いのもとたかふみ
□約束
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俺から藤原に告白してから、
毎日のように聞いてくることがある。
「なあなあ」
「んー?」
「貴ちゃん俺から離れんでなっ?」
捨てられた子犬かのように、
悲しそうな顔してこっちを見てきた。
「離れへんよ」
「ほんまー?」
「ほんまや」
俺は机にあった雑誌をめくりながら
めんどくさげに答えた。
「なにがあっても?」
「なにがあんねん」
「なにがあっても!?」
「だからなにがあんねんや」
「なんもないけど…」
ほらまたや。
こいつのめんどくさいとこ。
すぐ落ち込む。
「はぁ、もー!なにがあってもや!」
「えへへ。約束やでっ!」
めっちゃ笑顔やん。
単純やな。
「貴ちゃんが笑ってるーかわええー」
「うっさいわぼけ」