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□第一話?
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波がぶつかり合う音
一定のリズムで左右に揺れる船
何だか外が騒がしい
怠い体を叩き起して外に出る
『敵襲かと思ったけど?』
「おぉ セスイ、起きたか。今起こしに行こうと思ってたとこなんだぜ 」
『何?』
「後数時間で上陸だ!」
『あ、そ?オレ眠いから寝るわ?』
「あ?何でだよ?久しぶりの島だぜ」
『欲より睡眠なんだよオレは?それに女は逃げないしね?』
「ほんとお前女好きだよな…」
『シャチほどではないと思うよ? 』
「何?お前喧嘩売ってんの?女が釣れないオレに対しての嫌味?」
『何だよくわかってんじゃん?』
「くそてめぇっ…!モテるからって調子のんなよっ!」
『モテないお前に言われたくないよ?まあとにかく寝るから…船番誰?』
「…ペンギン」
『よかったじゃんシャチじゃなくて?まあ楽しんでおいでよ?…楽しめたらね』
「キーッ!ほんとムカつくなお前ー!」
『そりゃ最上級の褒め言葉だね?じゃあお休み』
未だ背後で叫び続けるシャチを放置し部屋に戻る
『怠い…』
久しぶりにあの夢を見たからか
考えを振り切るように目を閉じた