***

□後編
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--ガチャ


扉が開く音が遠い意識の中で聞こえた。
体が熱い。
顔も股間も、もう体全部が汗や涙や鼻水や、色んなものでグチャグチャになっている。
けれど、一度も射精できなくて、意識は朦朧なのに陰茎が倍に膨れ上がったんじゃないかと思うくらいに重くて仕方ない。


「坊ちゃま、楽しかったですか?」


--ビクリ


待ち望んだ声がした。
チャリ、と鎖を鳴らして視線を上げる。

「こ、い・・そ・・・」
「すごいグチャグチャです・・・けど・・・」

ひどい状態の僕を見て楽しそうに笑っていた小磯だけど、よく観察し不自然さに気付いて首を傾げた。

「こいそ・・・イカせて、も、くるし・・」

ひいひいと情けない声で解放を訴えた。

「・・・一度もイッてないんですか?」
「だ、て、これ、違う・・・」

そう、これは違う。
これじゃイケない。

「何がですか?」
「バイブ、じゃイケない・・・小磯、触ってぇ」

もう恥ずかしいとか考えられなくて、早く小磯に触ってもらえるよう腰を動かした。
ゴクリと小磯が喉を鳴らす。

「オレじゃないから、ここ、こんなになってますけど、射精できなかったんですか?」
「ひゃ、あああっ!」


--ビュルルルル


小磯に確かめるように質問されて、陰茎を触られると、さっきまでイケなかったのがウソのようにあっさりと射精した。

「あっ・・・はあ、はあ、はあ」

快感の余韻に激しく呼吸した。
ようやく与えられた絶頂は激しすぎて、追いつかない。
小磯は僕の精液を舐めとると、

「本当だ。全然イケなかったようですね」

嬉しそうな小磯に、それが何故かはわからない。
ガチャガチャと腰のベルトを外してバイブを抜き取る。

「ああっ」
「イケないけれど、気持ちよかったんですね」

バイブのスイッチを止めると、濡れたそれに舌を這わせた。
その行為が僕のを舐めるのと重なって、ようやくイッた陰茎が再び頭を持ち上げた。
敏感になっている肌を撫でながら、小磯がまったく空気に似つかわしくないことを言う。
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