幸×政(サス×コジュ)

□声も体も命も全て頂戴?
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「政宗殿…」

最近、政宗殿が美味しそうに見える。
食べ物じゃ無いのに、甘くて、美味しそうに見える。

「なに?」

「政宗殿の、声も体も命も全て食べてしまいたい。」

こんなこと言ったら、政宗殿は、避けるであろうか…

「なにいってんだ?」

「声も体も命も全て食べてしまいたい。と思いまして。」

「俺の?」

「はい。」

「幸村、頭大丈夫か?」

「いえ、大丈夫ではないようです。」

「俺、そんな奴とは、付き合いたくない。」

やはり、避けるのですか…

「避けるのですか…」

「…幸村…?」

己の中の何かが崩れた音がした。

「政宗殿…逃げないで下され。」

自分が自分ではないような感覚だ。
政宗殿を食べたい気持ちが抑えられない。

「幸村…止めろ…!止めてくれ!」

己の体を思うように動かせない。

「貴殿は、某の食料なのだ。じっとしていて下され。」

「…テメェ…幸村じゃねぇ。」

くっくっくっく。
何故逃げるのだ
何故拒むのだ…
全て某にくれればいい話だろう?

「おい、俺の幸村はどこいった」

「はて、どういうことでしょう?幸村なら、ここに居るでしょう?」

「ちげーよ。お前じゃねえ。」

「政宗…某の政宗…」

何故、某じゃ無いのですか?
某は真田幸村ですぞ?

「政宗…全てを某に下さい。大事にします。」

「ha?お前にあげるもんなんてねーぞ?」

「そうですか…では、力で奪うのみ。」

「っつ!?」

このまま死んでしまえばいい。

「っく…ゆ…きぃ…」

政宗の首を締める手にもっと力を込める。

「あぁ…しに、っ…たく…」

「死んで下され。」

このまましんでしまえば、某が全て食べれる。
だから、死ね。

「死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。」

「いやぁ…」

そして、政宗は動かなくなった。
本当に死んでしまった。
政宗の手を握る。
少し反応するけど、冷たくなっていくだけ。
悲しいはずなのに、嬉しい。
笑みが溢れる。

(政宗が手に入った…)

今では聞くことの出来ない声も。
白く、美しい、この体も。
今では某が奪ったこの命も。
全てが全て某の物。

さて、何処から食べようか?
頭?
腕?
手?
足?
何処もかしこも美味しそう。
そうだ、まずは政宗殿自身食べよう。
二槍を取りだし、政宗自身に宛がう。
そして切り裂いた。
切り裂かれた部分から鮮血が吹き出す。
その鮮血も、某の飲み物…
髪の毛だって、某の物…
髪の毛一本も誰にも触れさせぬ。

「くっくっくっくっくっくっく。」

またもや笑みが溢れる。

「政宗殿…これからは、一生一緒ですなぁ?もう、某から離れることは許しませんぞ?」

政宗殿は、某の体の一部…

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暗い話が多いですよね…

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