幸×政(サス×コジュ)

□寂しくて…
1ページ/1ページ

某の恋人、伊達政宗はこの前の戦で死んだ。
政宗殿の死体は、片倉殿が某のもとへ届けてくれた。

「政宗殿…」

呼んだら起きるのではないか?
というくらい綺麗なまま死んでいる。

「貴殿はどんな姿でも、綺麗ですなぁ。」

そう言って、政宗を抱き締める。
いつもなら、抱き返して来るけれど、今は、全く動かない。
おまけに、体も冷たく、人間のぬくもりがない。
当然の事なのだが。

「某、寂しいです。」

何をいっても、何も返ってこない。
それも、当然の事。
だが、寂しくて、話かけずにはいれないのだ。

「帰ってきてくだされ…」

帰ってこないことなどしっている。

「政宗殿…」

頬に生暖かい液体が伝う。
何時もなら、その綺麗な手で、こんなものすぐに拭き取ってくれるでしょう?

「はやく…拭き取って下さい…」

「真田の旦那…悲しいのは、わかるよ…」

「佐助ぇ…」

ついに某は声をあげて泣き出した。

「はいはい、泣きたいだけ泣きなよ。」

「っ…ぐっ…政宗…殿ぉ…」

政宗殿との、思い出を思い出すと、涙が溢れてくる。
一緒に団子を食べたり、時には戯れあったり。
いろんな事をして、いっぱい笑いあった。
しかし、政宗殿の脳にはそんな記憶などもう、ない。
政宗殿のこの体はもうなんの意思も持っていないのだ。

「政宗殿…」

貴殿は今、何処で何をしていますか?
この空の続く場所に居ますか?
何時ものように、笑顔でいてくれますか?
どこかで、生きていてください。
そして、某を思い出して下さい…

『幸村…』

「政宗殿…!?」

どこかで某を呼ぶ、政宗殿の声が聞こえたような気がした。

「竜の旦那は、居ないよ?」

「政宗殿が、呼んだのだ!!某の名を!!」

『泣くな。』

「政宗殿!!!」

「真田の旦那!!どこにいくんだ!!」

「政宗殿が、迎えに来てくれたのだ!!」

「…」

「佐助…?」

「俺様さ、真田の旦那がいなければ、どうすれば良いのさ…」

「俺が居るだろ?」

「右目の旦那!」

「片倉殿…」

「こいつのことは、俺に任せておけ。」

そうか…
片倉殿になら、任せることができる。

「片倉殿…佐助を、よろしくお願いします。」

『幸村…小十郎…』

「政宗殿!!何処ですか!?何処に居られるのだ!某も、連れていって下され!」

『幸村…』

「某、政宗殿が居なければ、寂しいのです…生き甲斐も無いのです。」

『駄目…幸村、必要としてる人、居る。』

「佐助なら片倉殿に任せてきた!駄目なのですか…?」

『逝かなきゃ。バイバイ。』

「待って下さい…待って下さい!!!!!!!」

政宗殿…何故泣いておられる?
何故、逃げる?

『死んだんだよ…もう、成仏しなきゃ…』

「待って下さい!!!」

『もう、駄目だ。』

「政宗殿ぉっっっ!!!!!!!」

もう、政宗に会えない、もうあの声は聞けない…

「政宗殿…何故、ですか…うぅ…政宗殿ぉ…まさむね…どのぉ…」

己の中の何かが壊れた。

これが、定めと言うものか…
神は、残酷ですねぇ。
某の恋人まで、奪う。
神、貴方のことを、一生憎みましょう。
某を、一人にしたことを悔やんで下さい。
某の政宗殿を奪った事を、後悔してください。

くっくっくっくっく。

某は死ぬまで、政宗殿の屍を撫でましょう。

-----------------------
意味わかりませんね。スミマセン。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ