ええ。忘れました。」

…酷い。
最初からわかっていてこんな風にしたのかな。
「要らない」
そう言えば、俺がひどく悲しむ事を知っていて最初からこんな風にしたのかな。

「忘れたの、か…」

「政宗…殿?」

「あはははははははっっあっははは!!
最初からわかってたんだろ!?
最初から計画済みだったんだろ!?
こうやって内側から壊していけば、俺の命も、狙いやすくなるもんなぁ!?
俺の命が欲しかったんだろ!?
俺の首を武田のおっさんに手土産としてもって帰りたかったんだろ!?
武田のおっさんはさぞかし喜ぶだろうなぁ!!!
なんせ、独眼竜の首だぜ!?
あっははははははっっっっっっっっ!!!!!
殺したかったんだろ!?
だったらはやく殺せよ!!!!!
俺の首をもって帰れよ!!!!
ホントは、好きでも何でもなかったんだろ!!!!
俺に言ったこと、やったこと、全部嘘だったんだ!!
大好き!?
愛してる!?
そんな嘘いらねーんだよ!
俺は、ただ、本物の「愛」ってヤツが、欲しかった、最初に言った、俺言ったよ、幸村に。
本物の「愛」を教えてくれって。
そしたらアンタは満面の笑みで
「教えてあげる」
っていった。
それなのに、アンタは、アンタは!
俺の気持ち踏みにじって!?」

「政宗殿…騙される貴殿も悪い。」

「騙される!?
あんな、笑顔見て…疑えるかよ…
好きな人の笑顔見て…疑えるかよ!!!!!」

「某はただ、親方様の指示に従ったのみ。」

「黙れ…黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ!!!
んんっ……止めろ!!!!!!!
なに飲ませやがった!!!」

「少々眠って頂こうとおもい。」

「小十郎!!!!助け…て」

「片倉殿なら、この世を去ってる筈ですよ。」

「なん…で………………」

「真田の旦那。片倉さんは、始末したよ。」

「こ…じゅ……」

そこで思考は途絶えた。

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「………だん…」

誰かが俺を呼んでる。

「竜……だん…」

この声は、聞き覚えのある…
佐助?

「だれ………」

「俺様。佐助…まさか忘れちゃった?」

「な…にしにきや……がった?」

思うように動かない口で言う。

「大丈夫。俺様は、なにもしない。」

「嘘つき…」

「竜の旦那。よく聞いて。片倉さんは殺してない。んで、俺様は、真田の旦那ともう、組んでない。」

「そんなもん…信じられねぇ…」

「お願い。信じて。」

「…………」

「真田の旦那が来る。無駄な抵抗はしちゃダメだよ!!!」

そう言って佐助は消えた。

「政宗殿…貴殿はこれから処刑されるのだ。何か言い残した事、遺言などは有りませぬか?」

「んなもんねーよ。」

「では、参りましょう。」

「嫌だ…嫌だ嫌だ嫌だ!!」

「何故ですか?」

「助けて…助けてぇ!!!!」

佐助…お願いだ…
さっきの事信じるから…
だから助けて…

「真田の旦那!!!竜の旦那を離しな!!!!」

「佐助、俺と組むのを辞めたと思ったら政宗殿と組んでいたのか。
馬鹿な奴だなぁ。
死ぬ奴と組んでどうするのだ。」

「竜の旦那は死なせない。」

佐助が、守ってくれてる。
さっきの事、信じてないみたいな言い方しちゃったのに。

「佐助………」

「死ぬのは真田幸村…アンタだよ。」

「政宗殿の前に、佐助の処刑ですか…
それもまた、いいものだ。」

「アンタだけは…アンタだけは許さない!!!!!」

「佐助、お前は猿だ。
自分の姿が見えんのか?」

「見えてるよ。とっくの昔に見えてるよ!!!!!!!!!!」

「佐助…お主は、何故政宗殿を守る?」

「俺様には、竜の旦那が人に見える。
だけど、アンタは猿なんだよ。
だから、守るんじゃない?」

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続きますの。
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